谷 好通コラム

2016年09月10日(土曜日)

9.10.かっこいい車イスたち

私は半年ほど前まで車いすを使っていました。
色々な経緯があって、三年前から本格的に車イスを使うようになっていたのです。
それが、半年前に奇跡とも言えるような不思議な靴を
ドイツのマイスターに造ってもらってから、
百メートル程度ならば、まったく痛みなしで普通に歩けるようになって、
それからはほとんど車いすを使っていません。
だから、新幹線での移動もほとんど一人で出来るようになって、
他の人の手間をかけることはうんと減りました。

 

日常的に車いすを使っていた頃、
車いすを電車に乗せる時など人の手間をかける事は申し訳ないと思っていました。
しかし、
車いすに乗っている自分を惨めに思ったことはありません。
むしろ、すごく得をしている気分です。
何せ楽ちんです。
それに、車いすを自由自在に操ると
不便はほとんどないし誰よりも速いのです。
誤解を恐れず言うならば、むしろ、
車いすを自在に操って速い自分に優越感を覚えるほどでした。

 

パラリンピックで、片足が欠如している人が、
膝まで残っている腿に板スプリングの義足を取り付けて、
ものすごいスピードで走っています。
強烈にかっこいいと思います。
あるいは、
両足を無くしたり、機能を損ねている人が、
カーボン樹脂で出来た最新の車いすですさまじいスピードで走り、
あるいはテニスのコートを縦横無尽に動き回り、サッカーを闘っています。
みんなすごくかっこいいし、本人たちも誇らしげです。
それを見て、すごく羨ましいと思います。

 

体の一部を何かの運命で失って、
自らの不運を悲しんでいた時もあっただろうに、
素晴らしい装具や、最新の科学で出来た車いす、
あるいは、最新のトレーニング技術のおかげで、
健常者よりも速く、かっこよく、激しく競うアスリートとして、
闘っているのですから、こんなに羨ましいことはありません。

 

マイナスからゼロに戻るのは、普通に努力すれば出来ますが、
マイナスからプラスに転じることは、並大抵の努力ではできません。
つらい過酷なトレーニングを重ねているのでしょう。
つらい思いまでして闘うことはないかもしれませんが、
しかし、マイナスをプラスに転じてかっこよく、
すばらしく劇的で感動的です。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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