谷 好通コラム

2015年07月07日(火曜日)

7.07.弱い者は、強い者に、何をしても許されるのか

クルマに乗って、
信号待ちで交差点の横断歩道の手前で止まっていた時、
横断歩道の歩行者信号が、
“赤”になったのに、
スマフォをいじりながら若い女の人がゆっくり横断歩道を渡っていて、
その人が私の車の目の前に来た時には
こちら側の信号が青になってしまったのです。
なのに、その女性はまだゆっくり歩いています。
隣りの車が動き出したので危ないと思って
注意のためにクラクションをプッと短くならしたら、
わざともっとゆっくり歩いてこちらを挑発します。
がっかりしました。

 

クルマに対して歩行者は弱い存在です。
ぶつかれば一方的に歩行者が傷ついて負けます。
だから当然、クルマは歩行者を守る義務がありますが、
だからと言って、
歩行者がクルマに対して横暴であっていいという訳ではありません。
弱い者は、何をしても許される。と、
へんな勘違いをしている人がいるようです。

 

 

最近私は車いすをよく使うようになって、
新幹線のホームや、空港の人の中を車いすでスイスイと動きますが、
車いすに乗っていると、
なぜか自分は優先されて当たり前であって、
歩いている人が私を避けて歩くのが当然のような、
自分が偉ぶったような、変な気持ちになります。
私がまだ車いす初心者だからなのかもしれませんが、
自分が特別扱いされて当たり前のような気分になるのは、
保護されるべき弱い立場の者が、
気分的に強くなってしまうのと同じことかもしれません。
私は、赤信号の横断歩道を平気でゆっくり歩いて、
弱い者は、何をしても許される。と、
へんな勘違いをしていたあの女の人と同じ心境になっていたのでしょうか。
でもこんな訳の分らない勘違いは、すぐに自分の中で解消して、
まともな神経に戻れます。
ほとんどの歩行者が、
変な勘違いをしていないように、すぐ治ります。

 

 

あるいは、
自分のおじいちゃんが若かった時に何か害を被ったことがあって、
その害を加えた人をおじいちゃんに持つ孫に対して
「俺のおじいちゃんは、お前のおじいちゃんから害を受けた。お前も謝れ。」と、
頭ごなしに言ったとしたら、
被害者は、被害者自身でなくその孫までが、
加害者を、加害者自身でなくその孫に対して非難の言葉をあびせるのは、
赤信号の横断歩道を平気でゆっくり歩いて、
弱い者は、強い者に何をしても許される。と、
へんな勘違いをしていたあの女の人と似た心境なのではないでしょうか。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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