谷 好通コラム

2014年07月28日(月曜日)

7.28.損をしても約束は守るプライドは、ばか者か。

何かを「する」という約束を、
誰かと、したのだけど、
時間が経って、
その約束をした時と、状況が変わってきて、
その約束を守って「する」と、
自分に「損」が出るので、
約束を守って「する」ことが出来なくなった。としたら、
それは、約束ではなくて、ただの「するつもり」でしかなかった訳で、
その人の約束はアテにならないということになります。

 

あるいは、
誰かが、誰かに何かを「しない」という約束をしたけど、
場面が意外な方向に展開して、
「してもいい」状態になったので、「した」としたら、
同じように、それは約束ではなくて、ただ「しないつもりだった。」だけで、
その人もアテにならないということになります。

 

こんなことを言う私だって、
自分の都合の良いことは憶えていて、
自分の都合の悪いことは忘れてしまい、
”する”と約束した事を忘れてしまったことも、あっただろうと思います。
都合の悪いことは、本人が憶えていないだけのことかもしれません。
しかし、
約束を憶えていても、
約束を守ると「損」になるから、
何か言い訳をこじつけて約束を破るような、そんなことはしません。
約束を守ることで「損」になったとしても、
それは、約束なのだから、当然、守ります。
その程度の、人間としてのプライドは持っているつもりです。
「損」になるからと、人と交わした約束を破ることは「恥」です。
きっと、みんなそうです。
「損」をしても約束を守った方が、恥知らずにならなくて済むから、約束は守る。
約束を守るという自らのプライドを、「損得」なんかと引き換えたりしない。
社会的信用が普通に有る人なら、必ずそうです。

 

しかし、そんな当たり前のことが通用しない世界があります。

 

食の安全は、最低限の約束です。
使用期限を遵守したり、床に落とした物は元に戻さないとか、
カビが発生した物とか、変色した物は使わないとか、
すべて、食を扱う者にとって、
最低限の約束事です。
しかし、
使用期限を守っていたら廃棄しなければならない物が増えて「損」をするから、
カビが生えたり、変色した物を廃棄していたら「損」をするから、
床に落としたものを廃棄していたら「損」をするから、
全部、製品に混ぜて売ってしまう。
「食べても、死にはしないから。」

 

これに類したようなことを、あの国では私自身も何度も経験しています。
インターネットでは知的財産権を無視した「模倣」が氾濫しているそうです。
北京のSNSではキーパープロショップという名前の偽者が、
非常に高い加盟料で加盟店を募集しています。
あの詐欺にひっかかる人がいるのかどうかは、分かりませんが、
それをやめさせることが出来ず、本当に困っています。

 

あの国では、こんな話をよく聞きました。
・「損」をする者は、バカな頭の悪い奴。
・正義ぶって「損」をするのは、自分の家族に対する裏切り行為。
・「損」をするより、約束を守ることを優先するなんて、バカな者がする事。
・自らのプライドとして約束を守り、損するのは、家族の利益を裏切る卑怯者。

 

この価値観の違い、文化の違いが、
チャイナリスクの本質なのかもしれません。

 

こういう国が、世界をも壊す武力を持ったら、
本当にとんでもないことになるかもしれません。真剣に怖いと思います。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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