谷 好通コラム

2014年04月24日(木曜日)

4.24.現象実現の要素を分解し、仕分け、組み直して実用化する。

一つの直感とひらめいたアイデアがあって、
それを適当に工夫して組み合わせてやってみたら、
今までどうしても出来なかった現象がたまたま実現出来てしまった事があります。
最初これが出来た時は、
この現象を利用しての実用化はそれほど難しいことではなく、
画期的な商品になると期待したのですが、そう簡単には行きませんでした

 

たまたま出来た現象を実用化するには、
その現象を造り上げ方法をそのまま大きくして実用的な形にするためには、
桁外れの大きな装置になってしまい、
結局、実用化は難しい。
一時はそんな結論になっていって、
「そんなことは、誰でも容易に想像できることであって、
それで諦めるなら、その人は、この発明を実用化出来ない人だということ。
出来ない理由を一生懸命並べ立てる人では、実用化は出来ない。」
そう思い、この発明が日の目を見ることは無いかもしれないと思ってきました。
しかし開発チームが実に納得の方法で、実用化へのアプローチをしていたのです。

 

この現象を構成している要素が5つあるとします。
A.B.C.D.Eの5つの要素です。
これを全部実現しようと思ったら、
とんでもない装置になってしまうのですが、
この現象を実現しているのはこの5つの要素すべてではなく、
この中の幾つかの要素で実現できているのではないかという仮説に立ち、
実際に出来ている現象を要素別に分解してみると、
実はA.C.Dの3つの要素の実現だけでこの現象が成立する事が判りました。
B.とE.は、たまたま実験装置が取った方法が故に、
必要な要素の一つに見えただけで、
実はA.C.Dの3つの要素の実現を実用化すれば、
現象そのものの実用化に結びつく。

 

そんな結論から、
今まで不可能と思われていたB.E.の要素の実現の必要性が省かれて、
A.C.Dの要素を別々に実現すれば、
ひょっとすると実用化に成功するかもしれない可能性が見えました。

 

今実現出来ていることを、
それを実現している要素を分解してみて、
一つ一つの要素で観測し、計測して、組み合わせ直してみると、
本当に必要な要素と、不要な要素が見えてきて、
実現不可能と思われた現象の実用化の可能性が出てきたのです。

 

厳密な秘密を守る契約をしているので、
具体的な事を何も言うことが出来ないので、
何言っているのかさっぱり判らないと思います。
大変申し訳ありません。
でも、物事を実現していくためのひとつの手法を学びました。
これが「開発」の基本なセオリーなのかもしれませんが、
私にとってはとても新鮮な手法でした。

 

私は発明をいくつもして、
特許になった発明も6件ありますが、
私の発明は「直感」と「ひらめき」が発想の元です。
しかし、現象の要素を分解して、計測し、仮説を立てて組み立て直していく、
こんな手法が開発の基本であることは理解できますが、
私らはなかなか出来そうにありません。
そういう論理的な組み立てが出来る人を私は尊敬します。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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