谷 好通コラム

2014年04月17日(木曜日)

4.17.内部牽制の仕組みで「罪作り」を防ぐ

「内部牽制」という言葉がありますが、
例えば会社では、
商品を仕入れる人、つまり発注する人と
その仕入れに対するお金を払う人は、
違う人でなければならないということです。

 

両者が同じ一人の人であると、
その人が、出来心で会社に不利益を与えるような不正行為を行っても、
その仕入れから支払いの過程すべてを
その人がやるので誰もその不正を発見できません。
それを会計監査など第三者が、調査する事で不正が発見されることがあります。
これは、よくニュースになっています。

 

でも、あとで発見された時には、被った会社の不利益は戻らないし、
不正を行ったその人は何らかの社会的な罰を受けることで、不幸になります。
このような不幸を生むような仕組みが、
会社の中にあるとしたら、
それはいわゆる「罪つくり」の仕組みであり、
それを放置した会社の責任も、実は重いことになります。

 

これは単純に、
商品を仕入れる人と、お金を払う人を”別”にする事によって、
未然に防ぐことが出来ます。
商品を仕入れる人が不正あるいは間違いをしたら、
それに対する支払いをする人が、
支払い明細に異常を発見して、支払いを止め、
その不正行為あるいは間違いで会社が損害をこうむるのを、
事前に防ぐことが出来ます。
つまり、「罪」が発生しなかったということです。

 

逆に、仕入れに間違いがなくても、
支払いの時点で間違いや不正があったら、
仕入れの人が起こした仕入れ伝票の数字と、支払いの数字が、一致しているか
確認する仕組みが作ってあれば、
支払いの不正、間違いが、度重なる前に発見されるはずです。

 

この場合の仕入れる人とは「購買」であり、
支払う人とは「経理」なのでしょう。

 

これを内部牽制の効いた体制と言い、
健全な会社の仕組みづくりに必ず要求される基本です。

 

会社内部がお互いに牽制され、
間違いや不正が発生することを未然に防ぐ仕組みです。
これを、
お互いを”監視し合う”仕組み、
あるいは性悪説の仕組みとして嫌う人もいますが、
これはお互いが互いを見張り、お互いを監視しあうという以前に、
「罪作り」を防ぐ意味が大きくて、
つまらない不幸を作らない仕組みなのです。

 

仕入れに係わる事で言えば、
新商品の「開発」と、
「購買」に、キッチリ別の役割を持たせることが必要です。
新しい商品を「買う」かどうかの権限を「購買」に持たせ、
その新しい商品をどう評価するかは「開発」が担当するが、
実際に買うかどうかは、営業の評価も必要で、
それを総合して「購買」と、担当掌握している役員が新規発注する仕組みです。
ここを別にする事によって、
新商品を仕入れるのかどうかの判定に、
間違いも不正も入ることがなくなるはずです。

 

内部牽制の仕組みがだんだん理解できたような気がします。
担当と権限を集中させずに、
複数の役割を持った人に、
権限をクロスさせて持たせると、
公平性と正当性が確保され、
自立したけん制が効いて、「罪作り」を防止できると言うことでしょうか。

 

この場合、阿比留副所長が内部牽制をしているということでしょうか。
いいえ、ただのお邪魔虫です。(今年の新年会スナップより)

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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