谷 好通コラム

2013年10月09日(水曜日)

10.9.まず、キーパーLABOのビジネスモデル

キーパーLABOのビジネスモデル
キーパーLABOは、洗車とコーティングの専門店です。
日本でこのビジネスがチェーン店として成り立っているのは、
キーパーLABO以外にはあまり見当たりません。

 

世界においては洗車屋のビジネスは普遍的だが。
世界のどの国にも洗車を商売にしている店舗が必ずあります。
大きな店舗もあれば、街角や、
デパートの地下などで細々と営業している店舗もあります。
なのに、日本ではそのような店舗がほとんど見当たらないのは、
日本独特の事情があります。
日本には明確な低所得の”層”がいないからなのです。

 

高い所得=高コストの日本では、「洗車」ではペイしない。
日本は、総中流社会というのでしょうか。
各国の低所得層から羨ましがられるような所得を、
日本では、特別な能力を持っている訳でもない若者までが得ています。
だから外国では低所得層が支えている「洗車の専門店舗」が日本には存在せず、
日本では代わりに「洗車機」が異常に発達しました。
日本では高い人件費より数百万円もする洗車機のコストの方が安いのです。

 

「洗車だけ」ではゼロに戻す付加価値しかない。
「洗車だけ」では付加価値がそれほど高くはなりません。
洗車は車を汚している泥やホコリがなくなれば良いわけであり、
それ以上はありません。
どんなに汚れていても、ゼロに戻るだけの付加価値にとどまるのです。
付加価値の上限はゼロで決まっており、
高いコストをかけて成り立つビジネスではありません。
だから人件費の高い日本では、
人を使った「洗車だけ」のビジネスは成り立たないのです。

 

しかし日本人は世界一のキレイ好き。質の高いキレイさを喜び、買う。
しかし、もう一つ言えることは、
日本人が世界一キレイ好きであることです。
私も仕事でたくさんの国を訪問しましたが、
街を走っている車のキレイさは、間違いなく世界一です。
世界一のキレイ好きな人たちが喜んでくれるような
例えば、質の高いコーティングで、洗っただけよりずっとキレイに出来たら、
それなりのお値段を払うだけの価値が生まれるはずだということです。

 

高いレベルのキレイさの二乗の法則
アイ・タック技研㈱のホームページにこんな言葉があります。

 

車が「1」のレベルきれいになる。⇒お客様は「1」のレベル喜ぶ。
車が「2」のレベルきれいになる。⇒お客様は「4」のレベル喜ぶ。
車が「4」のレベルきれいになる。⇒お客様は「16」のレベル喜ぶ。

 

店舗のスタッフが高い技術を身に付けて、
高いレベルのキレイさを実現できるケミカルや道具を使い、
世界一のキレイ好きに、高いレベルのキレイさを提供すれば、
キレイさのレベルに対して二乗の付加価値がつくので、
高い人件費を使っても十分に成り立つビジネスが出来上がるはずです。
スタッフが高い技術力で、
高いホスピタリティを身に付け、
高い付加価値のサービスを提供出れば、
スタッフが高い給料を得ても、十分なビジネスが出来るはずです。

 

キレイ好きの日本人ならばそれを受け入れられるはずであるし、
その高い付加価値に対して、高い金額を払えるだけの、高い所得があるのです。

 

日本独特の高いレベルのキレイを、提供するビジネス
低所得層のない日本においては、
世界一キレイ好きな国民性に着眼し、
洗っただけでは実現できない、
あるいは一般の人では実現できない「期待以上の高いレベルのキレイさ」を、
高い人件費のスタッフに、
高い技術を与え、専用に開発されたケミカルと道具を使って、
お客様の望むような形で実現すれば、
日本でも十分にビジネスが成り立つはずです。

 

人件費が高い日本でも、
正しいケミカルと道具+高い技術=高いキレイ品質→高付加価値→高収益
→ビジネス成立

 

このビジネスモデルの中心は「人」です。
高い技術を身に付けて、
その技術を活かした高い質の仕事が出来る「人」をいかに作り出せるか。
そして、高品質を作り続ける動機をその人が持ち続けられるか。
それがこのビジネスの成否を分ける重要な要素です。

 

人に技術を教えて訓練するだけでは、車はキレイになりません。
その人が本当にその車をキレイにしたいと思わないと、
車はキレイにならないのです。
高品質の商品を作り続けることも出来ません。

 

CSの実現が、すなわちESを実現し、高い品質を維持する源となる。
スタッフがキチンと道具とケミカルを使い、技術を発揮して、
キレイにする意志を持って作業すれば、
お客様の期待を越える高いレベルのキレイさを実現出来ます。
すると、お客様は大変喜んでくれます。
自分が想像していた以上、期待以上の品質のキレイさが愛車に実現されると、
お客様は大変喜んでくれます。CSが実現されたわけです。

 

そして「すごくキレイになった。うれしいね。ありがとう。」と、
お礼を言ってくれたり、誉めてくれたりします。
お礼を言われたり、誉められたりすると、スタッフはすごく嬉しくなります。
人の役に立って喜ばれることは何よりも仕事の遣り甲斐です。
遣り甲斐をもって仕事が出来ることは、すなわち従業員満足、ESの実現です。

 

CSとESが作り出すプラスの循環
遣り甲斐を持ってやる仕事はプライドを持てます。
自分の仕事でお客様に喜んでもらいたい、プライドを持てる品質を維持したい。
正しい道具とケミカルを活かす高い技術に加えて、
高い品質のキレイという商品をキチンと作りたい動機がそこに出来上がり、
顧客満足→お褒め・感謝→従業員満足→高品質を作る意志→高品質→顧客満足
プラスの循環が生まれます。

 

それに加えて、
顧客満足→高単価・高販売→高収→高待遇→従業員満足→
もう一つのプラスの循環が生まれます。
キーパーLABOのモデルが、
このプラスの循環をどこまで実現できているか、
今後このビジネスがどこまで成長するかで評価されるべきですが、
少なくとも、この店舗での仕事が暑さ寒さもある現場での仕事であり、
肉体的に楽チンな仕事でもありませんが、
離職率が非常に低く、高い定着率が実現していることを見ると
あるレベルでキチンとCSとESが両立しているビジネスモデルでしょう。

 

LABOのスタッフに「この仕事の何が楽しい?」と聞くと、
「作業が終わってキレイになったお車を、お客様がご覧になった時、
すごく嬉しそうな表情になって喜ばれます。それが一番嬉しいし楽しいです。」
みんな真顔でそう言います。

 

正しいケミカルと高い技術が、高い品質の基です。
高い品質が顧客満足を作り、
顧客満足が、顧客の喜びを生み、従業員満足に直結します。
顧客満足が、高収益を実現し、好待遇を生んで従業員満足を作り出すはずです

 

この構造がキーパーLABOのビジネスモデルと言えます。

 

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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