谷 好通コラム

2013年06月23日(日曜日)

6.23.民間会社では考えられない「使うことが目的の予算」

 

また予算がらみの話ですが、
私達のアイ・タック技研㈱は6月が決算月なので、
今、来季に向かっての予算作りの最終の詰め段階だからなのかもしれません。

 

予算は、稼ぐ一面、つまり収入の部と、
使う一面、つまり支出の部から出来ています。
民間の会社が作る予算では、
主に収入の部の予算が、営業成績の目標のようになっていて、
単に「予算必達っ!」と言えば、
ほとんどの場合、売上げ目標を達成しようという意味です。
まず稼ぐことです。

 

それに対して支出の部の予算とは、
経費節減目標のようになっていて。
出来るだけ使わないようにして、
予算を下回っても褒められることの方が多いくらいです。

 

ところがこれが国家とか、県・市などになると、
形はどうであれ、収入は国民からの税金しかないので、
収入に目標という意味での予算は立たてることはできず、
受身的に「予測」するだけです。

 

一方、使うのは自由です。
赤字財政なんて当たり前で、どうせ人の金ですからバンバン使います。
とは、ちょっと言いすぎですが、
よく使われる言葉「予算を取ってきた」とは、
自分達が使える金の割り当てを、
自分達の地域、あるいは業界、あるいは領分に取ってきたことを指します。
この場合の予算は、
ある一定の人の「権益」を生んだり、
地元への人気取りのためとか、見栄とか、
その予算によって行われる事業そのものに目的がある訳ではない場合があり、
予算を取ること事体に目的があって、
たとえば、何らかの大きな建物を建てる場合、
その建物の建築工事を地元に持ってきて、
地元の建築業界に工事代金というお金を落とすことが目的であって、
その建物を”使用し、利用するための目的”は、
もともと、大した意味を持っていない場合が多いものです。
ほとんど使われていず、役にも立っていない公共の建物は、
日本国中にいやというほどあります。
その建物は、税金を使ってその建物を建てた時点で、
その建物が持っている最も大きな目的は、終わっているのです。

 

お金を”使うことが目的”の予算であり建物とは、
もちろん、民間の会社では絶対に存在し得ない予算であり建物です。

 

会社の予算組みを真剣に考えてやっていると、
公共で「お金を”使うことが目的”の予算」がまかり通っていることに、
おぞましい化け物の国が自分の隣にあるような錯覚に陥ります。
まったくうらやましいとは思いません。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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