谷 好通コラム

2019年12月04日(水曜日)

12.04.偉くなると何故我が身の事と考えられなくなるのか

役職が上がると、自分が担当するのがいくつもの組織になったりする。
その組織とは小さければ店舗であり、部署であったりするが、
担当単位は、それがいくつかある地域であったりする。
すると不思議なことが起きることに気が付いた。
自分が担当するその組織の事を、
わが身の事と考えず、
まるで自分が評論家のように、
その自分の担当する組織を他人事のように評価して、
自分の感想を述べることが、自分の仕事のように思う人がいる。

 

役職が上がり、偉くなって、
複数の組織をまたがって担当するようになると、
その複数の組織の上空に存在する雲の上から下界を眺めているかのように、
まるで他人事のように、
その組織のどこに問題があって、
それが、どんな問題なのか、評価して、
それがだんだん治って来ることを期待したり、楽しみにしていると言う。
その組織の事とは、まさに自分の事なのに、
問題があったとしたら自分がそれを治さなくてはならないのに、
自分はそれを指摘したり、たしなめたりして、
その組織の者が直し修正する事を自分は期待したり楽しみにしていると言う。
他人事のように。
それが偉くなった自分の仕事のように錯覚している者がいる。

 

そんな人の話を聞いていると、
最初はそれが不思議ではないように思えるのだが、
ふと途中で、こちらが「あれっ?」と気が付き、
それはあなた自身の事であり、あなた自身の問題であることを指摘すると、
その人は「えっ?」と、不思議な顔をする。
多分、その人は、指摘されても、
その人が評論しているのは、まさに自分自身の事であることに気が付かない。
どこで、そんなすれ違いが起こるのであろうか。

 

その人は、ちゃんと面接にも通っているし、
お客様の喜びを自らの喜びと感じることが出来るから、
KeePerの仕事が出来てきたし、
その仕事ぶりと成果が評価されて上の役職を得てきたのだから、
重要な要素である「共感性」を間違いなく備えているはずなのに、
自分自身の担当する組織の問題を、
我が身の事ではなく他人事のように評価評論できるのだろうか。

 

上の役職に上るということが、
その人の共感性を鈍らせてしまうほど麻薬的な働きを持っているのか。
或は上に役職に就くと言うことが
間違って、支配的な価値観を作り出してしまうのか。

 

ここをどう克服するのかが、
今後のこの組織を健全に拡大できるかどうかの境目かもしれない。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは、
そんな勘違いをたしなめている意味なのではないだろうか。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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