谷 好通コラム

2012年12月21日(金曜日)

12.21.お札を印刷しまくるのは、やはり禁じ手なのでしょう

岡山から熊本への新幹線に乗っている。
熊本へは「さくら」で直行できるが、
岡山からだと博多まで「のぞみ」に乗って、
博多から「さくら」に乗り換えたほうが速そうだ。

 

私は、日本の財政状態から考えれば
今の日本は、整備新幹線はこれ以上造るべきではないと思っているが、
出来れば出来たで、やはり便利になったと感じる。
乗り心地もいい。
今後、たぶん、九州はもっと色々な所に行けることになるだろう。
楽しみだ、

 

 

しかし、
今回の衆院選で自民党が大勝し、安倍新政権ができて
超金融緩和政策を進めるらしいが、
いよいよ恐い時代になって行きそうな気がする。
どこかの時点で国債の暴落が起きて、
貸出金利が昔のように5%~7%/年レベルに戻ったら、
(現実にこういう金利がインフレ時代には普通であった)
有利子負債の大きな企業はたちまち経営破たんを起こしてしまうのは必至だ。

 

寝る前に読む軽い本に書いてあっただけの
私の薄っぺらな知識でしかないが、
貨幣は発生した付加価値と同価で存在し流通するからこそ貨幣であって、
貨幣を乱造すれば、
お金の価値が下がって、相対的に物の値段が上がるだけで、
本当の意味での経済の成長、みんなが豊かになる成長とは無縁のことと思える。

 

とにかく札びらを印刷しまくって造った見かけだけの成長は、
日本の国債暴落をチャンスとしてぼろ儲けを狙う世界中のファンドの
格好の餌食となる怖れがある。
国債が暴落すれば、金利が上がる。
これは説明するまでもない事実で、
経済の成長に伴うインフレによる金利の上昇とはまったく性格の違うものだ。

 

高度成長時代の高金利時代は、
実質的な経済成長を伴った環境の中には存在し得たが、
貨幣価値が下げることによって作られた見かけだけのインフレで、
国債が暴落したがためだけで発生した高金利状態は、
救いようのない恐慌を発生する可能性が高い。

 

そんな例は世界中の発展途上国にいっぱいある。

 

あるいは、
国家財政の悪化で経済がどん底状態にあるギリシャに対して、
お金を貸している立場のドイツなどEU有力国は、
ギリシャに厳しい緊縮財政を求めた。
日本の場合、
日本の国家にお金を貸しているのは外国ではないので、
日本は大丈夫なのだとよく言われるが、
日本の国家にお金を貸しているのは、
国民一人一人のお金を預かっている銀行とか郵貯や、保険会社なので、
そこにお金を預けている人が間接的に貸していることになる。
早い話が、
国家が持つ膨大な借金の貸し手は、
実は国民一人一人なのだ。
だから、ドイツがギリシャに強く緊縮財政を要求したように、
それが正しいと思うのならば、
日本国民は日本の国家政府に緊縮財政を求めるべきなのではないだろうか。

 

少なくとも、貨幣を大増刷して、人為的に見掛けのインフレを作り出すのは、
取り返しのつかない失敗の恐れがあるように思える。

 

国際的な商品相場の乱高下を
自らの相場利益のために平気で演出するハイエナファンドたちが、
新政権の政策をよだれを垂らして聴いているような気がしてならない。

 

ならばどうすればいいのか、その答えは私には分からない。
どうすれば分からないのに、批判的なことを言うのは良くないことだ。
それでも、貨幣の大増刷が非常に危ないことと思えて仕方がないので、
ならばどうすればいいのかも分からないくせに、あえて書いたのは、
それほど強い不安感を持ったからです。

 

私の会社も銀行からの借金があります。
銀行の貸出金利が5%以上になったら、困らないわけではありません。
かなり前から日本経済の最大のリスクは国債の暴落と考え、
金利の急上昇が、決して非現実的とは思ってこなかった。
だから、今お借りしている会社の借入金は、
多少金利が割高でも、ほぼすべて固定金利でお借りしています
今の日本財政の収支状況は、
国際的に見てやはり異常であり、
何かが、いつか起こることはあり得ることと考え、
固定金利にこだわってきたわけです。
ひょっとして最悪のシナリオで、
明日から、
かつてのように、金利が7%台にまでなったとしても、
この先、少なくとも三年以上は現状の金利を維持できる体制にはあります。

 

あくまでも寝る前に読む本に書いてあったことから得た
私個人の薄っぺらな見識ですが。
お札を印刷しまくるのは、簡単だが、あくまでも禁じ手のように思えます。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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