谷 好通コラム

2012年10月07日(日曜日)

10.7.ほどほどにやるのがアマチュア、限界までやるのがプロ

 

スポーツのトレーニングとは、
いつもの練習から、
その人の能力の限界点ぎりぎりまで自分を追い込まないと、
技術も、身体能力も、そこそこのレベルで止まってしまい、
全日本級とか、オリンピック級、プロのアスリートには成れないという。
一流のアスリートは、
いつも自分を限界まで追い込む練習をしていて、
限界点ぎりぎりの練習を繰り返すことで、
自分の限界点を徐々に上げていくらしい。

 

マラソン選手の高地練習などがその典型で、
普段の環境より酸素が薄い高地の厳しい環境の中で走り込み、
そうすると自分を限界点に早く追い込みやすいので、
わざわざ高地で訓練するという。

 

自分を限界までは追い込まず、
ほどほどの所で止めいしまうトレーニングでは、
その人の限界点は、いつまでもそのレベルにしかない。
たとえば、
今の限界点が10のレベルの能力を持った人が、
いくら7とか8,9のレベルで練習をしても、
その人の能力はいつまで経っても、決して10を越すことはない。

 

10の能力を持っている人ならば、
いつもの練習の段階でも、
必ず10のレベルまで能力を出しきる練習をすれば、
徐々にそこが限界ではなくなってきて、
その人に11や12のレベルの能力が着いてきたら、
すぐさま11,12の能力を出し切る練習にレベルアップさせる。
その繰り返しで、どこまでも能力を上げていくと、
もし、その人に才能さえあればだが、
20とか50とか飛躍的な能力を身に付けて
全日本クラス、オリンピック級、あるいはプロのアスリートになれる。

 

プロとは、いつも自分の限界点でトレーニングを続けられる人のことだ。

 

しかしトレーニングの目的が、
健康のためであったり、楽しみであれば、
もちろん、トレーニングで自分の限界点まで頑張る必要はまったくない。
それは遊びであり、趣味である。
プロのアスリートのトレーニングとは、
同じようなことをやっていても、まったく別の種類の行為といえる。

 

 

仕事においても同じようなことが言えるのではないだろうか。
どんな場面でも、目いっぱい自分の能力を発揮しきる人は、
毎日の仕事が、自分の限界点まで出し切るトレーニングにもなっていて、
めきめき能力を上げていくが、
そこそこに仕事をやらされている人は、ただ単に仕事をこなしただけで、
自分の能力を上げるトレーニングにはなっていないため、
いつまで経っても同じようなことをやっている。
そうしている内に、会社と仕事の内容が高いレベルに変化していくので、
相対的に能力の低い時代遅れに成り下がってしまう。
こういうのを仕事のアマチュアとでもいうことか。
その内に、日頃から限界点まで仕事を自ら目いっぱいして、
自らの力量と能力をメキメキつけた者に、仕事の面でも
実績の面でも、その結果として職責の面でも追い越されても、
なぜ追い越されたのか気がつかない。

 

仕事のプロは、
スポーツの世界のプロが、
いつも自分の限界点でトレーニングを続けられる人のことであるように、
どんな場面においても、自分の限界点で仕事が出来る人のことなのだろう。
自分の限界点とは、ただ頑張るだけでなく、
(その場頑張るだけなら誰でも出来る)
自分ができることを、計画的に、自分の範囲いっぱいに気遣いを働かせ、
仕事の相手に精一杯のものを与えられること。しかも自省を伴いながら。

 

 

雲仙で行われる身内の結婚式で、長崎空港へ向かう飛行機の中で。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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