谷 好通コラム

2012年04月02日(月曜日)

ミスをミスとして認めた所から成長する

昨日、岡山でのSUPER GT初戦のリタイアは痛恨の一言に尽きた。
しかし、今日の朝、リタイアの原因を作った国本選手が「自分のミスで・・・」と、
かわいそうになるくらい落ち込んでいたと、チーム代表から聞いて、
少しだけほっとした。

 

レースドライバーとは、
自意識が高くて、自分こそが最速であり、
最高の才能を持っている者と信じなくては勤まらない職業のようで、
トップになったドライバー以外は、
すべてのドライバー(何十人いたとしても)が、
「車の条件が悪かった。」「タイヤの選択を間違えた。」
「レースの運営が悪い。」「・・に妨害された。」と、
最速の自分が負けたのは、自分以外のところに原因がある。と、
本気で思い込んでいる節がある。
そう思い込まなければ、
自分の人生の最も重要な時期をレースに捧げている意味を見失ってしまうのだろう。

 

だから、たとえ自分が一方的にぶつけたとしても
「ぶつけられた」というのが常であり、
せっかく与えられた学習の機会を失ってしまうことが多い。

 

しかし、今回のレースで致命的なミスを犯した国本選手は、
「自分のミスで・・・」と落ち込み、存分に学習をしているらしい。

 

それなら、少なくとも、
今後のレースで同じミスを犯すことはないだろう。
自分の過ちを、過ちと自覚できない人は、その過ちを学習とする事が出来ない。
自己の正当化と、自己防衛に
自らの姿勢が偏ったときに、その人の進化と成長は止まる。

 

それは、すべての人に言えることで、
せっかく才能を持っているのに、
ミスをミスと言えない自己防衛本能が強くて、
進化、成長が、早い時期に、低いレベルで止まってしまう者があまりにも多い。

 

しかし国本選手は、才能はもとより、十分に学習する素養もあるようだ。
ならば、次回の富士スピードウェー戦からは、期待できる。

 

 

 

※衝突後、左後軸が曲がり、左前タイヤがパンクしてスロー走行する#35

 

photo by masafumi nakamura

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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