谷 好通コラム

2011年07月27日(水曜日)

2834.私は自分が少し恥ずかしくなった

今朝、名古屋から東京に新幹線で向かったのは午前8時33分。
東京駅に到着は午前10時10分の予定だった。
午前11時から両国での用件であったので、時間的には余裕たっぷりだ。

 

ところが、新幹線は掛川駅で止まってしまったのだ。
「掛川と島田の間で激しい雨が降っており、上下線とも運転を見合わせております。」
と社内放送が言っている。
約30分停止した後、列車は動き出したが、
「これが中国高速鉄道だったら雨ぐらいでは止めないだろうね。日本で良かった。」
と本気で思い、同行の鈴置君と話した。

 

 

結果的には目的地の両国にほぼ時間通りに到着して、
仕事には何の支障も出なかったが、
あらかじめ事情を先方には電話で話してあったので、
ヒヤヒヤものではなかった。
日本では「安全は何者にも優先する。」は当然のようだが、
国によっては安全より優先するものがあるようで、日本はありがたい国だと思った。

 

午後1時に、私達の東京本部に寄って、
買ってきておいてもらったオリジンの「のり弁」を食べながら、
Webサイトでのスタッフ募集のコンテンツ作りの話をする。
新しい東京本部と新トレセンが出来て、
みんなが明るくなり、活気も出て、新トレセンは連日満員の大盛況。
歯車がものすごくうまくかみ合ってきているようだ。
新東京本部設置とほぼ同時に入社の、紅一点小川さんの明るさの存在が大きい。
楽しく打ち合わせをして、
おいしく「のり弁」を食べた。
オリジンは色々食べたが、私はやっぱり「のり弁」が一番おいしい。
日本は平和で本当にいいなと思った。

 

午後2時に新東京本部を出発し、栃木県の小山に向かう。
小山ではすごくいいものを見た。

 

原発の福島県、大津波の宮城県、岩手県、
液状化現象の茨城県に隠れて
栃木県も今回の大震災の被災地の一つである事をつい忘れがちだが、
小山の方に聞くと「震度6弱が30分近くも揺れ続けた。」と、
恐ろしい経験をされたそうだ。
やはり被害も出ていて、伺った先の建物もちょうど修理の工事が入っていた。

 

震災後、ご商売もいくばくかは停滞し大変ご苦労なさったようだ。
それでも「がんばって、早く普通に戻って、利益を出して、税金を納めなきゃ。」と、
深い言葉をおっしゃっていた。

 

こり店舗にあったのが「露天の屋台」
夜店というか、
セルロイドのお面、(今はたぶんPETで出来ているはずだ)
マジックボール、駄菓子がいっぱい、
一つ一つに10(円)とか、20(円)の値札が付いていて、
お客様に送った縁日ご招待のDMについている100(円)券でそれを子供が買う(もらう)。
なんとも、楽しくて、
ウキウキするような企画ではないか。
宮城の駄菓子屋さんがセットで販売しているそうなのだ。

 

私たちはお客様へのDMで、「そろそろ再施工の時期が来ました」とか、
そんな類のDMしか送ってこなかったが、
こんな楽しいDMが自分の家に来たら、
子供がいなくても私は駄菓子やお面を買いに(もらいに)行っただろう。
お客様に楽しさを送るなんて発想は、私には無かった。
お客様のためになんて言いながら、
どこかで販売することばかり考えていたのではないだろうか。
被災地で、楽しさを演出していた素晴らしい企画。
屋台にある品物はセットで販売しているが、
屋台はホームセンターで買ってきた角材などを使い、皆さんが手作りで造ったそうだ。

 

 

この楽しい小さな手作りの屋台を見て、
私は少し自分が恥ずかしくなった。
私はいつのまにか思いやりの気持ちを忘れていたような気がした。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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