谷 好通コラム

2011年04月26日(火曜日)

2772.世界一金持ちの男が言った言葉

昨日の夜見たテレビで面白いことを言っていた。
13年間連続で資産世界一の男、マイクロソフトのビルゲイツの言葉だ。
「成功とは最低の教師。」

 

成功とは最低の教師。あるいは最悪の教師。

 

人はどんな程度であれ成功をすると、
その成功を「正しい」と思い、
その成功を作り出した自らの行動や言葉が正しいと思う。
正しいと思って、それを基準にして物事を考え判断するようになる。
自分が体験した成功を、絶対視するようになる。
そして、その成功を成しえた自分を正しいと思い、
すべてを解ったような気になってしまう。
あるいは何でも出来るような気になってしまう。

 

成功とは、誰かに感謝されたり、誰かが賛同してくれたりすること。
結果として事業が成功したり、実績が上がったりする。
すると、自分のすべてが正しいと思ってしまうのだ。
自分は何でも出来るように気持ちになってしまうのだ。

 

何故、成功したのか。
どの行動が、どう成功に結びついたのか。
はたまたそれが本当に成功だったのか。
考えるべきことは多いのだが、
その本人にとっては、
成功したという事実が絶対であって、
成功をした自分すら絶対になってしまうのだ。

 

ちょっとした成功を体験すると、
全部が解ってしまったような気持ちになって、
やった事もないような事まで出来るような気持ちになる。
だから、誰かに相談することもなくなってしまい、
報告すらしないことも多い。

 

何かしらの成功で、
自分はもう解ってしまった。
出来るようになってしまった。
すると、もう学ぶべきこともなく、
「自らの否定」から始まる「進化」も出来なくなってしまう。

 

その人はその後、そのままであり、
時代が変わろうと、その人に与えられたフェーズが高くなっていっても、
その人の力量や見方は、過去の成功で作られた次元のままなので、
多くの場合、失敗する。
しかし悪いことに、
その人は何かしらの過去の成功で、
自分は解ってしまっており、知ってしまっているので、
何故失敗したのかが解らない。

 

自分は過去に「成功」しており、
間違っているはずがないので、
その失敗を外的要因に押し付ける傾向がある。

 

失敗とは、学習できる貴重なチャンスなのだが、
「・・・・が悪い」で済ませてしまうので、
その人はもう学習することが無くなってしまい、
時代や情勢が変わっても、自分を変えることが出来ない。

 

学習と進化は、
今の自分がまだまだであることを知っている必要であり、
多くの場合失敗することによって多くを学ぶことが出来る。
それに比べて、成功することによって学ぶべき点は少ない。
うっかり成功すると「過信」の迷路にはまり込んで、
その人の成長と進化はぴたっと止まる危険性がある。

 

失敗は学習によって成功の元になるが、
それなりの成功とは、
学ぶ姿勢を喪失したり、
成長をそこで止めてしまう危険を伴った最低、最悪の教師になり得る。

 

なるほどなぁと思った。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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