谷 好通コラム

2011年03月31日(木曜日)

2753.念には念を重ねる意味で純水生成機

福島県川俣町は今問題の原発から50kmくらい離れているのでしょうか。
はっきりとは知りませんが、いずれにして、
山道を通って福島第一原発まで1時間はかからない所にあります。

 

先日まで大熊町の避難民を6,000人受け入れていたそうです。
避難してくる場所なのだから、そこが安全な場所であることには違いありません。
私達がこの町に来たのには訳があります。

 

話の発端は数日前のことにさかのぼります。
まず一つ目、私が書いたブログに福島県大熊町の
渡辺石油Q-pit大熊SS鈴木所長からコメントが入りました。
Q-pit大熊SSは事故を起こしている福島第一原発からわずか2kmの場所にあり、
大地震後、津波と原発事故を避けて千葉の親戚に避難をしているとありました。
Q-pit大熊SSは昨年8月のキーパー選手権で全国第三位に輝いた優秀なSSさんです。

 

二つ目に、アイ・タック技研が発売している「快洗ROⅡ」には、
「REVERS OSMOSIS・逆浸透」という技術が使われていて、
通常の水道水の中に溶け込んでいる炭酸カルシュウム、珪酸塩等
あらゆるミネラルを分子レベルで濾過する機能があります。
世界的には「海水」に溶け込んでいる塩分NaClを
分子レベルで濾過し「真水」して砂漠を緑化する目的で使われている機能です。
日本では大きな病院に設置されて、水道水をRO装置に通して無菌水を作っています。
私たちはこれを、水道水で洗車した後に水シミ(輪ジミ)が固着することを
防止するために快洗ROとして開発したものです。
このROの装置の特長として、
水の分子以上の大きさを持つ分子を濾過してしまう能力があるため、
放射性の物質であるヨウ素131を95.5%、セシウム134を98.8%も、
濾過すると言う報告が、
快洗ROⅡを製造してもらっている機械メーカーからありました。

 

私の手元に来たその報告を見て、
先のQ-pit大熊SSの鈴木所長のことを思い出しました。

 

福島では地震と津波の被害で苦しんでいる上に、
今度は、福島第一原発の事故で放射性物質の心配が持っている現状の中で、
山間部の人も特に水に困るようになるのではないだろうか。
ならば、放射物質を95%以上濾過できる「RO装置」を持ったこの機械が
役に立てるはずだと思ったのです。

 

そこで、さっそく鈴木所長にメールを出しました。
・快洗ROⅡが水道水から放射性物質を95%以上除去できること。
・水道水をROでろかした水は飲料として全く問題がないこと。
・福島の困っている人達にこのROを無償で提供するので使ってもらいたいこと。
・いつまで使ってもらってもいいこと。
・60リットル/毎時/1台の精製能力があるので、
30台を1日24時間動かせば、500mlペットボトルに換算すると
120本×24時間×30台=86,400本分
これを30日間動せば ペットボトル86,400本分×30日=2,592,000本分になること。
そして、
・どこにどうやれば使えるのか、災害に関わっている人がいたら知らせて欲しいこと。

 

こんなことをメールにして送ったら、
鈴木所長が、避難先から
福島の大手石油販売会社㈱倉島商店さんに連絡を取ってくれました。
そして㈱倉島商店さんの澤田さんが、
福島県の災害対策本部に掛け合ってくれたのですが、
混乱しているので各町村の窓口に相談して欲しいと言われたそうです。

 

そこで今度は、㈱倉島商店さんの澤田さんが、
大熊町から多くの避難民を受け入れている「川俣町」ある
「㈱誉田」さんに連絡を入れてくれました。
「㈱誉田」の川俣町SSは、キーパー選手権の全国第4位に輝き、
Q-pit大熊SSと一緒にDVDに出ていたあの会社です。
まさにキーパー選手権全国入賞コンビです!
そして今度は誉田さんが、川俣町役場に掛け合って下さり、
やがて川俣町の水道局の方から電話があって、
「快洗ROⅡ」を使わせてもらいたい。との連絡がありました。

 

川俣町水道局の須賀さんとの電話とのやり取りで、
とりあえず7台の快洗ROⅡを川俣町の災害本部に送り、
到着したら、私どもの仙台営業所の澤田君と大和君が
川俣町に出向いて設置してくれることになりました。
二人とも仙台に住んでいて、少なからず被災しているのですが、
気持ちよく引き受けてくれたことに感謝しました。
7台は川俣町の公民館や、小学校、中学校など7箇所に設置されます。

 

と同時に、安全であることは分かりきっていたとしても、
一応、川俣町は事故原発の近くではあります。
設置に入ってくれる二人に、「じゃ、たのむね。」ではいけないと思って、
まず、私も一緒に川俣町に行くことにしたのです。
それで昨日、たった一日ですが、川俣町に行って来たという訳です。

 

川俣町の水道局から電話があったあと、
「飯舘村(いいたてむら)」の村長さんから、直接私の携帯に電話が入って、
「放射能を取る機械のことで・・・・」となって、
結局、
飯舘村にも5台の快洗ROⅡが送られ、
公民館とか特別養護老人ホームなどに設置されます。

 

川俣町では、すでに昨日の内に三台の快洗ROが、
仙台の二人の手で設置されました。
名古屋から同行した菅野課長は、
今後愛知から発送される快洗ROに何を付属させるべきかを調べました。

 

写真は「山木屋公民館」の厨房に快洗ROを設置中の澤田君と大和君。

 

 

このようなことが、
お役に立てるのかどうか分かりませんが、
川俣町から「もう一台」と追加が入りましたので、
少しはお役に立てられるようです。良かったです。

 

川俣町では、
すでに放射性物質の数値は安全基準をはるかに下回っているのですが、
万が一のために、念には念を重ねての
純水機の設置でした。

 

かなり話が長くなったので、川俣町に行って見たその様子や、
感じたこと、考えたことを次の話で書かせてもらいます。

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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