谷 好通コラム

2011年03月18日(金曜日)

2743.海外から見た不思議

インターネット上に「日本国民の冷静さに海外から賞賛の声」
たしかこんな意味の記事があった。

 

東日本大震災で、万人単位の死者と行方不明者が出ている悲惨な事態の中、
多くの人が助け合い、じっと耐えている様子は、
どこかの国だったらとっくに暴動やパニックが起きていても不思議はないのに、
日本ではまったくその様子が無く、
怒声の一つも聞こえて来ない。
そんな映像を見た外国人が、日本人の冷静さを賞賛しているというのだ。

 

外国、特に中国などに行くと、
日常の生活の中、街なかで怒鳴っている人を見ることはあるし、
普段の会話でも感情をあらわにして怒ったように話をする場面はしばしばだ。

 

そういえば、
東北の酷寒の避難所で息を引き取る高齢者が出ているような状況でも、
何とかしろっ、と怒鳴っているような人はいない。少なくとも映像の中にはいない。

 

じっと耐えているのか。
役場に押しかける人もいなければ、
警察官とか消防の人に詰め寄るような人もいない。
少なくとも映像では見ない。

 

自分に降りかかった困難をわめき散らしたり、
誰かに鬱憤を晴らそうともせず、
同じように困難の中にあるみんなと一緒に、
じっと耐え、力を合わせている姿は、
この人たちにとっては当然のことであっても、
海外の人の目には、賞賛すべき姿と映るのであろう。

 

仙台の大会社が経営するあるガソリンスタンドの所長は、
そのSSが「災害対応型給油所」であり、
自家発電を備えていて停電中も給油が出来るので、
あの災害の直後からSSを開けて、
被災のその日から一日も休まず働き続けていると言っていたそうだ。
そしてサブの方は、あの日、不幸にも津波にあって、
丸一日間、屋根の上に避難をしていたが、
次の日からずっとSSで働き、1km以上も行列を作って給油を待つ人に
懸命になって給油の仕事をしているそうだ。

 

みんなが困難な時、自分も困難であっても、
みんなのために働ける人たちを心の底から尊敬する。

 

誰かのブログの中にこんな話があった。
福島第一原発の現場に「放水」に向かう自衛官の奥さんが、
「気をつけてね、無理しないで・・」とメールを送ったら、
「自衛官をなめるんじゃねぇ、今、無理しないで、いつ無理するんだ。」と
返信が戻ってきたと書いてあった。
メールの言葉は悪いが、そこは夫婦の阿吽の呼吸。 志の高い人だ。

 

人間は信じられると思う。
日本人でよかったと思う。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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