谷 好通コラム

2010年11月14日(日曜日)

2656.死ぬ気でがんばるはずが、なんとも平和に

ゴルフⅤクラス4台中、予選3位、決勝3位。
死ぬ気でがんばると宣言した今回のレースであったが、
残念ながら、タイム的にも、順位的にも、ドラマもなく平凡に終わったレースであった。
しかし、もちろん、私にとってレースはいつものように最高に面白かった。

 

仙台から帰りの飛行機の中、
強烈な眠気と戦いながらこれを書いている。

 

 

 

朝10時過ぎからの予選は当然、
ニュータイヤを四本履いて最高にグリップする状態で走った。
しかしタイムはまったく上がらず、
むしろ昨日の予選の一本目の方が速かったぐらいだ。
私は相変わらず決勝タイムより予選タイムが遅いという悪癖を引きずっている。

 

新しいタイヤを履いて最初の2周目、3周目ぐらいが最もタイムが出るので、
ここでいつものペースのスピード感から、
一段上がったスピード感のハイペースに頭のチャンネルを変えなければならないのだが、
それが私の場合は、まったく変えられないのだ。
安全を確保したがる自分の中の既成の概念の中からどうしても抜けられないのか。
そこを突破するためには、
体が勝手に危険を避けたがるのを、死ぬ気になって・・・と頭では思うが、
体がいつもの反応をけなげにも繰り返す。

 

どうにも、人間は平和と安全を求める動物なのか、
はたまた私がそうなってしまっているのか、
死んでもいいという心境に、本当にはなれないものなのか、
いつものように、危険を体中がピクピクと察知しながらそれを避けようとする。
実にまどろっこしい。

 

予選はまたいつものごとくだ。

 

でも決勝になったら、
また前の車がいるので、死ぬ気にならなくても、
いつものように野獣のようになればいい。
前の車に襲い掛かっていけばいいのだ。

 

なんてことを思っていても、予選後の自分は何か平和な気分になっている。

 

決勝が始まった。
前の車は予選を珍しく失敗した勅使河原選手。
いつものポールポジションではなく二位に着けている。
トップは私のライバルである倉本選手。

 

しかし勅使河原選手も黙って二位に甘んじる選手ではない。
当然スタートからポールの倉本選手に襲い掛かっていくに違いない。
私はその後ろで、二人の序盤の争いに巻き込まれないように注意して、
二人のつばぜり合いに乗じて、あわよくばトップにするりと出られればラッキーである。

 

なんて思いながらのローリングスタートを、
私は完全に失敗してしまった。

 

先頭の車がスタートダッシュをかけた時に、
私はなんとシフトのポジションチェックをしていて、
なんと4速にポジョンを入れたとたんにダッシュされて、
あっという間に10mほど離れてしまったのだ。
(バカである)

 

あたふたとしている間に、
スタート直後の1コーナーで、勅使河原選手は倉本選手をあっけなく抜いてトップに。
あわよくばなんて思っていた両選手のつばぜり合いは、
一瞬で終わってしまったのだ。
それでも、私は後半に強いという自信があって、あまり焦らなかった。

 

二位に下がった倉本選手にも、私は一時30mくらいまで離されてしまったが、
いつものように私は周回を重ねるごとにペースを上げ、
倉本洗車にじりじりと迫り、8周目では10mくらいにまで間を詰めた。
タイムはもちろん予選より速いペースだ。

 

12周のレースであと4周は、十分に逆転のチャンスもあり、
と思ったところで、
・・・・
1コーナーでつまらない、本当につまらないミスをやって、
あっという間にまた20mくらい離され、
そこで、このレースは終わった。

 

倉本選手が2位で終わって、私がこのまま三位に入れば、
シーズンランキングは同ポイントになり、二位に入った回数で私が上回り、
私が二位になる。
そんなことが私の頭に浮かんだところで、このレースは終わった。
あとは淡々とコースを回り、三位でチェッカー。

 

なんのことはない。
死ぬ気でがんばる。
最後のレースになるかもしれないこのレースでは絶対優勝したい。
なんて言い続けたのに、
私はなんとも平和にレースをしてしまった。

 

私はいつから、勝つことより、
平和を選ぶような人間になってしまっていたのだろうか。

 

このまま済ますわけには行かない。
体は、今までになく悲鳴を上げているが、このまま済ます訳には行かない。

 

レースは平凡であり、
私は情けなくも平和に走ってしまって、
フラストレーションたっぷりのレースになってしまったが、
もちろん、
私自身はメチャクチャ楽しかったし、
レースは私の元気の素であることに変わりはない。

 

 

しかし、レースが終わった直後、すぐに立てない自分は間違いなく年をとってきている。

 

 

私はまだ黄昏たくないのだ。

 

 

一緒に走った畠中君は、、
自分のことは自分で書きたいだろうと思うので、
私は、ここでは触れないでおく。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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