仙台へ飛ぶ。
朝8:30中部空港発の飛行機。
JEX(JALエキスプレス)は、
昔、沖縄を中心に飛んでいた南西航空が前身でボーイング737-200を使っていたが、
今は、高バイパス比のターボファンジェットエンジンを載せた第二世代の
ボーイング737-400に変わっている。

 

写真の手前から三機目が私の乗る飛行機。
手前のボーイング747-400、ジャンボは沖縄行きだ。
修学旅行の高校生がいっぱいいたが、
ジャンボを引っ張り出すほどの人数ではない。
大型機指向が強かったJALは乗客が減った今、
大量の燃料を食うジャンボを持て余しているようだ。

 

 

ともあれ、今日の仙台行きは、
いつもと全く違う航路を飛んでいるのだ。
JEXだからではない。
航空会社が違っても違う航路を使うことはない。みんな同じ航路を飛ぶ。
変だ。何でこんなコースをたどるのか。

 

いつもならば
中部空港を飛び立ったあと、ほぼ北に上がり、
右下に御岳山、続いて乗鞍岳を同じく右下に見る。
うんと遠くには、雲の波に浮かぶ小島のように富士山が小さな三角形で見える。
朝出発の仙台行きあるいは札幌行きの飛行機では必ずこの光景が見えるので、
私は(A)の席と反対側の席、
進行方向に向かって右側の窓側席に必ず座る。

 

もっと北上すると
左側に日本アルプスが見えるので
席が空いていれば、いそいそと席を移動して、また窓にかじりつく。
運が良ければ、槍ヶ岳のとんがった槍がくっきりと見えるはずだ。
そのまま、北東に飛んで新潟上空を通過し、
日本海側から右に舵を取って山形市上空から
高度を落としながら仙台空港南部をパスして太平洋上に出る。
かなり高度が下がった頃合で舵を大きく左に切ってUターンして、
海岸に近い仙台空港に着陸する。
これが通常のパターン。

 

それが、今日に限って、
かなり南よりに進路を取っているのだ。
というよりも、北に行かず、ほとんど東に向かって飛んでいる。

 

だから、右側の窓からは遠くに「浜名湖」が薄いガスを透して見える。
富士山は遥か前方にあるはずだが小さな三角形の富士の姿は見えそうにない。

 

 

右下に見えるはずであった御岳山が、
なんと、左側の窓から遠くに見える。
手前の雪山は、たぶん駒ケ岳で、向こう側が御岳山だ。

 

私には初めての航路を飛んでいる。
どうして今日はこんなコースを飛んでいるのかさっぱり分からない。
キャビンアテンダントに聞こうかとも思ったが、
この謎は、いつか自分で解決したいのであえて聞かない。

 

 

・・・
・・・・
だから、今日は富士山を見るのを半分あきらめていたら、
不意に、自分の席、右側の窓のすぐそこに、富士山が現れた。

 

薄いガスが高い高度までまとわりついているので鮮明ではないが、
間違いなく、私の幸運の女神、富士山だ。

 

 

こういう富士山を見たのも初めてで興奮してシャッターを切り続けたら、
なんとカメラのバッテリーが切れてしまった。
このあと、火口とカルデラ湖を持った見たことのない山とか、
中禅寺湖と男体山とか、いっぱい写真を撮りたい光景に出会ったのに、一枚も撮れなかった。
次の楽しみにしておこう。

 

 

仙台での仕事は、嬉しいことばかりであった。
仙台がますます好きになる。

 

仙台営業所のすぐ近くにめちゃくちゃ美味い「薄皮たい焼き」を売っている店を発見した。

 

本当に富士山を見た日はラッキーが続く。

 

ラッキーの締めくくり。
仙台での仕事が終わって、
仙台駅のホームに上ったら、変な新幹線がいた。

 

新型の新幹線車両が、試運転しているところを発見したのだ。
顔がバカみたいに長い新型車両。
かっこいいか? かっこわるいか?
かっこよくはないかな。けど、すごい迫力であった。
未来をちょっとだけ覗き見してしまったような、ハッピーである。

 

 

おっ、動き始めた。