谷 好通コラム

2009年10月13日(火曜日)

2327.まだ「洗車とラーメン」第四編&たった18粒のイクラ

多くの人が「うまいラーメン」が好きなのだろうが、
それは人それぞれで、
ラーメンは嫌いだという人もいれば、
インスタントラーメン(カップラーメン含む)が、好きだと言う人もいる。

 

インスタントラーメンは、安いし、自分の家で気楽に食べることが出来る。
インスタントラーメンは圧倒的に便利な存在で、
便利さではどんなに工夫をしても勝てるラーメンはない。
しかも、メーカー同士の競争が厳しく、
「味」についても、各社は工夫と研究を重ねていて、
コンビニにずらっと並んでいるインスタントラーメンは、
どれもうまそうで、パッケージも魅力的だ。
その昔、日本で初めて作られたインスタントラーメンは、
いまや世界各国で食べられ、世界の味の一つになっている。

 

インスタントラーメンの製造数は
日本国中で作られ食べられている「うまいラーメン」の何十倍もあるのだろう。
だからと言って、日本国中のラーメン屋が次々に倒産しているわけではない。
ラーメン屋で食べるラーメンと、インスタントラーメンとは
別の食べ物なのだと考えるべきなのだ。
たとえば、
日本各地の有名な「うまいラーメン屋」の名前をつけ、
その有名ラーメン屋が味を監修して造ったというインスタントラーメンもあるが、
食べて見れば、やっぱりインスタントラーメンでしかない。
店で食べるラーメンとはまったく別の食べ物であることに、がっかりした人は多いだろう。
ラーメンはラーメンでも違う食べ物であるようだ。

 

だから「ラーメン屋のラーメン」と「インスタントラーメン」とでは、
どちらが正しいか正しくないか、
良いか悪いか、うまいかまずいか、など関係なく、
「ラーメン屋のラーメン」は、「ラーメン屋のラーメン」と言う食べ物であり、
「インスタントラーメン」は、「インスタントラーメン」と言う食べ物であるだけである。

 

洗車の世界でも似たようなことがある。
ドライブスルー洗車機での洗車が、
ラーメンで言えばインスタントラーメンに当たるのではないか。
安くて、早くて、便利、そこそこはキレイになる。
これはこれで一つの洗車であって、
消費者アンケートによると「洗車機洗車」は全体の30%の人に愛用され、
ドライブスルー洗車機でのセルフ洗車は、その内の約半数の人が利用しているとあった。
全体の約15%がドライブスルー洗車ファンである。
(日本ではなんと60%以上の人が自分の手で洗っている)

 

この類の洗車はサービス業と言うよりも「物販」に近い。

 

「ドライブスルー洗車機でのセルフ洗車」は、
その商品の品質は洗車機メーカーが作っていて、
SSとかコイン洗車場は、その製品を「物・商品」のように売っている。
インスタントラーメンが、
コンビニなど物販の店舗で販売されている「物・商品」であるように。
だから「ドライブスルー洗車機でのセルフ洗車」は、
物販的な考え方で販売すればいいわけで、「安い」のが一番の数量の販売になる。
あるいは、
有名ラーメン店の名前を付けたプラスアルファの付加価値インスタントラーメンのように
「洗車機での洗車なのに、出てきた車を、
スタッフが拭き上げるというプラスアルファの付加価値を付けた洗車」もある。
自分で洗う余地のない都会などでは意外に受けている。

 

いずれにしても、
「洗車機洗車」は「インスタントラーメン」に近い商品であり、
「手洗い洗車とコーティング」が、「ラーメン屋のラーメン」に当たると言える。
別の種類の商品なのだ。
どちらが上か下かと言う問題でもなく、言いか悪いかと言うことでもない。
人それぞれで好き嫌いの問題の範疇であり、
どちらも好きだという人もたくさんいる。
しかし物販と、サービス業の違いがあることは忘れてはならない。
「ドライブスルー洗車機でのセルフ洗車」は「物販」の手法で販売すべきであるが、
「手洗い洗車・コーティング」は、「サービス業」の考え方で販売を考えるべきである。

 

だからここでは、ラーメン屋のうまいラーメンのことが話題なので、
洗車機洗車はこれとは別の商品として、考えからひとまず外す。

 

では「うまいラーメン」に該当する洗車とはどんな洗車か。

 

お客様が期待する洗車の目的とは、車がキレイになることである。
つまり、ラーメンの価値が「うまさ」であるように、
「車がどこまでキレイになるか」が洗車の価値となる。
「車を洗う“行為”」に価値があるわけではない。
車がキレイになって初めて価値が生まれる。

 

だから洗車にも技術が必要なのだ。
素人であるお客様が洗う洗車と、
技術を持ったプロのスタッフの洗車には差がなければ、
「うまいラーメン」にはならない。

 

定められたマニュアルに沿って、身に付けた技術を駆使し、
お客様に「また、ここで洗ってもらおう。」と思っていただかなくてはならない。
そこで初めて「うまいラーメン屋」の成功を手に入れる発端になる。

 

しかし、考えなければならないのは、
洗車、つまり「車を洗う」レベルのキレイさにはおのずと限界があり、
素人の洗車とプロスタッフの洗車の差は、
「車を洗う」レベルにおいては、ある限度までしか作ることは出来ないことだ。

 

「車を洗う」とは、車に着いた汚れを落とす事であって、
汚れが着いている状態、つまりマイナス地点から
汚れが付いていない車の状態、つまり「ゼロ地点」にまで戻すことであり、
その幅までしか「車を洗う」の付加価値を高めることは出来ない。
「車を洗う」限界である。

 

しかし、お客様が望んでいるのは「車がキレイになること」であるので、
それを実現する手段は「車を洗う」だけではない。
「車を磨き」「車を掃除すること」「車のツヤを守る」も車をキレイにする手段であり、
「車を洗う」よりも価値の高いキレイを実現出来る。

 

素人以上の技術をもって洗っただけでは得られないキレイさ、
つまり、確かな技術で施行する上質なコーティングがそれを実現することが出来る。

 

つまり、「車を洗う」だけよりも、はるかに「うまいラーメン」になるのである。
車を洗うキレイさよりも、洗うだけでは落ちない汚れをとって、
上質なコーティングでツヤを作り出し、それを守って、「よりうまいラーメン」になる。

 

サービス業として本当に「うまいラーメン」を実現したいならば、
洗うだけではマイナスからゼロまでの幅の低い価値しか作り出せないが、
磨き、守って、より高い価値を作り出せば、
ゼロから高いプラスの価値はどこまでも大きな価値を作り出すことが出来る。
マイナスからゼロまではゼロまでの幅しかないが、
ゼロからプラスは大きな幅をほとんど無限に作り出すことが出来るのだ。

 

素人仕事は違う次元でのきれいさを実現してこそ、
「これは、うまいっ!」と感動してもらえることになる。
そして「この店に通おう」と、「うまいラーメン」の成功を得ることが出来る。
そのためにはマイナスからゼロまでの価値だけでは幅が狭すぎて、
「これは、うまい!」になりにくい場合が多い。
もっと大きなプラスの価値を作り出すことが必要なのだ。

 

本当の意味で「うまいラーメン」を作り出すには、
車を洗う技術だけではなく、
車のあらゆる汚れを除去するための知識と技術を身に付け、
塗装の知識、車を磨き守る技術、上質なコーティングの技術を身に付けることが、
まず、必要であろう。
技術と知識なくしては、どこまで行っても素人であるユーザーと同じである。
そしてその技術で実際の作業を絶え間なく実践する事によって習熟し、
まず、プロの仕事が出来るようにならなくてはならない。

 

まず、技術を身に着けること。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・
今日、最終編にするつもりであったが、なかなか終わらない。
あともう一編だけ明日(あさって?)書いて、それを最終編としたい。

 

 

 

今日は札幌でのキーパーPROSHOP研修会があった。
朝、中部空港から千歳に飛び、その飛行機の中でこれを書き始め、
無事、研修会を終えて、最終便で千歳から中部空港へ飛んでいる飛行機の中で、
また書き始めたが、結局、千歳⇔中部の飛行機往復だけでは書き切れなかった。
眠くなってしまった。

 

私は以前のように少ない睡眠時間で生活をすることが出来なくなってきている。
夜12時過ぎには眠くなって、遅くとも午前2時前には寝る。
それで朝6時半に起きるのは随分つらくなってしまった。
時には、午前8時まで寝てしまう事もあるくらいだ。
歳を取ると睡眠時間が短くなってくるのが普通のようだが、私の場合は逆のようだ。
飛行機まであと40分くらいだが、一眠りする。

 

 

 

ここから家に帰ってから。

 

今日、千歳空港に到着してから、
東京から千歳にやってくる増田君を待つために少し時間があったので、
到着口すぐ近くの食堂に入った。
小腹が空いたのだ。
それで頼んだのが「おにぎり」。
メニューには、おにぎりの「梅」が120円。
「かつお」が140円、とあって「“イクラ”」が420円とあった。
いくら「イクラ」と言っても高すぎる。コンビニなら絶対200円もしない。
しかし、それでもなお420円なんてバカ高い値段をつけているからには、
何かきっといい事があるに違いない。

 

そう思って、私は「イクラ」と「梅」を頼んだ。

 

 

まず「イクラのおにぎり」
ガブっといったら、
すぐにブチブチブチっと、イクラが飛び出してくるかもしれない。
何せ420円のイクラおにぎりである。
ところが一口目に二口目にも、イクラは出てこない。
ほとんど半分以上進んでもイクラはプチッとも出てこない。
この時点でかなり頭にきた。
それで、これでもかとガブッといったら、ようやく端っこにイクラが出てきた。
真剣、何粒入っているか、数えたら18粒。
たった18粒。
大切に食べたが、普通のイクラ。
もうちょっと塩っ気があったほうがいいかなと思うぐらいだ。

 

あの420円は、一体どういう意味だったのだろうか。
「うめ」が120円なんだから、差はお米と海苔ではなく、
あくまでも「イクラ」にその差額があるはずだ。いくらなんでも変だ。
値段の高さで興味を引かせる趣味の悪い商法ではないか。
私は、絶対にあの食堂には二度と入らない。

 

 

快洗隊札幌店は、札幌営業所と札幌トレセンを兼ねている。
だから火曜日が定休日になっているのだ。
札幌店のフィールドに並べられた机の数。

 

 

準備が終わって、みんなが弁当を買ってきた。
増田君のお弁当は「498円!」の「海鮮チラシ弁当」
どうですか、この海の幸の量。イクラもあのおにぎりの3倍は入っている。
これを見て、またあの腹立たしい420円の「イクラ18粒おにぎり」を思い出してしまった。

 

 

研修は午後1時開始の5時過ぎに終了で無事に終わった。
皆さん熱心に参加していただき感謝するばかりである。
写真は全日程が終わったあと、課外として少し技術を紹介しているところ。

 

 

8月のキーパー選手権、北海道ブロック「キーパーの部」の優勝と、
「DCAの部」2位を独占した北海道エネルギー・三角山SSの外田さん。
担当の坂本所長も嬉しそう。

 

 

千歳空港へ向かう途中で食べたラーメン。
「山岡」の「特性味噌ねぎラーメン」これはマジうまかった。

 

 

まったく関係ないが、
刈谷店から嫁入りしてきた「リンちゃん」。
水槽の熱帯魚を見るのが大好きで、いつまでも、本当にいつまでも見ているのです。

 

 

とっても可愛いのですね。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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