谷 好通コラム

2009年07月22日(水曜日)

2264.直感以上の縁があることもある

面接をして、いつも思うことが
縁があるかどうかを短時間に決めなければならない難しさだ。
面接とは、長いお付き合いになる人をほんの数十分の面談で決めなければならない。
正直言って無理な事だと思う。

 

人間と人間の関係とは長い時間の中で育まれるもので、
それがどのような関係になるか、わずかな時間の中で判断するのは不可能に近い。
だから、お話をした内容や条件から判断するよりも、
一瞬のひらめきのような直感で決めた方がうまく行く場合もある。

 

しかし逆に、直感で、いいイメージを持っても、
後から色々考えると、懸念のようなものが浮かんできて、
せっかく持てたいいイメージを自ら薄めてしまう事もある。
イメージをせっかく持てたのに、
考え過ぎてしまい、
じわっと、大切な縁を失ってしまったような後悔の念が浮かんでくることがある。

 

チャンスとは、失って、はじめてそれがチャンスであった事を知るものだ。
これは、ビジネスの世界でも言えることで、
せっかくチャンスが目の前に現れても、懸念ばかりが浮かんできて、
それがチャンスであることに気が着かない場合がある。

 

それは歳を取れば取るほど経験が豊かになってきて、
チャンスだと思って取り掛かり、あげくに失敗した苦い経験もたくさん持っている。
そうすると、目の前に現れたチャンスをその苦い経験に照らし合わせて
「うっかり手を出すと、以前の経験の時のように、また失敗するかもしれない。」
という懸念が頭を支配して、
そのチャンスが持っている可能性とか、
大きさ、新鮮さが見えなくなってしまう場合が多くなってくるのだ。

 

そういった懸念は「損をした。」とか「ひどい目に会った。」とか、
被害者的な発想の経験であって、
その後に「こうすべきであった。」と
客観的かつ自己責任を基にした学習が行われていれば、
単に懸念を生むような経験として残ることはないのだが、
多くの場合、自らに因を求めるような、
つまり自己否定を伴うような学習が行われることは稀なので、
経験を積めば積むほど、懸念が先に立つような発想の仕方が身に着いてしまうことが多い。

 

チャンスは失った時に、
それがチャンスであった事を思い知る事になる。

 

その反対に、直感を信じて懸念を捨て、
思わぬチャンスをつかむ事もある。
少なくとも人との縁とは、不思議なもので、
いざ関わりを持ってみると信じた直感以上の縁である事もある。

 

またいい縁が持てたようだ。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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