谷 好通コラム

2009年06月03日(水曜日)

2220. ふと、晴れ上がる

快洗隊にも不況の影響がはっきりと出てきたのかもしれない。

 

5月は土曜日曜に雨が絡むことが多く、
多くの店舗から「来店されるお客様の数」が減ったという話を聞いていたが、
月末に全店のデータを分析したら、
なんと意外にも来店客数は前年比104.3%と増えていた。(前年実績のある14店舗で)
しかし、1台当たりの平均単価が前年比88.2%と大きく下がっている。
一台に要する作業時間が短かったので、お客様の数が少ないように感じられたのだろう。
その結果、実績金額では前年比95.7%と前年を割り込み、
「予算」をオーバーした店舗は18店舗中わずか2店舗だった。
洗車は微増、手がけのキーパーは前年並み、
ダイヤモンドキーパーなどの高性能コーティングは前年と同じくらい。
大きく落ちたのは室内清掃とか、ウィンド撥水とかのアラカルト商品で、
全体の平均単価を大きく引き下げている。
つまり、洗車やコーティングのお客様が、
ついでにやらせていただいた細かい作業を、あまりされなくなっているようなのだ。

 

お天気のせいにしていてはいけないものを感じる。

 

日本国内の消費は新車の販売やデパートの売り上げなどが前年を下回り続けていると
テレビのニュースや新聞が報じているが、
消費全体が一斉に収縮しているのではないと思う。
世界的な不況の中で、
たしかに一般消費者の実質所得全体は減ってはいるが、
それによって消費者は「買わなくなった」のではなく、
消費スタイルを変えたのではないか。

 

例えば洗車で考えるならば、
今まで洗車のついでに車内の掃除も一緒に頼んでいたが、
元々あった車内は他人にあまり触られたくなかった心情に加え、節約ムードが手伝って、
「車の中は自分でやろうかな。」となったりするようなことだ。

 

板金塗装もちょっとした傷ならば、
すぐに直そうとはしなくなっていると、
板金塗装のブースを持っている松戸店の多田店長が言っていた。

 

「自分で出来ることは自分でして、
少々の我慢なら、とりあえず我慢しておく。」
そんなスタイルに変わっているような気がする。

 

多くの会社では今、大節約令が出て、
不必要な蛍光灯を消すどころか蛍光灯の管自体をはずしてしまい、
点けられなくしてしまったり、出張を極力なくしていたり、
カラーコピーを全面的に禁止にしたり、経費節源により一層力を入れている。
そうした中で、節約の習慣が身について、
いよいよ自分の直接的な所得が減少した今、
節約の習慣がプライベートの生活の中で活かされるようになっているのだろう。

 

でも、生活のレベルは落としたくない。
欲しい物は欲しい。
でも、省けるものは省く。余分なものまでは買わない。
そんな消費マインドに変化したのではないだろうか。

 

そんなことを考えて、
快洗隊では色々な施策を実行する事にした。
まず、一番ベーシックな商品である「手洗い洗車」を値下げした。
自分でやろうと思えばやれるベーシックな「洗車」は、
相対的に割高感を持たれる商品の筆頭なので、まず値下げの対照にした。
付加価値の高いコーティングの類の商品は、従来においても比較的割安であったので、
据え置きとさせていただき、
ハッピーな企画として、
「ETC1,000円 応援企画、快速手洗い洗車1,000円(全乗用車)」を、
お祭り的勢いで、7月末まで実行する。

 

また、シーズン商品をピックアップした上で魅力的にして、
受注時に、シンプルにご提案することにした。

 

6月30日からは、
トレセンを伴っている札幌店、北神戸店、新涯店、上溝店を除いて、
火曜日の定休日を撤廃し、
無休営業(正月三が日を除く)を実行する事にした。

 

年単位でしばらく続くであろう収縮経済の中で、
消費者の皆さんの消費スタイルが変化していることを真摯に受け入れた上で、
我々快洗隊も、運営スタイルと提供する商品を変化させねばならないと考えた。

 

一昨日、滋賀県八日市に建設中のSSに併設される快洗隊新店舗に、
店長候補の高山君を神戸に迎えに行き、八日市まで連れて行った。
時間がなかったので高山君は、新店舗近くの「近江駅」から電車で帰ってもらう。
快洗隊のツナギを着ていたので「ツナギで電車乗れる?」と聞いたら、
「全然、平気です。」と元気な答え。
快洗隊やアイ・タックの連中は自分たちのツナギの誇りを持っているので、
みんな平気で新幹線でも飛行機にでも乗る。
ツナギを着ることが出来た昔は、私もそうだったように。

 

 

昨日は全快洗隊の店長会議。
TV電話会議が出来たおかげで、みんなと話す機会がすごく増えた。

 

 

胸の中でモヤモヤしていたものが、
花を見て、ふと、晴れ上がった気がした。
朝、東京への新幹線の中、
今日は絶対見えないと思っていた富士山がふと見えた。
心が一段と晴れ上がる思いになる。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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