谷 好通コラム

2009年05月21日(木曜日)

2212. 来る者は拒まず、去る者は追わず

今の本社事務所・トレセンと倉庫は大府市吉川町の約980坪の会社所有の土地にある。
その前は、刈谷市松坂町の約500坪、借りた倉庫にあった。
その前はその向かい側のある個人所有の132坪に、
クリーンベースというアイ・タックの洗車専門店が現・快洗隊刈谷店に移転した跡に作った。
その前の事務所は約70坪の貸し店舗にあって、アイ・タック技研㈱発祥の場所である。
設立して約15年。
この会社の本社事務所・倉庫は、三回引越しして、4軒目のものである。
初代の事務所は
今は「ガンダーラ」というインドカレーの店になっていて、
年に何回か懐かしさも手伝って今でもカレーを食べに行くことがある。

 

その初代の事務所の頃、
だから13年位前になるだろうか、
女性事務員さんを募集したことがある。
事務員さんと言っても、すべて手作業の出荷作業があって、
事務だけをやっていればいい訳ではなく、それなりに体力を要する仕事だ。

 

応募してくれたのは約10名。
すべて面接して1名を選んで採用通知をし、
落ちた人には不採用通知を電話で伝えたのだが、
(電話で直接話すのが誠意であると思った)

 

その中で困った人がいた。

 

【私】
「あのう、○○マミさんですか、この度は応募いただいてありがとうござました。
色々と検討しまして、残念ながら今回は不採用と決定しました。申し訳ありません。」
【マミさん】
「えっ、不採用ですか・・・。イヤですっ。私、その会社で働きたいんです。」
【私】
「えっ?イヤですか?・・・イヤと言われても・・・」
【マミさん】
「はい、ぜったいイヤです。私、その会社で働きたいんです。」
【私】
「はー・・はい。・・・、ちょっと待って下さい。」
電話口をふさいで、私は近くにいた弟に言った。
【私】
「おい谷君、今、不採用の子に電話したら、
『イヤです。この会社で働きたいんです』って言うんだよ。どうする?」
【弟】
「へえ~~いい根性していますね。面白いじゃありませんか」
【私】
「そうだなぁ、面白いなぁこの子、採用にしちゃうか?」
電話口を塞ぐ手を離して、
【私】
「分かりました。あなたのその熱心さを買って、採用させてもらうことにします。」
【マミさん】
「ホントですか、わぁやった~、ありがとうございます。いつから行きましょう。」

 

これは本当の話である。(前にも書いた事があるかもしれない)
そしてマミさんは、今、
アイ・タック技研㈱現・取締役営業本部長の鈴置君の奥さんである。

 

要は熱心さであろう。
採用するもしないも、その人が熱心であるかどうかがポイントなのだ。
いくら口がうまくても、愛想が良くても、キャリアが有っても、
その人が、何に対してでも熱心になれるかどうかが採用の決め手になる。
恋愛でも、如何に熱心になれるか、心を込めることが出来るかが決め手だ。
マミさんは人一倍の熱心さで、アイ・タックに入り、
その熱心さをもって我が社の有望な青年のハートを射止めた。

 

私たちの会社は「来るもの拒まず」の精神であるが、
ただ単に仕事口の一つとして何となく来られても、まず採用する事はない。
前もってこの会社がやっていることを知り、
インターネットなどで熟知し
その上で、この会社に入って、この仕事がしたい。
と思ってくれた人は拒まない。
喜んで迎え入れる。
この仕事に参加することに熱心になれる人なら、仕事自体も熱心に出来ると思うから。

 

残念ながら去っていく人もいる。
理由は色々あるが、「去る者は追わず」とするしかない。
自分なりの理由で去った者は、追わず、むしろ拒む事もある。

 

会社は人であると言う。
熱心な会社でありたいと思うから、熱心な人を喜んで迎えている。

 

http://blog.sensya.com/president/index.php?ID=652

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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