谷 好通コラム

2009年05月07日(木曜日)

2201.反省と言い訳の弁

今日は福島に行く予定であったが延期にさせていただき、病院に行った。
合計6日間もじっとしていたにもかかわらず“右足”の膝の痛みは依然収まらず、
むしろ痛みは増して、50m歩くのも難儀するようになった。
とても新幹線の切符を買ってホームを歩く事は無理だと思ったのだ。

 

病院は家の近くの整形外科、開業医だがきちんと話を聞いてくれて、
症状を丁寧に説明してくれる。

 

6日間とにかくじっとしていた事、
しかし、動かないと筋肉が固まって足全体がかえって痛くなること、
少し歩いたりして動くと筋肉の痛みはすぐに無くなるが、膝が熱を持って痛くなる事、
その間に色々な症状があった事、
それで今の状態がどうである事、出来るだけ詳しく説明する私の話をよく聞いてくれた。
その上で、
炎症自体はそれほど大したものではないが、
軟骨が減ってきているので
不自由な左足をかばいながら、
しかも過重な体重を支えて歩くには負担が大きすぎる事、
半月板にも変形がある可能性があるが、痛みが引いてから検査をする。
膝にたまった水がむしろ増えている。と説明を受け、
10ccほどではあるが膝の水を抜き、例のヒアルロン酸を注射した。
出来るならば、しばらく膝に負担をかけるのを極力避ける事を勧めてくれた。

 

処置をしてもらった今はずいぶん楽になったが、
普通の状態になるにはしばらくかかる事を覚悟した。

 

私の“左足”は、4歳の時脊髄性小児麻痺(ポリオ)に罹って発育が遅れ、
膝から下の筋肉がほとんどない。骨も細い。
だけど、
それをかばっている“右足”がとんでもなく発達して、
まるで登山家や砲丸投げの選手のように筋肉隆々でたくましい足になった。
そのおかげで、高校生の時、柔道部に入って有段者になり、
市制大会では名古屋の体重別でベスト8まで行ったことがある。

 

それでも走ったり歩いたりするのは苦手で、
「50m走」では全校450人中449位、
同級生に私よりひどいポリオ罹患経験者が一人いて50m走ではその人よりは速かった。
「1500m」では450人中448位、
その人に加えて心臓病らしい青白い顔をした人がいて、1500mではビリから3番目。
その代わり、
「背筋力」と「握力」では全校でナンバー1であった。
もし「片足筋力」なんて変な科目があったら、
私の右足は間違いなくナンバー1であっただろうと思っている。

 

しかしおかげさまで、行動に何の不自由も無いのに身体障害者の認定をもらって、
飛行機の割引、新幹線や高速道路の割引、自動車税、取得税の減免など、
数えきれないほどのメリットを享受している。

 

筋肉は鍛えれば強くなる。
しかし骨や関節自体は鍛える事ができない。
しかし関節を支えている筋肉は鍛える事ができるので、
私の頑丈な右足は、
弱い左足をかばってここまで来られたのだろうと思う。
しかし、関節の中の軟骨はそれだけの大きな負担と摩擦で減り続け、
運動不足で関節を支える筋肉が衰えると共に、過剰に増えた体重に耐えられなくなって、
ここに来て悲鳴をあげたのだろう。
「もう、ダメっ耐えられない!」と。

 

人間は鍛えたり、学習する事ができるので、
自分に足りない分を、他の要素を伸ばすことでカバーする事ができる。
そうすることによって伸ばされた部分が、
人にはない特異な能力やメリットとなって、災い転じて福をなす。になることがある。

 

しかし、特異的に伸ばされた能力でも、
時を経ていずれはカバーすべき弱点が負担なり、
ダメージがそこに集中して発生してくる場合もある。
何事も調子に乗るものではない。

 

私の場合、何よりも体重を落とす事が先決なのだろう。
今回の膝痛で皆さんにご迷惑をおかけした事によって、
今までになく、身に沁みて、それを思ったのでした。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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