谷 好通コラム

2009年05月05日(火曜日)

2200.究極の金儲けをしたい子供

五月五日は「こどもの日」。
「屋根より~高い、鯉のぼり~・・・・」と歌うが、
最近の街にはとんと鯉のぼりが上がっていない。
いつから五月の節句に鯉のぼりを上げる習慣がなくなってしまったのだろう。
だから、今日がこどもの日であることを忘れていた。

 

テレビを見ていたら、何かの番組で小学生にインタビューの様子が映っている。
司会「大きくなったら、何になりたい?」
子供「とにかく給料が高い仕事をしたい。」
司会「・・・・・・」
そばでは、お母さんがニコニコ。

 

たぶん、
この子のお父さんは、お母さんに「給料が安い。安月給」となじられ続けていて、
それを見た子供は「仕事は給料が高ければいいんだ。金持ちがいいんだ。」
と思ったのだろう。

 

金儲けか。
究極の金儲けとはなんだろう。
本を読んでいて、究極の金儲けとは、「確率で金を賭けるビジネス」だと思った。

 

金を貸して金利を稼ぐのはまともな商売で、
本当に儲かるのは、相場ビジネスだ。
相場ビジネスでも商品の先物取引、株式、為替の売買などはむしろ古典的なビジネスで、
今では、債務や不動産あらゆるものを証券化して、その証券を相場で取引する。
その債務が履行されるかどうかを担保する保険があって、
その保険までも証券化されて、その相場が成立し、取引される。
保険の保険までもあって取引される。
何がなんだかさっぱり分からないが、
世の中のありとあらゆるものが証券化されて、ありとあらゆるものが利益率としての評価をされ、
それが何重にも証券化されて、相場が膨らみ、
リスクヘッジの意味で証券が複雑に組み合わされたファンドが、
また証券として一人歩きして相場が成り立つ。
こうなってきたら元々の証券の元になった利益率など分からなくなる。
あるのは“確率”としての利益率だけである。
金融バブルとは、
金融工学という非常に高度な学問によって膨らませられた巨大な風船なのだそうだ。

 

要するに博打だ。
勝てる確率だけが一人歩きしている賭博そのものである。
しかも、一つの博打が何重にも証券化され、それがまた博打の対象になって
過去のデータと将来の予測としての確率だけで分析され、また賭けられ、
膨れ上がっていく。
風船の皮(実体経済)は、一定の量のゴム(付加価値)で出来ているので、
それを証券化して賭けの対象にし、膨らませれば膨らませるほど皮は薄くなっていく。

 

風船のゴムの量を、GDPとし、
風船の体積を金融商品の発行残高とするならば、
金融商品の一つCDS(クーポン デリバティブ スワップ)だけでも、
全世界のGDPの約7倍に当たる発行残高があって、
すべての金融商品の発行残高は6京円という天文学的な数字であると本に書いてあった。
とすると全世界のGDPの約100倍の金額が証券化されて博打されていることになり
1gのゴムの量しかないのに、
100gの空気が入った巨大な風船のようなものだ。
風船の皮は極限まで薄くなって、一つの穴が開いた時、空気は一挙に抜けた。

 

しかしその実態は、金融商品が複雑になりすぎてもう誰にも判らない、ともあった。
年収300万円の人が3億円のギャンブルをやっているようなものだ。
現金が飛び交うわけでもなく紙切れの上だけ(正確にはコンピューターのデータの上)の
ゲームであって、文字通り空虚な風船であり、
空気が抜ければ、誰も勝者のいないゲームでしかないが。

 

6京円とは、1円の1万倍が1万円、1万円の1万倍が1億円、
1億円の1万倍が1兆円、1兆円の1万倍が1京円の6倍である。

 

アメリカが主導した現代の錬金術とも言われる。
ゲームが終われば、シワシワになったゴムの皮が残るだけで
実体があるように見えた風船の空気は抜けてなくなっている。
勝ったゲーマーはほとんどいない。
しかし深刻なのは、
多くの資産家は破産して去っていけば、済むが、
このゲームに、我々のお金を預かっている銀行や証券会社、保険会社、年金などが
「資金の運用」として参加している事だろう。
これら実体経済に深く関わっている人達が、
今や、そのツケを払わなくなっている事だ。
「カジノの中の狂宴が終わっただけ」と、
冷ややかに見ているだけでは済まないのが、
今回の金融危機が世界的な大恐慌に直結するだろうと言われている所以だ。

 

しかし、しかし、
バブルが潰れる前まで
博打がまだ成立し、賭場が栄えている時は、
投資家たちはさぞかし儲かっただろう。
ただし「プロの投資家たちは」という但し書きが付くが。
彼らはバブルが膨らむ分、掛け金も増えて、
勝った時の儲けの金額は凄まじかったに違いない。
資産何千億円、何兆円なんて大成功者もいたに違いない。
プロのトレーダー達も、年収何億円、何十億円という収入を得ていたに違いない。

 

何しろ、アメリカには何億円、何十億円もかかるような自家用ジェット機が、
1万数千機もあるぐらいなのだから。(日本では、たしか60機前後ではなかったか)
とんでもない金持ちが、それ以上の数いても不思議ではないのだ。

 

相場の張り方は、昔とはその様相が全く違う。
売りと買いを出しているのは、ロボットなのだ。
金融工学に基づいて複雑かつ高度にプログラムされたコンピューター、つまりロボットが、
プログラムに従ってあらゆる状況を判断しながら、
儲かるタイミングをはかって、千分の一秒の速さで、あらゆる証券や商品を
瞬時に売り、瞬時に買う。
勝てる確率を計算して、無数の取引を瞬時に行うので、
総体として確実な利益を上げる仕組みになっているのだそうだ。

 

それで大儲けをした会社があって、
今では、機関投資家、巨万の富を背景にしたプロの投資家たちは、
揃ってロボットを使っての取引、つまり博打に参加していたのだそうだ。

 

これでは人間は勝てない。

 

確率の計算ならばコンピューターの得意技である。
以前から、チェスとか将棋とか、
様々なゲームにおいて人間対コンピューターの勝負がされているが、
将棋よりも囲碁のように要素そのものが少ないゲームがコンピューターは得意で、
オセロではコンピューターは完全に勝てるようになり、
チェスや将棋でも人間はかなりのプロで無ければ勝てなくなっているという。

 

相場の世界は、要素が複雑ではあるが、
コンピューターが繰り出すその売り買いのスピードで、
無数の売買を成立させていけば、かなりの高い確率で総体としては勝てる。
相場はもう人間の立入る所ではなくなったようだ。

 

ただ、ロボットは膨張したバブルが潰れる事を想定してプログラムはされていなかった。
ロボットは儲かると決定すれば、ひたすら買い。
儲かる売り時と決定すれば、ひたすら売る。
空売りなど、色々な金融の仕掛けまでする。
石油、穀物、あらゆる資源の相場が、短期間に乱高下したのはそのせいだろう。
しかし実体のある商品は乱高下の中でも儲ける方法とタイミングがあって、
その相場が儲からなくなっても、その実体は残るが、
実体の無い証券化されたもの、何重にも膨れ上がったバブルは、
その元が“無くなってしまう”ことがあって、
相場の対象が無くなることを想定していないロボットは売り抜ける事が出来なかった。

 

最初に出てきた「とにかく給料が高い仕事をしたい。」と言っていた子供には、
究極の金儲けである「確率に裏付けられた相場ビジネス」が、
しぼんでしまったのは不運である。
局所的なバブルはこれからもあるだろうが、
今回の「究極のバブル」以上のハイパーバブルは、もうないだろう。
君が究極の金儲けを実現するバブルはもう無い。

 

 

 

しかし、もう一つの究極の金儲けの方法がある。
「相手のためになる事をして、相手が喜んでくれた事によって報酬を得る。つまり稼ぐ。」
絶対につぶれることもなく、永遠に続く究極のお金儲けの方法だ。
人が人を幸せにしながら、自分も幸せになれる究極のお金儲けである。

 

そういう意味では、快洗隊はいいぞ。
お客様がみんな喜んで「ありがとう」って言って、お金を払っていってくれる。
「とにかく給料が高い仕事をしたい。」と言っていた君、
大きくなったら快洗隊に入らないか?

 

今日は連休の終盤。
あいにくの悪天候で、どの快洗隊もガラガラである。
膝の痛みを治めるために何日もゴロゴロしていたら、
筋肉が固まったのか、かえって歩くのに不自由を感じたので、
今日は午後から愛知県の南の方に位置する6軒の快洗隊を回った。
こんな日には、まず、店長はいない。
普段あまり話す事の少ない「チーフ」たちに会えるのが楽しみだ。

 

 

まず大府店。
大谷チーフと富沢君。

 

タイタッニックのポーズだそうだ。
すばらしい二人だが、この二人のタイタニックは・・・・だ。

 

 

刈谷店は浅野チーフアルバイトさんの伴君。
浅野君はシャイで、どうしてもカメラを見れない。

 

 

刈谷店のアイドル凛ちゃんは「靴フェチ」で、
誰かが来ると必ず靴の中に顔をうずめてうっとりとする。
人間ならば変態だが、凛ちゃんだとそれがまた可愛いのだ。

 

 

ますますかわいさが増した凛ちゃん。

 

 

驚くべきことに、刈谷店のスタッフルームが応接間のようにきれいになっていた。
浅野君は本当にきれい好きなのだ。エライ。

 

 

知立店は藤坂チーフとアルバイトさんの安藤君。
チーフが寄りかかっているのは自分の車「BMW/Z-4」独身の特権である。

 

 

知立店の前のアピタの駐車場がものすごく混んでいた。
1,000円ETCの影響か前日まで普段の日曜日より空いていたそうだが、
連休の終盤はみなさん買い物のようだ。これで晴れていれば・・・

 

 

安城店は野末チーフと古林君。
ブースの中では勤務外なのに、三人のアルバイトさんが自発的に研磨の練習をしていた。
(写真を撮り忘れた)

 

 

岡崎店は村田チーフと新人の大島君。と、なぜか森君。
コルベットは村田チーフの愛車。独身の特権である。

 

 

岡崎ICから東海ICの伊勢湾岸道路は混雑していた。
夕方、浜崎チーフと和田君。

 

 

待合室を覗いたら、結城GLが漫画を読んでいた。
「どうしたの?」と聞いたら、
奥さんと子供が近くバカでかいショッピングモールに買い物に行っているので、
しばし、暇つぶしなのだそうだ。
何と言うか・・・・、彼に独身の特権はすでになく・・・

 

 

6軒回ったところで、膝の大事をとって帰宅する。
やっぱり少しは動いたほうがいいみたいだ。今日が一番調子がいい。

 

ちなみに回った6軒とも、それぞれ何台かの来店があって、
そこそこに売り上げを持っていたことは、すごいことだと思った。

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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