谷 好通コラム

2009年03月10日(火曜日)

2155.話し書く大切さと、聞き見る大切さ

今日はキーパーPROSHOPの6回目の研修会。
その大阪ブロックでの研修会

 

全国を10のブロックに分けて周っていく。
しかし名古屋、東京のように登録数が多い地域では
大人数になって一回では開催できないので、2・3回に分けるところもある。
すべてを周り切るのにだいたい2ヶ月以上はかかる。
この研修会を年3回、全国を周って開き、
その間に快洗隊研修会、企業別のセミナー、スポットのセミナーなどがあるので、
年に50回はたくさんの人の前で話をさせていただくことになる。

 

それに月一回ずつの営業所長会議と快洗隊所長会議、
その他たくさんのミーティングがあって、
複数の人の前で話をさせていただく機会は数え切れないほどある。
人からの話を聞く機会もいっぱいあるが、やはり話す機会の方が多い。

 

書くことも多い、
このコラムの他にキーパータイムス、キーパーPROSHOP通信
社内への呼びかけ、お客様への提案など、
原稿用紙にすれば一年で何千枚かは書いているだろう。

 

話すこと、書くことは自分の中にあるものを整理することにもなるし、
書いていたり、話している時に、新しいことを思いつくこともある。
見たり、聞いたりして考え、新しいことに気づいたり、
思いがまとまる時もある。

 

でも重要なのは、
見たり、聞いたりすることであり、
新しい発想のほとんどが、人の話を聞いたり、たくさんのことを見て作り上げられる。
見たり、聞いたりは発想の栄養源のようなもので、
人の役に立つには、常に人の話を聞かねばならないし、
常に新しいことを見なければならない。
その部分には貪欲にならなければならない。
特にお客様の役に立つには、
お客様の気持ちになって物を見、聞かなければならない。

 

しかし、見て、聞いているだけでは、
考えたことや、実現すべきと思ったことを実現することは出来ない。
自分が考えたことや、実現すべきと思ったことを
たくさんの人にたくさん話して、
たくさんの事を書いて、理解いただき、
たくさんの人に賛同していただかないと実現しない。

 

何か具体的なことを実現するには、
たくさんの人の賛同と、たくさんの人の行動が伴わないと何も実現しないのだ。
何かを実現するには自分一人では出来ない。
たとえば、
今日集まっていただいているたくさんの人達の
それぞれの方々の強い思いがあって、初めて実現できることがある。そう思う。

 

しかし逆に、話したり、書いたりしているだけでは、
何も見えなくなることもある。

 

先日書いたブログに
「銀行の人がおっしゃっていた言葉によると、
『10人とか、20人程度で経営していて、
大きな会社から仕事をもらっているような会社では、
極端に仕事量が減っているところが多く、
経営者のみなさん、世界経済不況を嘆き、人員の削減とかの努力はされるのだけれど、
家族である役員さんたちの報酬は一向に下げようとしない。
そんな実体を決算書などで見るにつけて、
『不景気で困った』と言って融資などを申し込まれても、
ちょっと応援する気持ちが失せてしまうことがあります。』」
という話を例に出して書いた。

 

その後、
こんなコメントをいただいた。

 

「家族経営の会社が役員報酬を下げられない訳!
アドバイザーの銀行員さんは、そこの会社の決算書だけを見て
判断をされているのでは無いかと思います。
経営者さんの思い通りに判断して下さっているのですが
開業時に個人商店から始められた場合
経営者個人名義で土地建物設備(イニシャルコスト)の借り入れを起こしているのでは?
会社は融資を受けるためにきれいな 決算書を提出
上手にやっているつもりで
銀行も他行での古い借り入れまでは触れない
あ・え・て、法人化の時に個人の持ち分と法人持ち分
自分の会社だからいっしょか?って迷ったあげくに
背負っちゃって
内情を知った跡取り息子にみはなされ、、、
共同経営の自分と同じ年くらいの兄弟
または義兄弟を保証人にしちゃってて、、、
良くある話「リースでやればよかったなー」ってみんな思っている
息子がやらんなら買う必要なかったじゃん、、、
社長は年間1000万役員報酬、専務の奥さん800万
個人の他行への年間返済額1300万
自宅の住宅ローンもあるし、、、
会社も老後も息子がやってくれることを期待して
学費もローン組んで4大までやったのに、とほほ、、である。み・た・い・な!!!」

 

なるほど、である。
たしかに私も創業当時、
会社と個人が、借金と給料の両方の面でゴチャゴチャであった。
会社で借りられない場合は、個人で借りて、会社に貸し、報酬でとって、個人で返す。
こんなことを当たり前のようにやっていた。
会社の規模が小さい時、
資金繰りの一つの方法として当たり前だと思っていた。
本当はこんな事をやると、個人として取った報酬に所得税がかかるので
無駄な納税が発生してしまうのだが、
それでも、
たしかに私もやった。
好きでやったわけではないが、
やらざるを得ない時もあった。
だから、決算上の役員報酬が、不要に高かったこともあった。

 

「経営が苦しくなっても家族の役員報酬を下げないのは、
経営者としてはおかしいのではないだろうか。」とし、
昔は自分もやっていたことを忘れてしまったかのように
非難じみた調子で書いたことは恥ずかしいことである。
人の苦しみを忘れた愚かな話である。

 

今でこそ少しは安定しているが、
あの頃のことを決して忘れたわけではない。

 

書いているばかりでは、話をしているばかりでは、
人のことが見えなくなってしまう。
「他の人の話を聞いて、見て、考える。」を忘れてしまうのだろう。

 

話すこと、書くことで、思いを実現していく大切さを、深く思い、
と同時に、それだけではいけないことを深く反省した今日でした。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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