谷 好通コラム

2008年09月28日(日曜日)

2026.社員旅行の最終班

おととい、26日の夜、サイパンに飛んだ。
社員旅行の最終班である。

 

何年か前まで社員旅行は決まって海外であった。
グァムは何回か連続で行ったし上海にも行った。
社員が五十人まではいなかった頃だ。
それが会社の規模が徐々に大きくなってきて、
しかもIPO(株式の公開)の準備のために内部体制を整え始めてから、
社員旅行は四年連続、国内になった。
別府温泉、富士五湖、伊勢スペイン村、とうとう「尾張温泉(会社から40分)」
「今年こそは海外に行こう。」と社員旅行積み立てまでしていたが、
ずっと国内で、しかもだんだん近距離になってきた。
社員の人数が増えてきたことと、
それぞれの仕事の都合が一致せず、たくさんの日にちが取れなくなってきていたこと。
そしてやっぱり費用の負担が大きくなってきていたことだ。

 

数年前、IPOのことなど考えなかった頃は、
「SSさんに成功してもらうこと」の一点で集中し、
けっこう行き当たりばったりで破天荒な経営をしていても、
それなりに会社をやっていることが出来た。
会社としての利益もそれなりにはあった。
だから、景気よく社員旅行はいつも海外なんてこともやってこられたが、
トレーニングセンターを全国に作り、
快洗隊の新店を増やし、間接部門を充実し社内体制を整えて、
ジャンプするためのIPOを目指して体制を作り始めたことから
会社に思ったような利益も出なくなって、
社員旅行はずっと国内になったような気がする。
野武士が破天荒に暴れまわっていた時よりも、
きちんと体制を作って正式な軍隊を作ったら、むしろ力が落ちてしまうようなものか。

 

海外への社員旅行もそうだが、
数年前まで、レースをスポンサードしながら自らもレースに出たり、
海外への出張も数限りなく行き、たくさんのスタッフを派遣したりした。
今考えるとずいぶん無駄なお金も使ったはずだ。

 

それがここ何年かは、
経費節減を徹底的におこなっている。
ペイする根拠のない海外活動はやめて、
少なくとも私が直接海外に行くことはなくなったし、
スタッフも最低限の海外出張にしか出かけなくなった。
もちろん、レースのスポンサードもやめ、私のレースの出場もなくなった。
役員の数も最低限になったし、社用車もずっと新たに買っていない。
営業スタッフも出来るだけ燃費のいい車に乗るようになっている。
接待交際費はもともとゼロでやってきたが、
会議費など社員間の飲食費もゼロにした。
私もみんなと食事をする時は、私の個人的な支払いとしている。
いずれにしても経費削減はかなり徹底した。

 

それでも、予定通り利益が出なくなっているのは、
会社としての内部体制を作り上げて来たことと、
キーパーなどの製品を使われるSSの絶対数が減ってきていることも上げられる。
キーパーの代表的なケミカルである「ファイナル1」などは、
今現在でも少しずつは増加しているが、
毎年1万人の研修生を迎えて行っている各種のスクール活動の割には増えていない。
去年の全体を100とするならば、
営業活動とスクール活動でシェアと利用率が15%アップしても
全体数が減って90となり、今年は90×115%=103.5で微増という感じ。

 

活動量はむしろ増えているが、
それを経費節減で無理やり抑えて収益的には100~101%の超微増。
快洗隊の店舗数も増やしていて、
「コーティングプロショップ快洗隊」のコンセプトが当たっているので、
前年比に対してかなりの伸びを示しているが、
新店の快洗隊店舗はリピートの積み重ねが進むまでなかなか収益は出てこない。
快洗隊での収益は、各店舗の伸びと新店への先行投資でゼロ+アルファ。

 

しかし今年は13店舗の既存店舗の利益で4店舗の新店への先行投資を賄った。
来年は17店舗の利益で、新店の先行投資的な費用を賄うので、
もっと新店は増えるはずだ。
それでも、店舗で生まれた利益を新店につぎ込むわけだから、
大きな利益が出ることは難しいだろう。
ただ、快洗隊が増えることで、
快洗隊から得られる「特別なキレイ」が
より多くのユーザーに楽しんでいただけることが、我々の大きなモチベーションにはなる。

 

いずれにしても、
快洗隊の直営店舗は、
既存店の利益≒新店の先行投資分であれば成長できるが、
全国のSSさんを対象としたビジネスはそうは行かない。
絶対数が限られているし、その絶対数が漸減していくことは目に見えている。
SS以外の業界に積極的に出て行くことも選択なのかもしれないが、
しかし私も、私たちのスタッフも
これまでのSSさんたちとの密接な関係の中で、
心情的にもどうしてもSSさんたちに目と神経が行ってしまい、
他の業界の方たちとは「来る者は拒まず。」になっている。
これをいまさら変えていくのは容易ではないし、
心情的に無理である。

 

そこで考えたのが
「SSさんに今までとは桁違いの成功をしてもらう。」ということ。
カーディーラーさんが広げた「数年耐久を謳った新車コーティング」に
ここ数年、大きなマーケットが生まれ、
そのメンテナンスとかケアの部分に
また、大きなマーケットが顕在化してきている。
それは快洗隊が「洗車屋快洗隊」から
「コーティングショップ快洗隊」に、
コンセプトを変えて成功していることによって実証されている。
その二つの大きなマーケットを、
SSさんたちにぜひ実現していただきたいのだ。

 

キレイ好きの日本人にとって「カーコーティング」による満足度は、
男性が「散髪」から「美容」に移行してきている時代の流れと同じようなもので、
「あーさっぱりした。」から、「ウキウキルンルン」と高付加価値化している。
満足の「相」が転換したのだ。

 

この大きな付加価値をSSさんが実現すること。
SSさんが世間の一般ユーザーに提供していくこと。
それが、すでに持っているインフラと立地と店舗数において、
もっともふさわしいと考えている。
そのための、
一昨年の11月から始まった「コーティング技術認定制度」であり、
「キーパーPROShop」の存在である。

 

我々快洗隊が実現できた付加価値はあくまでも局所的であり広範なものではない。
その付加価値を世間一般の多くの方が甘受できるチャンネルとしては、
全国のSSさん以外にはないと思うのだ。
また数が減少しつつあるSSさんにとって
それが経営的にも必要としていることではないだろうか。

 

 

ここ数年来、
多くの先行投資を行い会社としての活動を加速させて来たが、
SSさんの絶対数の減少との相殺で、
会社の事業規模も頭打ちとなってきて、
会社の社会に対する義務である利益も
徹底した経費節源で賄うこの現状を打破するためには、
「もっと桁違いの成功をSSさんに実現する。」以外に方法はないと結論した。

 

元々、我々の会社は
「一般ユーザーの満足」を提供することでの
「SSさんの成功を実現すること」を目的として活動してきたことが、
これまでの会社の成長につながってきた歴史がある。

 

だから、
我々の原点でもある
「一般ユーザーの満足」を提供する「SSさんの成功」を、
「散髪」から「美容」への「満足の相転換」の時代の変化に適応して、
「相の違う付加価値」を提供する
「SSさんの桁違いの成功」を実現することによって
我々の現状をも打破しようと考えた。

 

一昨年の11月からの
「コーティング技術認定制度」であり、
「キーパーPROShop」を作り上げていくことが、
「相の違う付加価値」を提供し
「SSさんの桁違いの成功」を実現することになるはずだと、活動を続けてきた。
非常に多くの時間と活動量が要る仕事である。

 

今度11月の東海四件から始まる「TVCM」もその一環だ。
CM制作費、全国への放映料は、
いまだ経験していない膨大な額ではあるが、
「ユーザーに今までとは相の違う満足感」を
SSさんで得られることを知らせるためには、どうしても必要であると考えた。
この億単位の投資が、
私たちにとって分不相応な投資であることは十二分に承知しているが、
「SSさんに桁違いの成功」をしてもらうために、どうしても必要であると考えた。

 

我々の会社の経費節源の方向は変わらない。
今回のサイパンへの社員旅行は、
今まで社員旅行積み立てをしてきて、
数年来その積み立てをみんなに返してでも
国内旅行にしてきた罪滅ぼしである。

 

今回のサイパン旅行は、3つの班に分けて行われた。
今日はその最後の三班の番である。
この三班が今年最後の旅行の班になるか、
この会社の社員旅行最後の班になるか、今後の活動をやってみなければ解らない。

 

サイパンの空はあくまでも青く、雲はあくまでも白く、
海はあくまでも碧かった。

 

 

みんなよく食べる。食べる。

 

 

ホテルのプールで水球に興じる酒部君たち、
彼らのエネルギーが底なしであることが判った。
「あんだけ元気があるなら、もっとがかんばってもらわにゃねー」とは、
山口監査役の言葉であった。
まったく異論を挟む余地はない。同感である。(^^♪

 

 

わたしゃ、もう、くたびれました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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