谷 好通コラム

2008年04月12日(土曜日)

1889.策士、策に溺れ、身を滅ぼす

オセロゲームが苦手だ。
もちろん将棋も碁もまったくダメである。
先を読んで策を立てることはビジネスに絶対必要な要素だが、
オセロとか、将棋とか、碁などは自分の攻め手だけを考えるのではなく、
自分の思う所へ相手の駒を打たせるために、
わざと自分の駒を取らせたりとか、
相手に罠をかけるような手段を取ることがあると思うのだが、
(実際は、私は将棋も碁もまったく知らないので、想像でしかないが)
浅知恵で相手を術中にはめるような手を打つと、
そのまた裏を書かれたり、自分がかけた罠に自分ではまったりで、
いつも散々な目に会う。
私はオセロで言えば、せいぜい低学年の小学生に勝てる程度のヘボである。

 

相手を陥れ、謀略にはめることは、
社会の中では人間として恥ずかしい行為であるが、
ゲームにおいては
ゲームに勝つための手段であって、
それが上手ければ上手いほど、ゲームに強いということで誉められる。

 

しかし社会の中では、
人を陥れたり騙したりする行為は、
それによって目先の「得」が得られても、
それがばれたり、見透かされたりすると、いっぺんにその人は信用を失うことになって、
結果として大きな損をこうむることになる。
人を陥れる謀略やでまかせ、あるいは嘘は、
それが深くなればなるほど複雑になって現実とのつじつまが合わなくなり、
どこかでばれるものだ。
ゲームならば、お互いが謀略を張り巡らせて闘うものなので
謀略がばれても、「ありゃ、ばれた」で済むが、
それが社会の中で行われたとき、
目先の損得と引き換えに、致命的な損をこうむるのは、本人である。
「策士、策に溺れ、身を滅ぼす」

 

ビジネスにおいては、もっとシビアであり、
巧妙な手段で商品を売ったとしても、
それを買った人が「騙された」と思えば、
その程度によっては犯罪となり、そんなにひどい場合ではなくとも、
二度と買わないという手段で、その商品は社会から葬り去られる。

 

たとえば、思いっきり単純な例でいうと、
大してうまくもないラーメンしか作れないラーメン屋が、
「日本一うまいラーメン!」とでかい看板を上げ、新聞折込チラシで宣伝したとする。
みんな”うまいラーメン”を期待して行列をなして来店して、
その店のラーメンを食べると、
「まずい!」と思って、
もう二度とそのラーメン屋には行かなくなるだろう。
その後、そのラーメン屋が「これじゃイカンな」と思って、
飛び切りの腕を持った職人を雇い、正真正銘「うまいラーメン」を作れるようになって、
「今度こそ、本当に日本一うまいラーメン!」と
前にも増してデカイ看板を立てたとしても、
もう誰も信用しない。誰もラーメンを食べにくることはないだろう。

 

へたに「洗車のプロ」を単なる客寄せの看板に使ったりすると、
かえって致命傷になることもあるのだ。
怖いことです。

 

 

私たちは「プロのコーティングショップ」を称している。
よほどの覚悟を持たなくてはならない。
万が一、いい加減な洗車とコーティングなどを提供したら、
下手なラーメン屋の二の舞になることは間違いない。
覚悟を持って、私たちはコーティングプロと称するべきなのだ。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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