谷 好通コラム

2008年03月31日(月曜日)

1880.みんなの力を合わせること

仕事をやっていて「自分でやったほうが早い。」と思うことがある。
役職として人の上に立つ人なら必ず一度はそう思ったことだろう。

 

部下よりも仕事が出来るから上に立ったのだから、
その仕事を部下がやるより、
自分がやった方が早くできるのは当たり前の話で、
そこを部下がやれるように教えていくのも上司の仕事である。
しかし、それが分かっていても、
つい「何でこんなことが出来ないのか」と思い、
「えーい、待っていられない、これじゃ間に合わないよ。自分でやっちゃおう。」と、
その仕事に手を出してしまうと、いつまでたっても部下は育たない。
それに、いくらその上司が仕事が出来るからといっても、
所詮一人分の体と頭しかもっていないのだから、
たくさんの仕事を抱え過ぎて、かえってその仕事を中途半端にしてしまうこともある。

 

組織で仕事をしているのだから、
部下を育てられなくて仕事を全部自分で抱え込んでしまう上司は、
その部署の仕事量をこなしきれず、結果として、仕事が出来ないことになる。
多少能力があったって、
みんなでやる仕事の量にはとてもかなわない。
多少質の高い仕事が出来たって、一人の視点では抜けているところもあって、
みんなでやった方が間違いない。
しかし、それは分かっていても、
部下を仕事を出来るように育てる時間と手間を思うと、
とりあえずは、つい、自分でやった方が・・と思ってしまうものなのだ。
ジレンマである。

 

こんな悩みは誰でもぶつかることで、
ああ自分もそうだな。と思っても別に悲観することではない。
誰だってそうなんだから。
主任から、係長、課長、次長、部長、取締役だって、みんなそうだ。
もちろん社長だって同じだ。
特に中小企業のオヤジは、いつもそんなことにイライラしているはずだ。

 

この辺を克服できるかどうかが、
会社を大きく発展させられるか、
自分の目の届く範囲までにしか発展させられないかの分かれ目なのかもしれない。

 

仕事を部下と一緒にやって、その仕事を憶えさせていくという方法がある。
この方法だと、自分がその仕事に直接関わるので、
仕事のスピードが鈍ることもないし、
部下と一緒にやることによって、
かえってその仕事のスピードを上げられる事もある。
あるいは、その仕事を教えながら、という場面もあるので、
多少はペースが落ちることもあるが、ほとんど問題ない。

 

私はこれを「ロケットのブースター方式」と勝手に呼んでいる。
ロケットを打ち上げるとき、ロケット本体の脇に補助ロケットが付けられている。
スペースシャトルならば、
ロケット本体が飛行機のような形をしたシャトル本体に、
巨大な液体燃料タンクが付けられ、シャトルのロケットエンジンはこの燃料を使う。
燃料タンクの両脇には細長い補助ブースターロケットが取り付けられているが、
これは固形燃料のロケットで、
実は、シャトル本体のロケットエンジンの何倍もの推力を持っている。
部下上司の関係で言えば、
部下がシャトル本体で、上司が補助ブースターロケットの関係だ。

 

地上から打ち上げ、初期の上昇中は、
シャトルのロケットエンジンとブースターロケットエンジンもフル推力を出し上昇する。
シャトルのロケットエンジンも目いっぱいの推力を出しているが
最初は、ほとんどブースターロケットの推力で上がっていく。
ある程度上昇するとシャトル本体用の液体燃料タンクが減ってきて、
全体が軽くなる頃、
補助ブースターロケットの固形燃料が燃え尽きて、
本体から切り離される。
かなりの高度まで上がってからのことだ。
ブースターが切り離されると全体としてはうんと身軽になるので、
シャトル本体の液体燃料ロケットエンジンの推力だけで上昇出来るようになっていて、
ぐんぐん上昇し、引力と地球を回る遠心力がバランスした頃、
液体燃料タンクの燃料も燃え尽きて、
シャトル本体から切り離される。
地球の周回軌道に乗ってシャトル内は無重力状態になっているはずである。
シャトル本体が単独の形になったらもう身軽なもので、
あとはシャトル本体内の燃料で軌道を修正したり、シャトルの向きを変えたり、
最後には帰還軌道に乗ったりするシャトルの自立した制御行動をする。

 

これを仕事の上司部下の関係で言い換えると、
?最初一緒に仕事を始めた時には、上司がほとんどすべてを進めていく。
?それを見ていた部下は仕事の一部が出来るようになって、部分的に仕事を分担し始めた。
その分、上司は他の仕事をやれるようになった。
?徐々に仕事が出来始めた部下に、上司は仕事の大筋の部分までやらせてみて、自分は自分の仕事をメインにするようになる。もちろん、イニシアティブは上司が持っている。
?部下が間違っている所もあるので修正しながら、ほとんどその仕事を部下に任せる。
?最後の修正が上手く出来たら、部下は自立して仕事を任せることが出来る。

 

こんな感じになるだろうか。
文字にしてしまえば簡単だが、そう簡単には行かない。
一番難しいのは、部下がその仕事が少し出来るようになった時、
部下が「もう、自分はその仕事がすっかり出来るようになった」と早とちりして、
その仕事について「自分の思った通りにやりたい」と思い始めること。
?から?にかけてのことだ。
上司のイニシアティブを拒否して、
自由にやりたいの気持ちが出始めると始末が悪い。
その部下は上司からの学習をしなくなってしまうからだ。

 

 

簡単な仕事の場合はまだいいが、複雑な仕事になればなるほど、
?から??の段階が一番大切な学習の期間になるので、問題はより複雑となる。

 

「早分かりの弊害」と呼んでいるが、
優秀な人ほどこの早分かりが起きて、より深い学習が出来なくなり、
もともと素地として優秀な人が、
ただ単に優秀で“あった”だけになるか、
実戦力のある強力な優秀さになれるかの境目だ。

 

 

この会社にも優秀な才能を持った人が何人もいる。
いつもとぼけたことばかり書いているが、この「ユウキワールド」もその一人だ。
どこまで伸びるか、延びるだけになるか、実に楽しみな人の一人である。

 

 

今月は快洗隊始まって以来、初めての「全店舗、予算完全達成!」であった。

 

特に結城店長率いる岡崎店は3月初の400万円越えで、
しかも、生産性で5,000円/人時を突破した快挙である。

 

 

その主役たち。
パワフル&繊細な鈴木チーフ。彼の存在は大きい。

 

 

野本君は、これからの大成長株です。

 

 

三浦車掌こと非対称・三浦君は、同じ結城グループの大須店からの応援。
非対称・三浦は必ずこれから大化けします。

 

 

なぜかいつも「チッチェーの」とユウキから呼ばれている清水君。
そんな言うほどちっちやくないのだが。大切な戦力の一人です。

 

 

長い間低迷した鳴海店も、結城グループとして復活の予算達成である。
この店のポテンシャルは高く、ポイントをつかんだからには、
すでにごぼう抜きを実現していて、これからとんでもない存在に成長するのです。

 

 

その主役の一人、西脇君。
彼の成長が、鳴海店の成長にも結びついているのです。

 

 

すっかり目覚め、化け始めている近藤君は風邪で早引き。

 

今月予算達成で感動の大活躍の竹内幸雄店長とは、
店で長く話をしていて写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。スマンスマン

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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