谷 好通コラム

2007年12月27日(木曜日)

1807.自分に言い聞かせる

昨日から東京に来ていて二日間びっしりと動き回った。
(日付が変わってしまったので、正確には昨日と一昨日)

 

来年の一月から東京に引っ越すつもりで、
一年間、とにかく東京に力を入れる。そう決めた。
私たちがやっていることが、たとえば世の中に求められているものならば、
それは、日本国中に広げるべきであって、
そのためには、東京から発信することが一番効率的であり、
ひょっとしたら唯一の方法でもあるのかもしれないと、そう考えた。
しかし、
世の中が求めているものではなかったなら早々に撤退すべきだろう。

 

快洗隊という新しい形のビジネスを、
愛知県を中心に展開してきたが、
このまま愛知を軸に店舗展開を続けても、
この形のビジネスを日本国中に広げるべきなのか、
そうでもないのか、はっきり分からないまま時間が過ぎていきそうで、
これではイカンなと思ったわけだ。

 

私に現役として残された時間は少なくとも20年はないし、
10年も残されているかどうかも分からない。
自分が信じて造り上げてきた物が、
はたして世の中に望まれているものなのかどうか、
自分が現役としての寿命がある間にはっきりと見極めたい。
そういう欲求に駆られた。

 

今回いただいた「グッドカンパニー大賞」が良いきっかけにもなったし、
今こそが、快洗隊が提供するサービスへのニーズが、
世の中ではっきり顕在化する時だとも思ったのだ。
タイミング的には今しかない。
そう思いつつも、なかなか踏ん切りがつかないところに
今回の賞をいただいたことで、
躊躇している私の背中をポンと押されたような気がする。

 

そう考えて、
来年の一年間とりあえず東京に身を置こうと思い、
たくさんの人に「東京に引っ越します。」と話して宣言をしたわけだが、
話を繰り返すたびに、
「あ~、本当に東京に来るんだ。」と改めて感じてきて、
まだ若干の後悔を含んでいるものの、いよいよ覚悟が出来てきた。

 

最初は何処に事務所を開いて
何処に住んだらいいのか分からないので、
東京営業所に近いホテルにロングステーをしようと思っている。
そして、すでに決まりつつある物件と、
大改造をして劇的に収益を改善しなければならないと思っている松戸、五香と、
これから出てくるであろう物件と、
私の東京ですべきことがはっきりと見えてきたら、
何処に住むかを自分で決めたい。

 

何処に住むかと言っても、
結局は、新しい事務所に近いどこかのホテルに長期滞在の形になるかもしれない。
自分自身の健康のことも考えてだ。
それでも、仕事場を東京にきちんと持ってきて、
本拠地が東京であり、
愛知の本社には出張するという感覚にまでは持っていきたい。
そのために企画が出来る人を東京に呼ぶことも考えの一つに入っている。
東京にいたほうが仕事が進む体制にまで持っていかなければ、
東京に引っ越したことにはならないからだ。
そして、東京から快洗隊を発信すると覚悟を決めた以上、
快洗隊を造った私自身が東京に引っ越すことは必要不可欠だとも思っている。

 

しかしこう書きながら、
自分が東京に引っ越すことを
自分自身に言い聞かせていることも事実であることを白状しておく。

 

やっぱり家族のいる愛知にいたい。
愛する人たちに会っていたい。
それが嘘のない気持ちである。
しかし自分がこの世に生まれた以上、自分がここまでやってきたことが
世の中に求められているものなのかどうか、はっきりさせたいし、
求められているものならば、自分でやらなければならないと思う。
それが、自らが生まれてきたことに対する証にもなると思う。
本当にそう思う。

 

 

一方、自分の家に代々伝わってきた仕事を家業として継承する生き方もいい。
それはそれでいい。素晴らしいことだと思う。

 

しかし、自分の仕事の社会的意義を放棄し、
自分や家族が幸せであればいいという意味を家業というのは、言葉の意味が違う。
どうしても許せなかったのが「船場吉兆」の茶番劇。
利己的な反社会行為が露呈したあとも、自己の正当化を繰り返し、
挙句の果てには、マザコン社長を操り人形のように指図して、
それがマイクを通して世間にばれているにもかかわらず、
「ご先祖様に申し訳ない。」と言う利己的な母は醜かったとしか言いようがない。

 

吉兆の先祖は「うまい料理を提供する」ことで、
いろいろな形で世の中に貢献してきた。
それがゆえに、吉兆は世の中からその存在が続くことを求められ、
代々引き継がれ、
認められてきた立派な家業だ。
それに反して確信的に反社会的な行為、
つまり代々家業を引き継いできた人たちに対する裏切り行為を行った張本人が、
自分の犯罪行為を、
「ご先祖様に申し訳ない」と
あたかも先祖を大切にしていたような言葉を言う資格はまったくない。

 

家業とは、家族の利己的な利益のために働くことでない
閉鎖的な幸せのために働くことではない。
世の中がその仕事の価値を代々続くことを求め、
認めてきた仕事のことを指す。
家業を、世の中に求められた仕事として継いで行くという意味と、
家族の利益を守るためなら反社会的なことでも何でもやるという利己的な価値観とを、
混同してはならないのではないか。
一見同じように見えてもまったく違う意味なのだから。

 

自分は自分の価値観として、
自分の生き方として、
自分がこの世に生まれてきたことを感謝する意味として、
自分が何処までやれるか、
やれるだけのことをやってみたい。

 

 

昨日、今日の二日間、思った以上にすべてのことが前に進んだ。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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