谷 好通コラム

2007年09月18日(火曜日)

1734.純水を洗車に使う

[純水洗車・洗いの最後の段階を純水ですすぐ]
洗車は手洗いでも良いし、洗車機での洗車でも良いが、
ここでは快洗Jr、快洗Wingを使った手洗い洗車に絞る。
純水は水が蒸発しても、つまり乾いてしまっても何も残らないのが特徴だ。

 

その特長を活かして、
?水道水(又は地下水)の水スプレー
?ムースをボディ一面にかけて、ラ・モップでタッチアップする。
?泥とか埃が混じった泡を水スプレーですすぐ。
?「純水」をボディ上部から順番にかけていき、水道水と純水を入れ替える。
?そのまま乾燥させても良いが、水減らしをしてから乾燥させるのがベストだ。
?乾燥させている間に、ドアエッジ、ステップ、ボンネットの隙間、タイヤ周り、メーター周りを仕上げる。
?すべての仕上げがすんだ段階で、窓を拭き上げ、ボディの純水の乾き具合を確認し、仕上げる。

 

[拭き上げをしない洗車のお客様のメリット]

 

「黒色車は特にヘアーラインが目立つ。」
ここ10年の傾向で、
自動車の塗装色が白色系から明らかに濃色系に移っていて、
特にまっ黒のブラック車が明確に増えている。
昔は真っ黒の車といえば運転者つきの高級車と相場が決まっていたが、
今では、軽自動車まで含む普通の乗用車、ミニバン、SUVにまで広がってきている。
ブラック車は高級感に溢れ、良い状態ならば非常に美しい。
しかしブラック車は汚れも目立ち、
特に擦り傷のように見えるヘアーラインが目立って手入れが難しいし、面倒だ。
ヘアーラインは、機械洗車はもとより手洗い洗車でも十分な泡を使わなかったり、
タッチアップにスポンジを使ったりすると砂埃を引きずったりして
てきめんにヘアーラインが入り、黒色車においては車全体が白ボケする恐れがある。

 

[極上手洗い洗車はこれまで最上だった]
私たちの快洗隊で実践し、提唱してきた手洗い洗車は、
快洗Jr.とか快洗Wingなどを使って十分に水スプレーした後、
密度の濃いムースをかけ、毛の間に砂埃を包み込むラ・モップを使ってタッチアップしたのち
泡をきちんと落として、吸水性に優れた快洗タオルで水を拭き上げて仕上げる。
すべての段階で、車の塗装に気を配った手洗い洗車で、
現段階では最上の洗車のプログラムであった。

 

[もっと上質の手洗い洗車を望むならば、拭かない方がいい]
それでも、最後は水を拭き上げるわけだから、
最終的にはある程度乾いた塗装面を擦ることになる。
ここで思い出して欲しいのが、水道水にはミネラル分が含まれていることだ。
ミネラル分は水が乾くと粉上の固形分になる。
だから、乾ききる前に水を拭き上げてしまうわけだが、
拭き上げる最終段階ではほとんど乾いてくるわけで、
ほんの少しであれ、粉状のミネラルで塗装を擦ることにはなるわけだ。
磨き上げられた漆黒のブラック車には、こんな些細なことでも影響することもある。
純水ですすいだ後ならば、拭き上げずにそのまま乾かしてしまってもいいし、
乾きやすいように、プラセームを使った水減らしまでやって乾燥させればベストである。
特にキズの目立つブラック車には、
擦る作業を極力なくした「純水仕上げの手洗い洗車」は理想であると言える。

 

[純水仕上げは、発色と透明感がいい]
快洗隊・甚目寺店をオープンしたころ、
みんな手洗い洗車の仕上がりに何か不自然さを感じていた。
どことなくスキッとしないのだ。
甚目寺店は元SSであった土地で地下水を利用していた。
この水が素晴らしくきれいで飲んでも美味く、鉄分も含まれていない。
こんなきれいな地下水ならばと、洗車にこの地下水を使っていたのだが、
実は、この地下水にはミネラル分が大量に含まれていた美味い水であった。
手洗い洗車で最後の拭き上げの作業で何となくすっきりしなかったのは、
このミネラル分が水を拭き上げてもかなり残ってしまったのが原因。
それに気が着いたのはオープンしてから半年経ってからだが、
洗車に使う水を水道水にすべて切り替えてから、驚くくらいきれいな仕上がりになった。
塗装の色がはっきりした、つまり発色のいい洗車に生まれ変わったのだ。
オープン当初伸び悩んでいて甚目寺店の実績が上がり始めたのは、偶然ではない。
この教訓から、
ならば、水道水よりもうんとミネラル分が少ない純水で仕上げをしたらどうかということになって、
やってみたら、やっぱり違う。
甚目寺店の地下水から水道水に変えたほどの変化はなかったが、
それでもその差は歴然である。
発色がいいし、透明感がある洗車となったのだ。

 

[キーパーの乗りが良くなり、仕上がりも良い]
純水を使ってからキーパーを掛けると、乗りがまるで違う。
今までミネラル分がキーパー皮膜の定着を妨げていたものが、
純水を使うことによって、抵抗がまったくなくなったのであろう。
キーパーの乗りがいいと擦る作業にも力が要らす、車のためになっていると実感する。

 

[作業時間の短縮=お客様の待ち時間短縮]
水を拭き上げる作業が無くなれば、
水減らしの後、純水を乾かしている間に、
ステップとかドアヒンジ、トランク、ボンネット、メーター周り、タイヤ周りの仕上げが出来る。
その分、作業時間が短縮されることになって、
お客様の待ち時間が短縮される。

 

[カーディーラーの新車コーティング施工車にもぴったり]
前述のヘアーラインは、実は大部分が塗装のキズではない。
塗装上にあるワックスとかコーティング被膜に着いたもので、
ちょっとした研磨で簡単に取れるが、また簡単に着いてしまう。
比較的やわらかい被膜であるディーラーコーティングには、特にこれが目立つので、
純水を使った「必要以上に擦らない洗車」は、ぴったりなのである。
「純水仕上げの優しい手洗い洗車」は、
ディーラーコーティングをしてしまった人が、待ちに待っていた洗車の形と言える。

 

[純水仕上げの手洗い洗車は、汚れにくい、環境にも優しい]
純水仕上げの手洗い洗車は、
塗装上にミネラルを残すことが無く、
塗装面は引っかかるものが無くなるので、汚れがつきにくくなる。
その上、余計な洗剤を使わないので環境に優しい洗車になる。
しかも、純水を作る過程で、ROモジュールへの加圧に電気を使うだけで、
工程自体でCO2を発生することも無く、エコな洗車といえる。

 

[ユーザーが“純水”に持つイメージは、エコであり、ピュアであり、好感度が高い。]
「純水仕上げの手洗い洗車」は、
性能的にもイメージ的にもユーザーに対してアピール力があり、
一般的になってきた手洗い洗車の差別化となる。

 

[日陰の無い場所での手洗い洗車に、]
手洗い洗車にしても、キーパーにしても、
本当はどうしても日陰の施工場所が欲しい。
しかし店舗が狭い場合などもあって、どうしても場所が取れないこともある。
乾かないうちに大急ぎで拭き上げの仕上げをするわけだが、
それでも夏の時期など乾いてしまって、どうしても良い仕上がりが出来ないならば、
純水での仕上げが一つの解決方法になる。

 

[手間が減ったからといって価値を下げることはない。]
純水仕上げの手洗い洗車は、
拭き上げる手間が減って、店舗側としても作業が効率化される。
かといって、必ずしも手洗い洗車の価格を下げなければならないわけではない。
純水による洗車は、お客様にとってもメリットは大きく、
手間が減った分を値下げする必要はないと考えている。

 

[「純水仕上げの手洗い洗車」と、「プレミアム洗車の実現」]
?今までの手洗い洗車は、
「純水仕上げの手洗い洗車」として、
洗車自体のグレードアップと他店への差別化をはかる。

 

?純水を使って手間が減った労力と時間を、
今までやっていなかった細かな部分までを仕上げ項目に組み込む。
特にアルミホィールは、プレミアムカーの代表であるドイツ車においては非常に汚れやすく、
洗車のたびにホィールクリーニングがしたい。
ホィールハウスの中の艶出しも効果が高い。
これらの作業を今までの手洗い洗車の作業に加え、
プレミアムカーには、純水プレミアムカーウォッシュとして、
価格もプレミアムな、高付加価値洗車を実現する。

 

[どうしても水洗いしか、しないお客様に]
理由はどうあれ、
カーディーラーによる新車コーティングの信奉者も多い。
ディーラーコーティングでもポリマー系のものならば、
キーパーが最高のメンテナンスになるのだが、
ディーラーさんの「水洗いだけで」という言葉をかたくなに信じて、
絶対に水洗いしか、しないお客様も数多くいる。
そんなお客様には、コーティングに良い洗車として「純水仕上げの手洗い洗車」だけでなく、
高付加価値な「純水プレミアム洗車」を、
単なる手洗い洗車以上の価格で提供し、洗車収益の一助と出来れば幸いだ。

 

 

純水が洗車に革命を及ぼすと前文に書いた。
「何をオーバーに」と思われるかもしれないが、
作業時間が減って、労力も減り、効率が上がって、
しかも、しかも肝心な商品力が増すのだ。
私自身、純水で仕上げた手洗い洗車を経験するようになってからは、
純水で手洗い洗車をして欲しいと思うようになっている。
私の車はシルバーだが、はっきりピュアな感じがするからだ。

 

案外、純水仕上げが、これからの常識になるのかもしれない。そう予感するのです。

 

 

この3話で書いた話はキーパータイムスの記事の原稿を兼ねたものですが、
記事になる時は、もっともっとよく吟味して、
文章も内容も整理し直してから、
内容に合った写真やグラフ、表などが付いて、
載せることになります。
ですからキーパータイムスの方もぜひ楽しみにしてください。

 

 

結局、グァムから帰る最後の日、朝早く起きて書き始めたのだが、
書き切れず、帰りの飛行機の中で書き終えた。
いつもの習慣なのか、飛行機とか新幹線に乗っている時が一番能率よく書ける。
しかし情けない習慣でもある。

 

前話に続いて、グァムの写真。

 

ジャングル

 

 

コブシぐらいもある特大のカタツムリが、2匹、カップルであろう。

 

 

部屋からホテルの結婚式用教会が見える。
何気なく見ていたら、
ちょうど花嫁とお父さんが腕を組んで入場する場面であった。
何年か前、私も同じような場面をやったのを思い出して、我を忘れて見入ってしまった。
娘と腕を組み入場し、
バージンロードを二人で進んで、
花婿に手渡すのだが、その時の私の心境は、
今だから言うが、
ほとんど“怒り”と“悲しみ”であった。
式が進むに連れて“あきらめ”に変わり、祝福の気持ちも少しは混じってきたが、
バージンロードを進むときの気持ちは、
娘を取られる気持ちだったのだろうか“怒り”と“悲しみ”であった。
そんなことを思い出しているうちに、にわかに空が暗くなって激しく雨が降ってきた。
遠くに見えるあの花嫁のお父さんの気持ちが、激しい突然の雨になったのだろうか。

 

 

グァムの雨はあっという間に通り過ぎる、
ものの10分もしないうちに太陽が出て、
しばらくすると、結婚式を挙げた新郎と新婦が出てきた。

 

 

ホテルの上の方から写真を撮りながら見ているこちらを見つけて、
笑顔を送ってくれた。
私の娘の結婚式の日、式が終わってからの娘の笑顔を見て、
怒りも、悲しみもなくなり、娘の幸せと、私自身の幸せを感じたことを思い出した。

 

 

緑とさんご礁の海

 

 

ミツバチが花の蜜を吸いに来ていた。

 

 

昨日の海、浅いリーフをシュノーケルでプカプカと浮きながら見ていたら、
突然、モンガラカワハギが私を襲ってきた。
あわてて見たら夫婦らしい二匹のモンガラカワハギ。
たぶん付近に巣があって、それを夫婦で守っていたのであろう。
珊瑚を噛み砕くくちばしを持つこの魚に襲われた跡を見たら、しっかりと丸くキズになっていた。

 

 

帰りの飛行機はサンセットの中である。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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