谷 好通コラム

2007年03月27日(火曜日)

1606.A2:B8:C2法則

A2:B8:C2の法則というものを聞いた事がある。
どんな組織でも、
どんな大きさの集団でも、
その組織を上昇させ、拡大させようと積極的に動く人、
つまり組織を前向きに引っ張っていく、「A」志を持った人が組織全体の2割いる。
その人達に引っ張られ、「B」一緒に前に進む人が全体の6割。
しかし、そんな事には興味がなく、2割+6割の人が前に進もうとしていても、
逆に「何でそんなことしなきゃいけないんだよ」と、
「C」みんなの足を引っ張る人が2割。

 

組織としては、全体を前に進ませたいので、
C足を引っ張るマイナスの人を排除しようとする。

 

2割?の人を排除すれば、
全体としては8割の人になってしまうから、新しい人を2割分採用して、
その中の2割、つまり0.2*0.2=0.04
C0.4割(4分)の人だけが、マイナスの要素であり、

 

0.2+0.2*0.2=0.24
A2.4割が前向きの志しの高い人。

 

0.6+0.2*0.6=0.72
B7.2割の人が、受動的であっても一緒に前に進む人。

 

こうして最初のA2:B8:C2から
A2.4:B7.2:C0.4の割合にして、前に進む力が大きな組織にしたいと思う。

 

ところが、こんなことをやっても、
この新しい割合が、すぐにまたA2:B8:C2の比率に戻ってしまうというのだ。

 

最初の2割のAやる気のある人たちの中で、
新しく入ってきたもっとやる気のある人に負けて、B受動的な6割の中に入ってしまい、
受動的であっても、ついて来た人の中に、
「仕事がきつくなって来た。私は今までのように普通に仕事をやっていたい。」と、
C足を引っ張る人の中に入ってしまったりして、
A2.4:B7.2:C0.4の比率にしたはずの組織が、
また元のA2:B8:C2の比率に戻ってしまう。

 

そんな法則の話だ。

 

 

なるほどとも思うが、
必ずしもそんな事はないのではないだろうかとも思う。

 

○なるほどと思う理由。

 

一時的であっても、A2.4:B7.2:C0.4の比率にすると、
足を引っ張る力?が弱くなるので、相対的に前に進む力?が強くなり
以前より組織は確実に前に進み、
仕事の質も高くなって、仕事量も増える。
ある人にとっては仕事がより面白くなるとも言えるが、
ある人にとっては仕事がきつくなる。

 

仕事がきつくなると、
積極性を維持できなくなってAからBへ降りていく人もいれば、
レベルが高くなって、量も増えた仕事について来られなくて、BからCへ転落する人も出る。
そんな事も考えられるわけで、
水が高いところから低い所へ流れるように、
自然にA2:B8:C2に落ち着くという事だろう。
そう考えると、この法則も理解できないでもない。

 

 

○そんな事はないと思う理由

 

A2:B8:C2の割合の法則はあるのかもしれない。
しかし、体に新陳代謝があるように、
人もそれぞれの理由で入れ変わっていく。
若くて体が小さい時は新陳代謝が激しいように、組織も人の入れ替わりが激しく、
組織はどんどん前に進む体質を持っているので、
前に進むAの出番が多く、評価もされる。
だから、Aの人間の割合が多くなってA2:B8:C2の割合は崩れる。
たとえばA6:B5:C1
「前のめり」の体勢だ。

 

しかし、成熟して体が老いてくると新陳代謝も鈍くなってくるように、
組織も硬直化して、前に進む必要がなくなってくると、
自らは前に進もうとしないBの人が多くなっても、それが自然になる。
Cの人すらも安住の地を見つけたように、居座るようになる。
前に進もうとする人Aにはこんな状態は病的であると感じ、問題提起するが、
安定を志向する圧倒的な数と、組織自体の安定志向に負けて、
その組織を去っていく、
するとA2:B8:C2は大きく崩れて、
A0.5:B9:C2.5のように、不活性な組織に変わっていく。

 

 

要は、組織がどちらの方向を望んでいるか、
前を向いて進んでいくのか、
居座って安定を望んでいくのか、
その方向次第で、A2:B8:C2の比率も、
自然に変化していくものなのではないだろうか。

 

要は、その組織全体が何を望んでいるか、
あるいはリーダーが何を望んでいるか、
それによって、組織を構成する人の傾向も変わっていくものだということだろう。
私達は、どちらに行こうとしているのだろうか。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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