谷 好通コラム

2007年02月05日(月曜日)

1567.思い続ける可能性

自分の意識がある人に向いていると、
何も話していないのにその相手に伝わることがある。
「想いは相手に伝わる。」ということか。

 

逆に、その人のことを忘れてしまっていると、
突然、その人の気持ちが自分から離れている事に気付かされる事もある。

 

“思う”という事が、
自分が想像するよりも大きな影響を色々な形で与える事に気付かされる時がある。

 

だから、何かをしたいと思った時、何かが欲しいと思った時、
あるいは、こうあって欲しいと思った時、ああであって欲しいと思った時、

 

色々な困難があって、
簡単には実現できないことが分かっても、
「出来っこない。」と、諦めてしまうことよりも、
「したいっ。」「欲しい。」と思い続けると、知らぬ間に実現に近づいていることがある。

 

出来っこないと思っても、
「こうありたい。」と思い続けることによって、
実現の道が不意に見えてくることがある。

 

「諦める」ことによって何か得することがあるわけでもない。
逆に、「思い続ける。」ということには、何のリスクもない。
では、「思い続ける」ことによって、実現の道が見えてくることもあるならば、
「思い続ける」ことで、実現の可能性があるのならば、
何があっても、平然と思い続ければいいのだと思う。

 

 

地球の温暖化は、実は、絶望的な問題である。
(そんな映画がもうすぐ出るらしい。)

 

太陽から地球に降り注ぐ熱エネルギーと、
地球内部から発せられる熱エネルギーの合計が、
大気を通じて宇宙に放出される熱エネルギーの合計とバランスが取れていれば、
地球は温度的に均衡が取れていて平和なのある。

 

ところが、
人間が、文明を維持するために、
地球が数億年かかって蓄積した石油などの化石燃料を、
その百万倍のスピードにあたる、たった数百年で燃やし尽くしていくことによって、
二酸化炭素など“温室”効果のあるガスを、
大気中に急激に増加させて、
宇宙へ熱エネルギーを放出するラジエターの役割をしている大気の、
熱エネルギー放出能力を著しく落とし、
宇宙へ放出する熱エネルギー(熱E)の量を減らしてしまっている。

 

その結果、今
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E > 宇宙への放出熱E」
の状態になっていて、
どんどん熱エネルギーが大気の中に溜ってきて、
過剰な分の熱エネルギーが、
大気の温度を徐々に上げている現象。

 

つまり、
すでに
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E = 宇宙への放出熱E」
の状態から、
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “>” 宇宙への放出熱E」
の状態に陥ってしまっているということであって、
たとえ、
今の瞬間に、
二酸化炭素などの保温効果ガスの放出をゼロにしても、
地球と大気の温度は上がり続ける。

 

どこまで上がるのか、
何十年後かには地球全体で5゜C上がる(色々な説がある)ことによって
文明が集中している海抜の低い地域の何十%が水没するとかは警告されるが、
では、百年後、二百年後は何度上がるのか、
五百年後には、何度まで上がるのかは、計り知れない。

 

温度が上がることによって絶対的な放出熱Eの量が増え、
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “=” 宇宙への放出熱E」の状態になるまで
とにかく上がり続けるのである。

 

ましてや、
地球の温暖化によって、
シベリアの凍土に閉じ込められているメタンガス(二酸化炭素の何百倍かの保温効果ガス)が
急激に大気に放出されているし、
生態系の急激な破壊によって、
二酸化炭素を吸収する樹木が急激に減るだろう。
あるいは人口の増加による居住地域の拡大の必要性によって、
樹木が大量かつ急激に破壊されている。
温室効果ガスを減らす要因が減少しているので、
温室効果ガスは、
排出の増加スピードよりも、もっと早いスピートで加速的に増加し続けているのだ。

 

つまり、
今の瞬間に、
二酸化炭素などの保温効果ガスの放出をゼロにしても、
ますます、
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “>” 宇宙への放出熱E」が進み、
地球と大気の温度は“加速度的”に上がり続ける。
それは絶望的な状況なのだ。
人類が滅亡する可能性は、無限大と言える。

 

私は現在54歳。
せいぜい生きても、あと二十五年。
二十五年位だったら、地球上の人間の文明はまだ今の姿をとどめているだろう。
ただ少々暑っ苦しくはなっているだろうが。

 

私の子供は多分、あと五十年以上は生きるだろう。
多分、かなり苦しくなっているだろう。
海際にある大きな都市は、今の姿ではいられないだろう。

 

私の孫は、多分現在の時点から七十五年は生きるだろう。
地球上の温度の上昇は加速し、
二十五年でその前五十年分の温度の上昇があるだろう。
その頃には、地球上の気象と生態系はズダスタになり、想像を絶する姿になっているだろう。

 

私がひょっとして“ひ孫”を見ることが出来たとしたら、
彼(彼女)は、雪を見ることは無いであろうし、鯨も野生のライオンも見ないだろう。
一体どんな地球を見るのか想像すら出来ない。

 

私はイイ。
あとたった二十五年しか生きないのだから。
しかし、子供はちょっとかわいそうなことになるだろう。
孫は、かなり悲惨なことを経験するだろうし、
ひ孫は、今とは全く違った地球と人類の姿を見る事になるだろう。

 

では、そのまた子は?そのまた孫は?

 

・・・・・
これは最悪のシナリオなのであろうか?

 

現在の大気温度上昇が、
二酸化炭素などの温室効果ガスが
産業革命時代の135%に達している現実による温暖化現象ではないという証明が、
まだ完全には出来ていないだけで、
それが事実であれば、
こんな最悪のシナリオが起きることであると言うことを無視していいのだろうか。

 

つまり、
「今の瞬間に、
二酸化炭素などの保温効果ガスの放出をゼロにしても、
ますます、
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “>” 宇宙への放出熱E」の傾きが進み、
地球と大気の温度は“加速度的”に上がり続け、
それは絶望的な状況の中で、
人類が滅亡する可能性は、無限大と言える。」
そんなシナリオを、
無視してはいけないと思う。

 

現在世界的に叫ばれている事、
二酸化炭素の排出を数パーセント減らそうという努力。

 

地球と自らの子孫を救う為にせねばならない段階が10段階あるとするならば、
二酸化炭素の放出量を減らす努力は、
最初の一つの段階でしかない。

 

どの段階かで、
二酸化炭素を大気中から回収し、
石灰岩などの形に固定する技術を造り出さなくてはならないし、
回収する量が、放出される二酸化炭素の量をどこで超さなくてはならない。

 

そして、大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスを急激に減らし始め、
一刻も早く
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “=” 宇宙への放出熱E」
の状態にまで戻し、

 

「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “<” 宇宙への放出熱E」
の状態を作り出して、地球を冷やし、

 

適度なところで、もう一度、
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “=” 宇宙への放出熱E」
にして、維持しなければならない。

 

ここまでやってすべての段階を終えたと言える。
ここまでやって、何十世代、何百世代もの先の人類までを救う事になる。

 

たった第一の段階で、モタモタしていて、
「太陽からの熱E+地球内部からの熱E “>” 宇宙への放出熱E」を、
放置していれば、
何十世代先の人類どころか、
私でいえば、自分の孫、
若い世代であれば、自分の子供の世代の人類ですら、
多分、大変な不幸を経験させる事になるだろうと思う。

 

 

自分の子供を愛していない親はいない、
自分の孫をかわいくないと思うおじいちゃん、おばあちゃんはいない。

 

自分の子供や孫を愛する思い。
自分の愛する人たちに対する思い。
その思いをいつも持ち続ければ、
人類が、かつて経験したことのない未曾有の危機を、
きっと脱することが出来ると信じたい。

 

そんなことを思っていたら、
あれだけ飛ばしていた高速道路で、アクセルを踏む力が抜けて、
なんと、燃費が30~40%も向上した。
第一歩なんて、
実は簡単なことのような気がする。
第一歩が踏み出せれば、第二歩目が見えてくる。
つまらないことかもしれないが、
ひょっとしたら、こんなことかもしれないと思ったりした。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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