谷 好通コラム

2006年12月25日(月曜日)

1539.週休4日やるか?

昨日のテレビで
「週に三日間しか働かない社長」とかいう題目で、
花屋のチェーン店?(正確にはどんなことをやっているのか聞きそびれてしまった)の
経営者の仕事振りとその生き様を放映していた。

 

「人と商品で言えば、人が先に来る。人づくりが第一だ。」と、
朝、出社したらすぐに
事務所内のスタッフそれぞれが育てている植物の手入れから始まり、
ミーティングでは、スタッフと社長が対等に活発な議論をしていた。
週四日の休日は、
仲間たちとトライアスロンの練習をしたり、
(しかも本格的に)
自宅にある訓練用の流れるプールで、自分の肉体を鍛えたり、
芸術家を訪ねたり、
優雅に、しかもメチャクチャカッコよく、
充実した休日を過ごす。
家族との時間も十分に取り、
一流のプロカメラマンに家族の写真を撮ってもらって、
それを毎年の凝った年賀状に使い、
心を込めたメッセージと共に、たくさんの人に送る。

 

身長は185cmはあるだろうか。
鍛えた体はあくまでもしなやかでスマートだ。
若い頃の写真はまるで二枚目スターのようにハンサムで、
私ですらカッコイイと思う。
今では少々髪が薄くなっているが、それはそれでいい味を出している。
着ている服も決してケバクなくてセンスがいい。(高そうではある。)

 

週に三日しか会社で働かないのに、
活き活きとしたスタッフによって業績はうなぎ登り、
休日である四日間も、自分厳しく鍛え、家族を大切にし、芸術にいそしみ、
たくさんの友人たちはすごい人ばかりで、
まさしく知的で、素晴らしい成功者である。
外観だけでなく中身も、そしてやっている事もカッコ良さの塊のような男であった。
(名前は憶えていない)

 

そんなテレビ番組を、
私といえば、
日曜日というのに、
たまった原稿を書くために一日中事務所にこもった挙句に
クタクタになって家に帰り、
ダイエットビールをキャベツをツマミに飲みながら、
コタツに入ったり、寝ころがったりして、
出っぱった腹に与太ったパジャマを着て、だらしなく見ていた。

 

「俺も、一週間に四日休んでみようかな。ありゃ、いいな。」と
つぶやいて見たものの
テレビの中のあまりにもカッコイイ男と、
我が姿を見比べ、
「俺には、やっぱり猫犬、ニャーワンな。」と、
古びたおやじギャグを一人つぶやく。

 

「現場にすべてがある。もっともっと外に出なければ。」と言って、
詰め込みすぎた過密スケジュールにボロボロになり、
いっぱいの原稿や仕事を抱え込んで、
新幹線で書いたり、ホテルの中で夜遅くまでPCにかじりつく。
ならば、夜飲むのをやめて置けば良さそうなものだが、
そこは根っからの酒好きでどうしてもやめられない。
慢性的な寝不足は、天性の寝つきの良さと睡眠の深さでカバーする。

 

「家族と一緒にいる時間を、これからは大切にする。」などと
宣言はしたものの、
ウィークディにこなせなかった仕事が、
土曜日はもちろん、日曜日まで持ち越して、
家にいてもボォッとしていられるのはほんの数十分。
ジッとしているのがイライラしてきて
ちょっとだけといいながらPCを開け、それっきりかじりついたままなので、
家族との対話なんて有って無いようなもの。
カッコ悪いったらありゃしない。

 

テレビ画面の中のカッコイイ男に嫉妬を感じたりする。

 

でも考えてみれば、
彼は自分の感性を頼りにしている仕事であって、
自分自身を磨くことが仕事の一部なのであろう。
人に夢を与える仕事をしている男が、クタクタでボロボロでは絵にならない。
あくまでもカッコよく、人もうらやむほどスマートでなければならない。
あれはあれで、大変なのかもしれない。

 

その点、私は仕事をやらせている時が、実は一番幸せであって、
仕事を夢中でやることによって何かが実現していく充足感は、
何物にも変え難い満足がある。
週休4日どころか、
2週間や3週間ぶっ通しで働いたって屁でもないのだ。

 

そんな生活がむしろ幸せなくらいで、
ストレスと疲れがたまってくれば、
たまにサーキットでも行き、
仕事のことをすっかり忘れて走る。
アドレナリンを噴出させ、前を走る車に襲いかかる。
そんな激しい落差が、自分なりの生き様ならば、
それはそれで、十分に満足なのだ。

 

ほったらかしになることが多い家族とも、
心はきちんと通じているつもりだし、
一緒に遊ぶことだけが家族を大切にすることとは限らない。

 

たくさん遊んで、自分を鍛えて、それを自分の仕事の素にする在り方も、
むちゃくちゃカッコイイけど、
嬉々として仕事に没頭する在り方も、
あまりカッコは良くないが、同じように、精一杯生きているということではないのかな。

 

日曜日の私の一人だけの仕事場

 

 

これは何か?秘密である。

 

 

夕方、大阪に行って、また仕事のことをいっぱい話して、
私は幸せである。

 

 

しかし、週休4日か・・・・

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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