谷 好通コラム

2006年12月07日(木曜日)

1527.現代おとぎばなし

「おとぎばなし」と言っても
昔々の話ではない。
私はこの結末をつい昨日見たばかりなのだ・・・。

 

 

「ヨシタとミシトの恋」

 

あるところに、トミーオという国があって、
油の仕事を主な産業としている。
その国にはヨシタという王子様がいた。
ヨシタは身長185cmの長身だが、頭の周りが62~3cmと大きく、
決して今風のハンサムというわけではない。
しかし私は彼のことをよく知っているわけではないが、
絶対にウソを言わない人間で、間違ったことが大嫌いな男であることは間違いない。
三十歳半ば、
グルメであり、ちょっと太り気味である。

 

この国の王様トミーオは大変に厳しい人で、
ヨシタが小さい時から、帝王学と共に
国の産業である油の仕事をみんなと一緒にさせていた。
だからヨシタは仕事をするのが当たり前であり、
身を粉にして働くことが大好きであった。

 

国の中のある町で、
ヨシタ王子は、働き者の一人の若い娘をみそめた。
その若い娘は、よその国から来たばかりで、この国の油の仕事は初めて、
それも、その町は伝統的な油の仕事の形式ではなく
セルフに変形した仕事であったので、
本来の油の仕事の形は知らなかった。
娘の名前はミシトという。

 

ヨシタ王子は、ミシトをみそめてからその街に足しげく通うになり、
その町で一緒に仕事をしながら一言二言交わすのがこの上なく楽しかった。
ミシトもまんざらではない様子。

 

ある日、意を決してミシトに告白した。
「ミシト、僕と付き合って欲しい。君が好きだ。」
どちらかといえば背は小さい方で、
ヨシタと同じようにちょっとだけ太目で、ポチャッとして可愛いミシトは、
「私でいいの?」と、事実上のOK。
ミシトは、王子様としてのヨシタではなく、
正直で間違った事が嫌いなやさしいヨシタが大好きだったのである。

 

それからヨシタとミシトの控えめで暖かいお付き合いが始まった。

 

その頃、ヨシタは、
油の仕事とは正反対の水の仕事について興味を持っていた。
水の仕事は、
油の仕事の中でも行なわれていたが、
油の中の仕事の一部としてそれは中途半端な形で行なわれていただけであり、
それに疑問を持ったヨシタは、
水の仕事は水の仕事として本格的なやりたいと考え、
すでに水の仕事を専門的に行っていたイタックという国に行き、
水の仕事を学んだ。
その時に会ったニタという国王はヨシタよりもずっと太っていて、
はっきり言ってデブなオッサンであった。
しかし水の仕事については人一倍熱心だ。

 

ヨシタ王子はすっかり水の仕事が好きになって、
先祖伝来の油の仕事を続けつつ、
水の仕事を専門に行なう「水の仕事屋カイセ」をトミオの国の中にも作りたいと思った。

 

それをトミーオ国王に言うと、
「この国の伝統の仕事である油の仕事が不満なのか。
水の仕事なんて、油の仕事の一部であって、
水の仕事で成り立つ町や国なんかあるわけがない。だめだ。」と叱られた。

 

ヨシタ王子も負けてはいない。
「じゃあ私は、トミーオ国とは別の国を作って、そこで水の仕事をします。
誰にも迷惑はおかけしません。
もちろん、トミーオ国での油の仕事も決しておろそかにはしません。
水の仕事は、一度本格的にやってみる価値があると、どうしても思えるのです。
どうか、もう一つの国を作って「水の仕事屋カイセ」の町を開くことをお許し下さい。」

 

トミーオ国王は思った。
『ホウ、我が息子、そこまで言うようになったか。』
「よしっ分かった。お前がそこまで言うなら許そう。
ただし、水の仕事屋カイセが失敗して、その町が破綻したら、
その町も国もそのままおしまいだ。トミーオ国からの支援はないものと思え。」

 

ヨシタ王子は感謝を込めて
「分かりました、必ず成功させます。ありがとうございました。」

 

すぐにヨシタ王子は、愛するミシトに相談した。
「ミシト、トミーオ国王からお許しが出た。
新しい国と町を作って“水の仕事屋カイセ”をやるぞ。
そこでミシトに頼みがある。
ワイズミのカイセの責任者をやってくれ。

 

私はトミーオ国の跡継ぎだ。トミーオ国の仕事もやらないわけにはいけない。
働き者のミシトを見込んで頼む。
私と二人で“水の仕事屋カイセ”をワイズミの町でやろう。」

 

ミシトが、愛するヨシタの願いを断るはずもない。
ヨシタはすぐに新しい国を作り、「アイジピ」と名づけた。
(その名前の意味を私は知らない。)

 

働き者のミシトは、
すぐに“水の仕事屋カイセ”の本部があるアイタクの国に行き、
水の仕事の本格的な訓練を受ける事になった。
アイタクの王ニタは思った、
「え~っ、この若い可愛いおねーちゃんがカイセの仕事の町長をやるの?
大丈夫かね~。すぐに泣き出したりしちゃうんじゃない?」
ニタはミシトがヨシタの恋人であり、
並々ならぬ決心で来ていることを知らなかった。

 

ニタの心配をよそにミシトは、
厳しい水の仕事の訓練を快調にこなしていった。
特に、魔法の水の仕事であるキープレは得意中の得意で、
インストラクターよりもうまいくらいであった。

 

一ヶ月、二ヶ月経って、
いよいよ“水の仕事屋カイセ”ワイズミ町のオープンである。

 

その前にヨシタとミシトは、
この町を作るに当たって少しだけ意見が食い違っていた。
ヨシタは、元々油の仕事をやっていて閉町したこのワイズミ町には、
油の仕事の設備が残っているのだし、
水の仕事がひょっとしてうまく行かなかった場合,
油の仕事の売り上げがあれば安全だと考え、
油の仕事を一部残すことを決めていたのだ。

 

最愛のミシトをも巻き込んでの今度の仕事。
絶対に失敗するわけには行かないと思ったのであろう。

 

対して、ミシトは
どうせ水の仕事屋カイセをやるんだったら徹底した方がいいと思って、
油の仕事をなくしてしまう意見を言ったが、
自分を思ってのヨシタの考えを受け入れる事にした。

 

2年半前の夏、水の仕事屋カイセ・ワイズミ町がオープンした。
しかしオープン当初は、なかなかお客様が来ずにみんな悩んだ。
それでもみんなの士気は高い。

 

 

その後、徐々にお客様は増え続けたが、
それでもイマイチ客数が足りない。
責任者のミシトにはストレスが溜ったようだ。
働き者にとってヒマは最もストレスに感じるものだ。

 

ミシトは食べた。
大好物である鳥の唐揚げをパクパクと食べたらしく、
ミシトはかなりストレス太りをしてしまったのだ。

 

ヨシタは決心した。
「この町では油の仕事はやめて、水の仕事だけにしよう。」
油の仕事を取り去ると、消防法という規制から大きく自由になる。
すでに国家の予算をかなり使っており、あまり大きな投資が出来ないが、
費用対効果を考え、店の一番大切な所にドンとテントを張って、
いかにも水の仕事をしている感じが出た。

 

 

驚くべき事に、この改装のあと、
「最近、この店出来たんですか?」とか、「こんな店があったいいナと思ってた。」とか、
初めて、この店のことを気が付いた人がいっぱいいたのだ。
油の仕事の道具がなくなって、
その代わりに水の仕事のための日陰を作るテントが出来ただけで、
この町が水の仕事の専門店である事にたくさんの人が気がついてくれたのだ。

 

売り上げもそれに応じて着実に上がって来た。
ミシトもヨシタも活き活きとして働いた。
お客様の評判もすこぶる良い。

 

平月でも楽々200万円を越すようになって、
今年の12月は「450万円は行くんじゃないですか」と豪語するまでになっている。

 

ヨシタがミシトと一緒に信念を持って始めた“水の仕事屋カイセ”は成功したのである。

 

 

そんな頃、ミシトはこの町の責任者を他のスタッフに譲った。
そろそろヨシタの花嫁になる準備をしなければならない。

 

カイセが忙しくなるにつれて、
ミシトのストレスもすっかり解消されて、
たくさんの水の仕事をするようになったこともあり
ピークに比べればスマートになってきていた。
でも、ミシトはふと思う。
「ヨシタのお嫁さんになるのに、
このままではいけないな。
王子のヨシタにふさわしい私にならなくては。」と、

 

ミシトはダイエットの魔法を使う事にした。
道具は「モズクの酢の物」。
食事前に脂肪を吸収しにくくなる酢の物を食べ、
食管にお腹がすいたときも「モズクの酢の物」を食べた。
大好きな唐揚げも、「三つのうち一つだけ」を食べるようにした。
油ものがダイエットには敵なのだが、ゼロでは体が悪くなってしまうそうなのだ。

 

そうして、ミシトはヨシタのために魔法を使って、
変身をしたのだった。

 

 

同じ人だと思えますか?
でも、私は前のポッチャリのミシトも可愛くてすごく素敵だと思う。
どっちがキレイか好きか?両方とも素敵で大好きだ。

 

私も久しぶりにお会いして、その変身振りにびっくり仰天。
ミシトは、一軒の水の仕事屋を立ち上げた強い意思を持っているだけに、
ダイエットも見事に強い意思を持って、成功させたのでした。

 

「キャベツダイエット」を始めたのに、
「俺はやっぱりイモ虫にはなれんなあ~」などとうそぶいて、
すでに挫折の局面を迎えている私なんかとはえらい違いである。

 

ミシトは、いずれは国王となるヨシタの素晴らしいお嫁さんになって、
国民みんなに愛され、みんなを幸せにして、
そして二人も大きな幸せをつかむはずです。

 

御結婚おめでとうございます。

 

笑いの止まらないヨシタこと富尾佳孝(よしたか)氏と、ミシトこと藤井寿美(としみ)さん
昨日、大阪のホテルにて。

 

 

※この話は、事実には基づいていません。
すべて私の勝手な想像によるただの“おとぎばなし”です。

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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