谷 好通コラム

2006年11月09日(木曜日)

1508.自分は幸せである

知能のある動物に何かを教えるには、
「誉める」と「叱る」という二つの手段を使う。

 

教える側(人)にとって“良い事”を、教えられる側(たとえば犬など)がやったら、
人は誉めて、犬に愛情を示し可愛がる。
人がその犬を愛している場合、それが出来る。
犬も、愛されているのだから間違いなくその人を好きである。
逆に、人にとって“悪い事”を、犬がやったら、
人は叱って、犬を目で責める。
愛しているからこそ、心を込めて叱る。

 

犬はその人が好きなので、
誉めてもらい可愛がって欲しいために、
自分から“良い事”をしようとする。
叱って、責められるのはイヤなので“悪い事”はしない。

 

これは人が犬を愛し、犬が人を好きな場合に成立する。
犬は誉められたいがために、
可愛がられたいがために、
自分から良い事をしようとするので、最も効率的な学習になり、
そしていつも、
犬は進んで人が喜ぶ良い事をいっぱいしてくれる。

 

またこの方法は、最も知能が発達した人間にも通用する。
愛の教育である。

 

もう一つの教え方は、
「罰」を与える方法。
人にとって悪い事を、犬がやったら、
人は怒って、犬を叩くなど痛い目に会わせて、罰を与える。
愛していないからその犬を痛めつけることが出来る。
恐怖の擦り込みである。

 

この場合の“悪い事”とは、人にとっての都合が悪い事であり、
その犬にとっては、むしろやりたい行為として潜在的に残る。

 

痛さの恐怖によって、悪い事をやめさせようとする訳だが、
悪いことをしない動機が、
その人に対する恐怖にあるため、
その人を好きではないし、自分を痛めつけるその人を憎んでいる事の方が多い。
だから、
その人が怖くなくなった時、
あるいはいない時、
その悪い事を堰を切ったようにするかもしれない。
あるいは、その人に対して逆襲することすらあるかもしれない。

 

人の世界において
恐怖政治を行なっている独裁者が、
自分の体制が壊れることを極端に恐れるのは、
民衆が自分に服従しているのは恐怖のためであり、
自分が民衆から愛されていず、極端に憎まれていることをよく知っていて、
体制が壊れることイコール自分が殺されるということをよく知っているからである。
独裁者は、自分が民衆に対して与えている恐怖以上に、
民衆に対して恐怖を持っているものだそうだ。

 

人は恐怖を持った時、
どんな残酷なことも出来る。
相手が不幸になることにむしろ安心するからだ。

 

恐怖と、恫喝と、密告と、拷問、憎しみの世界は、
まさにこの世の地獄と言える。

 

恐怖に支えられている世界に対しする愛の施策は全く通用しない。
そこに愛が無いのだから、愛を全く理解出来ないからだ。
不本意にも、愛の世界からこの世の地獄に連れ去られた人たちは、
想像を絶する不運というしか言いようが無い。

 

それに比べて、私はなんと幸せなんだろう。
今の自分のいる世界で、
今たくさんの善意の人の輪の中にいる自分の幸運を噛み締める。

 

KeePrePROSHOPのパイロットショップ研修会で、
自分の幸せを噛み締める。

 

 

奥の女性M.Gさん。この人はすごいのです。
キーパーを掛けるのがすごくうまいだけでなく、その姿が芸術的に美しいのです。
こんな人はじめて見た。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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