朝早く起きた。
午前中に横浜営業所の予定物件を見に行くことになっているのだった。

 

今年の五月から六月にかけて全国にトレーニングセンターを作った。
札幌、仙台、東京(既存)、大阪、広島、福岡。
七月には本社を兼ねた中央トレーニングセンター。
そして10月、
新設の横浜営業所の拠点となる横浜トレーニングセンターが最後に出来上がり、
全国のトレセン網8箇所が完成することになる。

 

KeePreプロショップのパイロットショップ数十店が
10月には全国で立ち上がり、
2007年にかけて本格的なKeePreプロショップの展開が始まる。
今回の全国トレセン網は、
このKeePreプロショップの研修を集中的に実施するために
完成されたと言っても過言ではない。
小企業である我が社にとっては、
とんでもなく大きな先行投資であったことは違いない。
出来ればこんな事は、しばらく無いことを祈るばかりだ。

 

最後に作られる横浜トレーニングセンターの責任者は藤村弘樹。
25歳の若者である。
彼は7年前、入社してすぐ当時唯一の快洗隊であった快洗隊・刈谷店に入り、
現刈谷店統括マネージャーの半田修平と共に、
快洗隊の原点を作って来た一人だ。
のちにアイ・タック技研販売1課の営業として勤務し、
四年前、新しく作られた快洗隊3号店「安城店」のマネージャーとして再び快洗隊に戻った。
その年の12月、
2号店「知立店」のマネージャーであった半田修平と、
激しくその実績を争ったことは、当時を知っている者には記憶に新しい。

 

一年間安城店のマネージャーを務めたあと、
東京営業所のインストラクターとして東京に移り、
現在は横浜地区の責任者として活躍している。

 

「東京に来て、最初の一年間は、本当に名古屋に戻りたかった。」
という彼も、
新設となる「横浜営業所」兼「横浜トレーニングセンター」の責任者として、
地元の地理にも詳しくなって、しっかりと地元の住人となっている

 

物件としては合格であった。
ただ、土間に大きな亀裂が一面に入っていて、
土間の張り直しを向こう方の負担で施すことを要望する。
約束の時間に1時間も遅れてきた業者の担当者は、
相談をすると言っていたが、これは絶対に譲れない線だ。

 

借り物件については、しっかりとこちらの要望を相手に伝え実現してもらう事が、
今後の良好な関係を続けていく必須の条件となる。

 

そういえば一体いくつの物件を借りているのだろう。
快洗隊として、
刈谷、知立、安城、岡崎、北神戸、鳴海、大須、相模原、甚目寺、福山新涯、
営業所として、
札幌、仙台、東京、横浜、大阪、広島、福岡。
その他これらに付随して駐車場が多数。
全部で17件の毎月の地代、家賃は、
いつの間にか信じられないほどの大きな金額になっている。

 

これらの土地に建てられた自前の店舗やトレセンの建築費はすでに数億円に達し、
今年7月に完成した中央トレセン、倉庫、事務所が加わって、
思い出したくもないほどの投資になっており、
その減価償却たるや、驚くべき数字となって決算書に鎮座することとなっている。

 

とんでもない重い荷物を背負ってしまったものだ。
そこに新たに「横浜トレセン」が加わるのだから、少なからず思い気持ちにもなる。

 

新しい横浜トレセンの現在の姿。
外から。

 

 

中から。

 

 

このひび割れは絶対に許されない。必ず直してもらうのだ。

 

 

このあと、渋滞の中を新横浜まで戻り、
東京駅で大切な用件で仕事をする。

 

そして午後3時過ぎ、今度は仙台に向かう。
明日、仙台SUGOサーキットでレースの練習をするのだ。
ほぼ二ヶ月ぶりの“元気の素”であるレースの練習をするのである。
わくわくなのだ。
東北新幹線の窓の外はすでに稲穂が黄色くなっていた。

 

 

朝、名古屋を出て来る時、
名古屋駅は観光の団体さんでごった返していた。
こんな時、「あぁ今日は土曜日だったんだ。」と思い出す。

 

 

富士山が少しだけ見えた。
今日は、そのせいか良いことがいっぱいあった。
富士山は、やっぱり私の大吉なのである。