谷 好通コラム

2006年07月09日(日曜日)

1432.PC呪縛から脱出

朝、起きるとまずパソコンの電源を入れる。
朝食が出るまでの時間にメールチェックして、
すぐ返信を送らなくてはならないメールには、とりあえずの返答を送って、
次にホームページを開いて
BBSの中に誹謗中傷や特定の個人・店舗への攻撃を目的とした悪質な投稿がないかをチェックする。
朝、出社前はそれだけ。

 

それから出社して、まず、机の上にパソコンを出し開く。
急ぎの仕事がなければ来ているメールに返信を出し、
それからやるべき仕事にかかることが通常だ。

 

スタッフとのミーティングであったり、打合せであったり、手配であったり、
来客の応対であったり、調べごとであったり、原稿書きであったり、
かかってきた電話の応対であったり、
考えごとをしたり、地域の誰かに様子を聞いたり、指示を出したり、
どこかに出かけて、
営業活動を助けたり、挨拶をしたり、相談をしたり、
あるいは勉強会に出たり、講演を聞いたりすることもある。

 

仕事は多様である。
スケジュールにしたがって、仕事をこなしていく。
途中で新しいことを考えついたりすれば、
予定を変えて、急遽その事に取り掛かることもある。

 

仕事の内容と行動は実に多種多様である。

 

ところが、朝パソコンを開いたら、
そのままパソコンの虜になったように、
ずうっとパソコンをさわりっ放しになる時がある。
パソコンで何かを作るのが仕事であるスタッフもいるが、
彼らにとっては、パソコンを駆使して何かを作ることが仕事の目的であって、
しかし、パソコンを使って資料を作ったり、調べものをする者にとっては、
その資料を作ったり、調べることは手段であって、目的ではない。
目的は別なところに有るはずだ。
ところが、パソコンを操作しているとあっという間に時間が早く経ってしまうので、
一日が資料を作ることで終わってしまい、
調べること自体が、資料を作ること自体が、目的のようになってしまうことがある。
誠に、ディスプレーの中への呪縛にとりつかけられてしまったのだ。

 

物事をなすこと、仕事をすることが、仕事ならば、
スタッフとのミーティング、
打合せをし、
手配し、
来客の応対し、調べごとをし、原稿を書き、
かかってきた電話に応対し、
交渉をし、手続きをし、約束をし、
考え、地域の誰かに様子を聞き、検討し、指示を出し、指示を受け、議論をする。
どこかに出かけて、
営業活動を助け、挨拶をし、相談をし、
多くの部署の者とコミュニケーションをとり、
仕事が自分の部署に留まることなく、仕事の効果がすべての部署に行き渡る。

 

仕事とは、多くの人々との色々な形でのコミュニケーションを通じて成されるものである。
これらのすべてをパソコンを通じて達成することは不可能であり、
ディスプレーの中に埋没することによって、
せねばならない事が放ったらかしになる場合の方が多い。
パソコンに向かってキーボードを叩いていると、実に充実感があるのだ。
パソコン上で一元的に仕事をしようとすれば、
膨大な時間を浪費し、多くの場合不確実性を伴う。

 

何より時間の無駄がはなはだしい。

 

話せば5分で済むものが、
文章にしてメールで送ると30分かかることもある。

 

パソコンという道具で成せる仕事とは、
するべき仕事の多くの要素の中のほんの一部であり、
パソコンは、仕事の中の一部の要素を効率よくこなす非常に便利な道具ではあるが、
決して万能なものではない。

 

パソコンは、今までのビジネスのスピードを何倍かにした素晴らしい道具だ。
正に人と人とのコミュニケーションの革命であって、
今や、パソコン無しでのビジネスはありえない。

 

パソコンを駆使する能力は、ビジネスマンとして必須であるし、
一定の能力に留まっていることを良しとする者は、
時代に置いていかれる事も必須である。

 

パソコンは使えなくてはならないし、使わなくてはならない。
これは動かしがたい事実である。

 

しかし、しかし、
やはりパソコンは万能ではない。
コミュニケーションは文書だけでなく、言葉であり、表情であり、気持ちである。
言葉に間髪の入れない反応をし合う“議論”は、言葉でしかほぼあり得ない。

 

スタッフとのミーティング、
打合せをし、
手配し、
来客の応対し、調べごとをし、原稿を書き、
かかってきた電話に応対し、
交渉をし、手続きをし、約束をし、
考え、地域の誰かに様子を聞き、検討し、指示を出し、指示を受け、議論をする。
どこかに出かけて、
営業活動を助け、挨拶をし、相談をし、
多くの部署の者とコミュニケーションをとり、
仕事が自分の部署に留まることなく、仕事の効果がすべての部署に行き渡る。

 

仕事の上でのたくさんの手段は、
パソコンの中だけでは絶対に作り得ない。

 

パソコンの呪縛にとりつかれることなく、
自分を自由にするため、自省の証として、
メールチェックと、返信は出社前に済ませることとし、
そして、午前中は自分のパソコンを開かないことを、努力しようと思う。
もちろん、せねばならない仕事に支障がないようにだが。

 

パソコンをたくさん使うようになってから、
コミュニケーションの相手が限定されるようになった。
明日からまた、たくさんの人に電話をかけまくろう。

 

たくさんの人にいっぺんに同じことを伝えたい時、メールは非常に便利だ。
これから毎日みんなに何かを書こう。

 

今日は、いろいろあって、元気づけられた一日であった。

 

暗いディスプレーの中から脱出しよう。
あのサンタモニカの明るさを、自分の気持ちの中に持とう。
さんさんたる太陽が似合う明るさを自分の中に持とう。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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