谷 好通コラム

2006年05月10日(水曜日)

1393.誰も使わない歩道

地方が国からの補助金を使って道路を造る場合、
国が決めている規格に沿った道路を造る事になっているそうだ。
その国が決めた規格は、
その道路の周りの状況など関係無しに決められたもので、
ばかな役人が作った硬直した規格である。

 

石垣島で見た道路。
国の規格では「歩道」がなければならないそうだ。

 

石垣島の北部にはほとんど人が住んでいない。
車が唯一の交通手段で、
島中部から北部にかけての往復約40km、
歩道には“一人”も人が歩いていなかった。

 

それでも、国に補助をもらった道路であるならば規格どおりの歩道を作るようだ。

 

 

歩道が突如忽然と無くなっている。
歩道のないところからは国の補助で作った道路ではないという意味だろうか。

 

 

ここは立派な歩道が両側についている。何故だろう?

 

 

反対にここはメンテナンス(草刈り)が何年かされなかったのか、
旺盛な石垣島の草が歩道を埋め尽くしている。(ちゃんと草の中には歩道があった)

 

 

それでもまだ造り続ける。

 

 

出来たばかりの歩道付き道路。
規格が変わったのか、
歩道には、何のためか分からない街路樹の代わりに、
何のためにあるのか分からない“柵”が付くようになったようだ。

 

 

ただ今、国と地方の借金は1000兆円に届かんばかりの勢いであるという。
これは、国民一人一人がそれぞれ800万円の借金をして、
道路とか、公民館とかを造ってもらって、
国家からのサービスを受けてきた事になる。

 

一人800万円である。
四人家族であるならば3,200万円の借金である。
これは国の借金という漠然とした形のないものではなく、
明確に国民一人一人の借金なのだ。
なぜならばその借金は、
国民一人一人が税金という形で返さなくてはならない借金だからだ。

 

誰も通らない歩道のような
誰のためにもならない物のために
私達はいつの間にか一人800万円もの借金をしてしまったようだ。

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