谷 好通コラム

2006年03月27日(月曜日)

1371.三度もの後悔の朝

昨日のうちに浦和まで来て、お世話になった人と食事をした。
そのまま浦和のホテルに泊まって、
今朝東京駅に出てきたのだが、大変だった。

 

今月の初めに痛めた左膝が治らない。
左膝をかばって右手ばかりで荷物を持ったりして右ひじが痛くなったり、
背中が痛くなったりして、これはこれで大変であったが、
徐々に左膝自体は治ってきていたが、
ところが、ゆっくりしたはずの土曜日の夜、なぜかまた痛くなって、
明らかに膝の関節にたまった水の量も増えてきているような気がする。

 

やっぱり病院に行かねばいけないのであろうか、
憂鬱である。
「膝の水を抜くのは死ぬほど痛いですよ。」と池本部長達から散々脅されている。
憂鬱である。

 

浦和の駅は、ホームに行くのに上りと下りの階段を登って降りなければならない。
昨日、浦和にやって来た時に分かったのだが、
あんなにたくさんの乗降客のある駅なのに、
なぜかホームの端にエレベーターが一つあるだけで、
私が降りた反対側のホームの端からはかなり遠かったので、
しょうがなく、ホームから線路をくぐる通路に階段で降りて、駅側に階段を上る。
膝が痛い時には、階段を上るより、下る方が膝に応える。

 

だから、今朝はホテルから浦和駅に行かず、
もう一駅東京寄りの「南浦和」まで行って京浜東北線に乗る事にした。
タクシー代も300円余分にかかっただけ。
南浦和の駅のほうが浦和の駅よりも新しそうだったので、
エスカレーターがあると思ったのだ。

 

案の定、改札が2階にある南浦和は、
入り口から改札までの昇りのエスカレーターがあった。
しめしめ、これで階段を避けることが出来たと思ったら、
改札からホームまでが、
どのホームに降りるのも全部階段しかなかった。
ガッカリである。
下りの階段は上りよりきつい。
「300円損したなぁ~」とブツブツ言いながらホームに降りて、もっとガッカリした。
ホームには電車を待つ乗客がいっぱい並んでいて、
この調子では、とても電車の椅子に座れることはないだろう。
各駅停車の電車で立っていることは、今の私にはとても辛いことなのだ。

 

やがてホームに列車が到着した。
すると、列車から降りる人が多く、ほとんど空っぽになった列車に、
ホームに並んでいた待ち客がどっとなだれ込む。
後ろに並んでいた私は当然座れない。

 

「あ~失敗した。」
「浦和」から乗っていれば、南浦和でどっと降りた客の後の椅子に座れたのに、
「南浦和」まで来てしまったばかりに、大勢の人と一緒に立っていなければならない。
左右前後に揺れる電車はつり革につかまっていても、
立っているのが大変ツライ。
電車が時たまへんな揺れ方をすると、
ひざの関節にへんな力がかかって、ギリギリっと痛む。
思わず、「ウググッ」とうめくと、
隣の若いアンちゃんが、「なんや、このオッサン」というような視線を送ってくる。

 

「あ~失敗した。」
何かから逃れようとしたら、かえってハマっていってしまう最悪のパターンである。

 

「浦和」から乗れば良かった。
あるいは、
ガラガラの下り電車で「大宮」まで出て、新幹線で東京駅まで行っても良かった。
“ああすれば良かった、こうすれば良かった”と後悔の念がよぎる。

 

「南浦和」から「蕨」、「西川口」、「川口」、・・・・、駅に止まるたびに
ギリギリと膝の関節が鳴る。

 

いくつかの駅を通って、やがて「田端」に着いた。
田端からは山手線と並行して走る事になり、
ホームの向こう側に止まった山手線の電車はガラガラである。
助かった。
すぐに田端で降りて、山手線に乗り換え、椅子に座った。
思わず「ほ~~~~っ」とため息が出る。

 

田端から東京駅までは、椅子に座って楽ちんだったが
東京駅にはずいぶん早く着いてしまった。
さぁこれからどうしよう。

 

専務との東京駅での待ち合わせ時間は決まっていたのだから、
ちゃんと電車の時間を調べて、
ホテルのフロントの人に訳を話して、どうすれば座って東京まで行けるか、
きちんと下調べをしておけば良かった。

 

南浦和の下りの階段で後悔して、
京浜東北線で座れないので後悔して、
早く着き過ぎた東京駅で後悔した。
朝からもう三度も後悔してしまったわけだ。
「俺は何をやっても絶対に後悔などしない。何事も全力で当たれば後悔など残らない。」
などと普段、豪語しているくせに、
ちょっとだけ楽をしようと小細工をしたら、朝から三回も後悔してしまった。
ああ、なんとも情けない話である。

 

でも、仕事はうまくいった。(と思う)

 

昨日の新幹線の中から富士山が見えたのだ。
全体が春霞にけむっていたが、それでも肉眼でははっきりと頂上まで見えた。
(※写真でも30秒くらいじっと見ていると、頂上が見えてきますよ。)

 

 

浦和のホテルから。
目立った高層ビルは少ないが、人が住む建物が見渡す限り広がっていて、
マーケットの大きさを感じさせるのです。

 

 

東京の浜松町のあたりをタクシーで走っていたら、
徳川家の増上寺の桜がほぼ満開であった。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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