谷 好通コラム

2006年01月24日(火曜日)

1332.1.4倍と1.7倍の間

私の今の姿を写真に撮れないのが残念だ。

 

ディモインで仕事をした後、また飛行葉に乗っているのだが、
デンバーを経由して、ロスアンジェルスに向かう飛行機の中。

 

私の両隣に座っている男たちがすごい。
右隣の白人の男は私の1.4倍はあり、
左隣のあごひげを蓄えた白人の男は私の1.7倍はある。
二人とも毛むくじゃらで半袖だ。
オーバーに言っているのではない。
本当に私は巨肉体の狭間の中状態なのだ。

 

アメリカのボーイング737-500の座席は、
日本に比べれば前後の余裕は少しあるのだが
左右の幅は同じようなもので、
私の席は「19E」、
「D」と「F」に挟まれた席で、
その1.4倍と1.7倍の巨体に挟まれて、
92kgの小さな私は思いっきり小さくなっている。
笑い事ではなく、今の私は苦痛のカタマリであり、
無理やりにパソコンでも打っていなければ苦しくてたまらないのだ。

 

ディモインとロスアンジェルスは、
デンバーを経由して飛行機で行く。
ディモイン⇔デンバーは約1時間半、あまり乗客がいないので小さなジェットが多く、
横4席なので真ん中の席が無い。

 

デンバー⇔ロスアンジェルスは約2時間半、737クラスの飛行機で片側3列だ。
真ん中の席が1/3ある。

 

米国の国内便をなんとも使ったが、
B767とかA300の2通路のワイドボディー機は少なく、
B737、MD90、A320、A321などの1通路のナローボディ機が多い。

 

B767ならば「A,B,通路,C.D.E,通路,F.Gとなり、
座席に挟まれる席はDの一席だけ。
真ん中の席の確率は1/7となるが、

 

B737ならば、「A.B.C,通路,D.E.F」と、挟まれる席はBとEの2席であり、
真ん中の席の確率は2/6とワイドボディ機の2倍以上となる。

 

飛行機の話になると、ついのめり込んでしまうのでこれくらいにしておくが、
問題は、私たちが乗るのがB737などのナローボディ機が非常に多く、
しかも、真ん中の席に指定される確率が異常に高いということ。
今日の場合ならば、
私が19Eで、トニーが18E、増田が17Bと、いずれも真ん中の席。
こういう状態になるのが非常に多いのは、
何か理由があるのだろう。

 

また、「サウスウェスト航空」のように、指定席が無く、
早いもの順で席を取る仕組みでは、
機内に入れる順番があって、私たちはいつも一番後だ。
だから、みんなが窓側と通路側に座って、
真ん中だけが空いているところへ入って行って、
誰と誰の真ん中に座るかを決めなければならない。
みんなが「あっちへ行け」というような顔をするところを、
「エクスキューズミー」と言いながらすごすごと入っていくのだ。

 

これには何か訳があるのかもしれない。
トニーには、飛行機のチケットを安く取って欲しいとお願いしているので、
色々工夫をしてインターネットで取ってもらっているが、
たしかに日本の国内便などに比べると
びっくりするほど安く買ってくれている。
ひょっとしたら、安くチケットを取ってもらっている事が、
こういう状態になっているのかもしれない。

 

日本では安くチケットを買おうと、一般の価格で買おうと、
同じように好きな席を取ることが出来る。
予約の時に「お席は窓側と通路側がありますが、どちらをお取りしますか?」
と聞かれて、
私ならば、文句なしに窓側を選ぶ。
日本の国内便ならば、せいぜい2時間程度の近距離で、
トイレに立つことも何も無い。
だから、景色が見える窓側がいい。
距離の長い国際線の場合は、席を立ちやすい窓側を選ぶ。

 

ところが米国の国内線では、ほぼ100%満席であり、
私達に与えられる席は、いつも真ん中の挟まれる席なのだ。

 

どうも、米国の国内線では、
安くチケットを買えば買うほど、ツライ席を指定されるような気がしてきた。
米国の国内線の仕組みがそうなっているのではないだろうか。

 

最初は、偶然そうなのかと思っていたが、
ここまで続くと、そうと考えた方が自然である。

 

日本では特割という早くに予約して便を固定してしまう割引があるが、
普通の人はそれを使えるだけで、
せいぜい3割引程度までで、大きなディスカウントが無い代わりに、
席については標準の価格で買った乗客と同じ権利を与えられる

 

それに対して、米国では早く予約を固めてしまい、かつ色々な制限を受け入れると、
かなりのディスカウントが期待できるが、
その代わりに座席が冷遇されるのかもしれない。

 

今、両方の1.4倍と1.7倍の巨体男二人も、
私とべったりくっつくのが嫌なようで、体を斜めにしたりして避けようとするが、
なにせ絶対的な体積がオーバーしているので、
どうしてもくっつく部分がある。
それがジワーっと暖かく、時間が立つと汗をかくほどで、
実に気持ち悪い。
真ん中の私は、それでも何も出来ず、
ひたすら知らん顔してパソコンを打っているのが関の山、耐えるだけである。

 

いずれにしても、
ディモインはこれからも何度も行く事になる所であって、
その度に、こんな意味の無い消耗をしていたのでは長く続かない。
観念して、少し高くても通路側に座れるようにしなければならない。
今、真剣にそう思っている。

 

なにせ、ちょっとお腹の具合がゆるく、
トイレに立ちたいのだが、さっき一度立ったので、
2度まではとても言えない状況なのだ。
ツライ。こんなことが一番ツライ。

 

92kgの私の1.4倍と1.7倍の男二人に挟まれて、
ただ、ただ、じっと耐えている私である。
・・・・・・・・・

 

 

と、ここからはロスアンジェルスのホテルで。

 

ここからの写真は、
1.4倍と1.7倍の巨体男との忍耐飛行の“前”の写真ばかりである。

 

デモインの朝はマイナス2゜Cぐらい。
工場の植樹が霜で白くなっていた。

 

 

時間が惜しいので、議論は昼食のサンドイッチを食べながら続ける。

 

 

大急ぎでデモイン空港から、デンバーへの飛行機に乗る。
横四列の快適な席で、豪快に寝る増田

 

 

デンバーに近くなり、高度を落としてきた。
下には特徴的な農場が延々と続く。

 

 

遠くにはロッキー山脈が見える。

 

 

約50名乗りの小さなジェット旅客機には、おばちゃんのスチュワーデスさんが一人。
この人が素晴らしいパフォーマンスで、私達を楽しませてくれるのだ。
ロッキー山脈の写真もこのおばちゃんが撮ってくれた。

 

 

快適なディモインからデンバーの飛行のあと、コックピットが開けられていた。
この私にしてメーカーも名前も分からない謎の飛行機、
コックピットがすべてCRT化されていたので最新の飛行機には違いない。

 

 

デンバーで2時間の乗り合わせの間、
空港内のバーでビールとバーボンを飲む。
これが、そのあとの地獄の苦しみの元の一つであったお腹のピーゴロの原因だったか。

 

 

デンバーからロスアンジェルスの飛行は、1.4倍と1.7倍の巨体男二人との
忍耐飛行。

 

すべての日程を終えて、
トニーが御自宅に夕食の招待をしてくれた。
奥様の素晴らしいお料理と素晴らしいワインと、
素晴らしいステーキと、楽しいおしゃべりと、ちょっとだけ真面目に議論して、
長い長い一日の締めくくり、トニー御夫妻の記念写真。

 

 

いつものことながら、ご馳走様でした。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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