谷 好通コラム

2019年02月06日(水曜日)

2.06.どこまでも可哀相な人

小学校四年生の女の子が、父親に虐待されて死亡する事件がありました。
テレビの朝バラエティー番組ではその女の子の悲劇を、
父親の非人間的な犯罪とするだけでなく、
その子を救える立場にありながら、
むざむざと犯罪者に幼子を引き渡してしまった柏児童相談所の
間接的な犯罪行為は残念でした。
記者たちがいくら追求しても、
言い逃ればかりの所長には日本国中が失望したでしょう。
こんな情けない大人に殺された女の子は哀れです。
日本国中で地団太踏む音が聞こえて来そうです。

 

もう一つ悔しかったのは、
母親が、子供が殴られていれば自分が殴られずに済むので放置したと答えた事、
そう答えれば、
悪いのはあくまでも父親であって、
母親である自分も被害者だと責任転嫁する卑怯さと、ふてぶてしさ。
自分も被害者であるのならば、子供を連れて逃げれば良かったのに、
そうすれば、少なくともあの女の子は死なずに済んだのに。
それどころか、
母親が女の子に食事を与えていなかったから
死んだ女の子の胃は空っぽだったという。
何とも残酷な母親ではないか。

 

そんな冷酷な母親でも、
自分も被害者の側であると言いたかったのだろうか、
自分も殴られたことがあったので、
自分の娘が殺されるまで虐待されても、
自分が殴られるのが嫌だったので、放置した。
「自分も被害者なのだから、仕方がないのだ。」そう言いたかったのだろうか。
そういう人はいる。
たとえ自分の娘が殺されても、
それを止めなかったのは、自分も暴力を受けていたのだから、仕方がない。
自分も被害者だ。
とんでもない。
この母親は実際に手を下した犯罪者である父親とまったく同じ罪であり、
自分の娘を殺した張本人に違いない。

 

この人はそれが犯罪であって、
娘にとっては残酷な仕打ちでしかないことは理解できないだろう。
あくまでも自分は可哀そうであり、
相手にとってどんな害を加えようと、
それは自分は被害者なのだから仕方がない。
その被害から何十年も経っても、それは昨日の事と同じであって、
その報復は、
いつまで経ってもずっと正しい。
どこかで聞いた事のある話ですね。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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