谷 好通コラム

2005年12月28日(水曜日)

1314.2006年の事その3

一昨日のこのコラムで、3つの(※)のついた項目を挙げた。
(※1)まったく新しいタイプの手洗い洗車機
(※2)「ダイヤモンドキーパー」
(※3)すべてを習得してスタートする「KeePreプロショップ」

 

順番に説明していく。

 

その1.(※1)まったく新しいタイプの手洗い洗車機
[労力を軽減することは、質の向上につながる。]

 

今、コイン洗車場への入場者がかなり減っているという。
これは、自分で洗う人が減って、
洗ってもらう人がどんどん増えている事に他ならない。
SS業界が手洗い洗車に力を入れ始めた事が起因しており、
SSが先頭になって洗ってもらうという洗車ビジネスの枠を大きくしている事になる。
しかも、今まで自分で洗っていた人は、
車の美装に対して高い価値観を持っている人が多く、
高い品質の手洗い洗車、コーティングを実現しているSSでは、
大きな収入増の源になっているようだ。

 

私どもの洗車の研修で、最初に必ずお話しすることがある。
「洗車とは、字のごとく読めば『車を洗うこと』。
しかし、お客様にとっては洗車をしてもらう“目的”は、
車を“キレイ”にしてもらうことであって、
車を洗う行為はその“手段”に過ぎません。
お客様の“目的”が車を“キレイ” してもらうことであることを忘れると、
車を洗うだけで結果的に車はキレイにならない。
つまり、『なんだ、ここの洗車、ちっともキレイにならないじゃん。ダメだなこりゃ。』
ということになります。
何が目的であって、何がそのための手段であるのか、
それを忘れると、キレイにならない洗車を売ることになります。
それではお客様に支持されず、売れるわけがありません。
洗車とは車をキレイにすること。キレイになる洗車の技術を身に付け、きちんと一台一台をキレイにすること。これが洗車収益を上げる基本です。」

 

私たちは、車をキレイにすること、
それも“キチンとキレイ”にすることを目指して、
手洗い洗車とかKeePreコーティングなどの訓練を行なってきた。
車をキチンとキレイにするには、訓練が必要なのです。
厳しい訓練を通じて、たくさんの方が洗車の技術を身に付け、
全国で高品質の洗車を実現している。

 

しかし、ここに一つの大きな悩みがある。

 

洗車の作業、とりわけ手洗いの洗車作業はかなりの労力を必要とすることだ。
大きな労力は、その積み重ねにより疲労を招き、
その疲労が人の心をも蝕み、質の高い作業の継続を困難にする。

 

手洗い洗車は大変な作業だ。
だから、安売りをして数を追うような商品ではない。
きちんとした値段を付けさせていただき、きちんとした作業で、キチンとキレイにする。
それをよく理解したうえで、
質の高い洗車をやろうと一生懸命努力していても、
たくさんのお客様の来店で、台数が重なってくると疲れてくるものだ。
肉体の疲労は、集中力の低下にもつながるし、
いい仕事を続けることが困難になってくることもある。
せっかく質の高い洗車を信じてリピートしていてくれる常連さんも、
たった一度の手抜きで、離れて行ってしまうこともある。
辛いことである。

 

あるいは、手洗い洗車の値段を安くして “数”を追ったSSにおいては、
疲労からスタッフが辞めていってしまう現象もよく見る。
これはこれで辛いことである。

 

高い質の洗車を、極力、労力を要しない作業にするために、
手洗い洗車の“機械化”は、絶対必要であり、避けては通れない問題である。

 

私たちは、まず「快洗Jr.」という機械を作った。
最もベーシックで、機動性があって、使いやすい構造を持っている。
これは、すでに2000台近く全国の主にSSさんに導入されており、
ベストセラーである。

 

次に「快洗Boos」という機械を造った。
門型のちょっと見には、普通のブラシつき洗車機と同じような格好をしている。
もちろんブラシはない。
その代わりに高圧のスプレーがついていて、
自動的に水掛をし、泡かけ、泡流し、撥水コートかけ、エアーブローなどを、
自動でやってくれる。

 

自動的になった分、手洗い洗車は非常に楽ちんになり、
作業時間も短縮できた。
快洗隊直営店にはほぼすべてこの機械が導入されている。

 

この機械はそういう意味で大変に役に立つ機械であることは間違いないのだが、
ただ一つ、その形が門型であり、
よく見ないと普通のブラシつき洗車機に見えて、
手洗い洗車をオーダーしてお客様が、お車を快洗Bossに入れたとたんに、
「おい!俺は手洗いを注文したんだぞ。洗車機に入れるなよっ!」と、
待合室から飛び出してくることが、いまだにある。

 

次に出したのが、「ウィザード」という既成の手洗い洗車機で、
70kg/c?以上という高圧水で、ボディの泥とか汚れを吹き飛ばし、
泡を出し、撥水をコートを出し、
これも大変効率の良い手洗い洗車機であった。
ただ、
これは、モーターなど電気部分が、
SSでの消防規定の60cm以上に上げられておらず、
SSに据えつけることが出来なかった。
そのため十数台の少数が出たに過ぎない。

 

SSでの使用が前提の手洗い洗車のための機械がどうあるべきであろうかと、
長い間考えてきた。

 

そして、やっとここに至って、アイデアが出てきて、
一つの洗車機を作ることにした。
まだ試作機段階ではあるが、2006年3月には、量産体制に入る予定である。
これは今までの洗車機とはまったく異なるタイブであり、
次のような特徴を持っている。

 

1.超省スペースであり、壁ぎわに1mの余裕があれば取り付けることが出来る。
従来からの門型洗車をそのままに、
2台目の手洗い洗車機として設置しやすい構造になっている。

 

2.水掛、泡かけ、撥水コートかけ、泡流しまでが自動化されていて、
作業のかなりの部分を機械が肩代わりして、スタッフの労力を大幅に軽減する
その上、その工程は恐ろしいまでに速く、数十秒単位で作業が進む。

 

3.その形は門型洗車機にはまったく似ておらず、
手洗い洗車のデモ効果が大きく、店頭のアピールに役に立つ。

 

4.“水しぶきが飛ばない”ので周辺の家や、SSに来店のお客様に迷惑をかけない。

 

5.必要ならば、最低限のスペースでエアーブローを取り付けることが出来る。

 

まだここまでしか書けないし、
特許の関係で写真も図面も掲載できないが、
いまや完成は間近である。
乞う御期待である。

 

スタッフの労力を軽減して、洗車の高い品質を保つ。
あるいは時間を節減して、お客様をお待たせする時間を軽減する。
時間効率を上げて、洗車に高いレバレートを与える。

 

色々なメリットを実現するであろうこの機械を、
「快洗WING」と名づけた。

 

 

ただ今、北京から約1時間、南に戻った「青島(チンタオ)」のホテルの中。
どうしてこうなっているのかは、定かではないが、
とりあえず、私は今、「青島(チンタオ)」にいる。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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