谷 好通コラム

2005年12月15日(木曜日)

1305.ホテルがなくなる

姉歯元建築士による構造計算偽造の事件が社会問題になっている。

 

お気づきの皆さんも多いと思うが、
アイ・タック技研がよく使っていた刈谷駅前のホテル「エースイン刈谷」も、
たまに使う「名鉄イン刈谷」も、
いずれも満員でどうしようもない時に使った「アズイン大府」も、
建物の強度不足がはっきりして、
すべて、この事件の中で閉鎖された。

 

これらのホテルをもっぱら使っていた私たちは、
使えるホテルが無くなってしまった。
また、研修の方に泊まっていただくホテルも無くなってしまった。
ほんとうに困っている。

 

この三軒のホテルは、外観もそっくりだし、
部屋もまったく同じ構造であったと、このホテルに泊まった社員が言っていた。
事件が発覚してすぐ「名鉄イン刈谷」がダメだとニュースに出て、
いずれ「エースイン刈谷」も、「アズイン大府」も、
ダメになる予感がしていた。

 

 

所長会議とか、全体会議の時は、
遠くから来た社員が、主に「エースイン刈谷」に全員が泊まったし、
快洗隊FCの研修などで、研修生もたくさん泊まった。

 

このホテルが出来上がってからすぐ使い始めたので、
多分、全部で1,000泊・人以上は使ったはずだ。
完全なビジネスホテルで、
部屋は大きくはないが、清潔にされていたし、
フロントスタッフの方々も親切で、
泊まってもらった人たちの評判は悪くなかった。

 

おまけに夕6時くらいから8時まで、食堂で、生ビールが飲み放題で、
ツマミは持ち込み自由。
しかし残念ながら、
快洗隊の研修は夜8時までに終わることは稀で、
ホテルに戻った時には生ビールが片付けられていて、
「せっかく飲み放題なのに、一回もビールを飲めませんでした。」
と、たくさんの人がぼやいたものであった。

 

知らぬこととはいえ、
結果として
このホテルに泊まったたくさんの方々には、大変申し訳ないことをした。
この場を借りて、深くお詫びいたします。

 

今日の午後、東京から刈谷駅に帰って来たとき、
二つのホテルが閉鎖されているところを、初めて目の当たりに見たのだが、
活気のあったホテルが窓とカーテンをすべて閉め、
玄関をベニア板で閉鎖されている様子は痛々しい。

 

この姿を見て、唖然とする人も多いだろう。
我が社員諸君は、このホテルに何十泊もしている者が多い。
強度は基準の80%と判定された。
一昔前ならOKの出た強度であり、比較的軽度の違反であったという。
建物を補強して、また使うそうだ。

 

 

より問題が大きいのは、「名鉄イン刈谷」
強度は基準のわずか35%程度しかなかったそうで、重度の違反。
早急に取り壊す事になっている。
このホテルは、JRと名鉄が共同で使用している刈谷駅に、
覆いかぶさるように建てられており、
もしものことがあった時には列車の安全にも関わる深刻な例だ。

 

 

誰が悪いのか、
やった姉歯元建築士か、
やらせたゼネコンか、
実際にこの建物を造った下請けの工務店か、
下請けの職人たちか、
偽造を見抜けなかった民間の検査機関・役所たちか、
あるいは見抜けなかったのでなくて、故意に見逃したのか、
はたまた、その背後に君臨する何とかというコンサルタントか、
その辺に渦巻く利権漁りの政治家たちか。

 

些細な金を浮かすため、
人の命が直接関わる建物から安全を取り去るという悪事。
大きな罪を作った真犯人は誰か、
凶悪はどいつか。

 

いずれにしても、
下っ端ではないことは間違いないようだし、
「悪い事をした」と悔やんでいる者の中にもいそうではない。
あんな安物のカツラを被っている気の弱い奴が、巨悪の中心とは思えない。
「知らなかった。」「自分は悪くない。」「悪気はなかった。」と、
自分の中に非があるとしない図太い奴の中にいるのだろう。

 

 

今日の朝は、「浦和」。
夜遅くまで起きていたのに、朝、さわやかに起きられたのは、
多分昨日の夜飲んだ酒が、とっても楽しかったからだろう。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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