谷 好通コラム

2005年11月04日(金曜日)

1280.カウンターパンチ

私はボクシングのファンではない。
だから、カウンターパンチの意味も間違って認識しているかもしれない。
ただ、大昔に、夢中で読んだ漫画の中に「明日のジョー」というのがあって、
ジョーと力石がカウンターパンチを応酬している場面があり、
その時憶えた知識と、私の稚拙な物理の知識だけで書くことを初めにお断りしておく。

 

 

さて、カウンターパンチとは、
ボクシングの技で、
相手がこちらにパンチを繰り出してきた時、
すなわち、こちらに重心が向かってきた時に、
瞬時にタイミングを合わせて、相手の顔面にパンチを食らわす。
すると、こちらが繰り出したパンチの力に加えて、相手がこちらに向かってくる力が加わって、
単なるパンチに比べて、2倍の力が相手に加わり
2倍の威力と破壊力をもって、相手を打ちのめすというものだ。
まったくすごい物である。
(よ~わからんが)

 

ちょっと科学的なお話で、
たとえば、
ある壁を、手で押した時、
壁を押している手の力の分だけ、壁も同じ力で手を押している事になる。
手で壁を押しても、その壁が動かない場合、
手で壁が押された時、その力に等しい応力が壁からも発生している事になる。
1=1の関係だ。
手と壁の間には「1」の力が両方から加わって、釣り合っている。
ところが、
壁を手で押した時に、壁がその力に負けて動いてしまった場合、
壁からは手から加わった力よりも少ない力しか発生しなかった事になる。
その時、手と壁の間に発生している力は、
手より弱い壁の力の分だけになる。
たとえば、
1の力で、壁を押したら、壁からは0.6の力しか発生しなかったので、
手と壁の間の面には、0.6の力が発生していて、
1-0.6=0.4の力が余分になり、
手から壁の方向に0.4の力×壁の質量という加速で壁が動くという事になる。

 

ボクシングで、
ボクサーが相手の顔にパンチを放った時、
まともにパンチが顔に当たると、
パンチの力(加速)×パンチの質量=パンチ力が相手ボクサーの顔に加わり、
パンチ力÷相手ボクサーの顔の質量=相手ボクサーの顔に力(加速)が加わる。
この力(加速)に対して、
相手ボクサーに強靭な首の筋肉と丈夫な顔の骨があれば、
相手ボクサーの顔から同じ力が発生して“釣り合い”、
「グッワッシッ」と鈍い音がするだけだが、
そんな強靭な首と顔の持ち主はあまりいるものではなく、
パンチの力に負けて、顔に激しく加速が加わり、
頭が激しく振られる事になって脳震盪を起こすのだ。

 

例えば、
10のパンチ力が顔に掛かった場合、
相手の首は6の応力しか発生できずに、
10-6=4の加速が顔に発生して、頭が激しく振られ、
脳みそに4の力の加速衝撃が加わる。

 

カウンターパンチとは、
相手ボクサーがこちらにパンチを繰り出す時に、
つまりこちらに対して体重の加速が掛かった時に、
タイミングを合わせて、こちらから相手ボクサーに対してパンチを食らわす。
すると、
こちらのパンチ力に相手ボクサーの体重加速が加わって、
相手のボクサーの顔には、2倍のパンチ力が掛かかるわけだ。
すると、相手ボクサーの顔には「20」のパンチ力が発生する事になって、
相手ボクサーの首が発生できる応力が同じ「6」ならば、
20-6=14の加速力が相手ボクサーの顔に発生して、
脳みそには14の力の加速衝撃力が発生する事になる。

 

この計算上では、
カウンターパンチは、普通のパンチに比べて14/4倍の破壊力が生まれるわけだ。

 

 

仕事のことを考えていて、こんなカウンターパンチのことを思い出した。

 

色々な人と縁があって、毎日仕事をしているが、
たとえば、
仕事の話をしていて、
その仕事のためのことを考えてより、
自分の得のためになる事だけを話す人がいる。
もちろん、こちらの事だとか、
お客様の事だとか、そんなことはそっちのけで、
自分のためだけを優先して、損得だけの話を自分の有利にしようとする人がいる。
それは、社内の人であっても、そうでない人にでも同じようにいるものだ。

 

こういう人と話をして、
相変わらず、自分の得になるような話ばかりしてきた時、
こちらの応力として、その人に得をさせないような話で押し返す事になる。
それで、ちょうど話が釣り合う。
壁を押す手が力を入れてきたら、
その分だけ押し返す壁になって、動かない状態のようなものだ。

 

もちろん、そんな時は、
仕事の話としてはうまく行きようがない。
単に、その人に不当な得を取られて、
こちらが不当な損をするということを、せずに済んだだけ。
損得の駆け引きだけで、
本当の意味の仕事にはならない。

 

自分の得だけを考え、行動している人は、
自分が得をするならば、仕事全体がうまく行くかどうかはどちらでもいいことで、
ましてや、会社が損をしようと、お客様が満足しなくても、
それは、どちらでもいいことなのだ。
そういう人間と、
仕事をうまく進める相談をしても、
お客様の満足について語っても、まったく、意味が通じない。
表面上の理解はあっても、その価値観の部分で食い違っているので、
その話が持っている本来の目的である理解は得られることはないのだ。

 

自分の得だけをぶつけてくるなら、
その人に得をさせないようなことをぶつけ返すと、こちらが損になることは防げる。
ただそれだけのこと。
そんな人と仕事をしても、
損得の駆け引きだけが先行するので、
仕事の進展には役に立たない。とっとと縁を切ったほうがいい。

 

そう思ったら、
カウンターパンチを食らわせばいいのだ。
その人をノックアウトするような話をぶつけてやる。

 

つまり、
向こうが身勝手な自分の得になるような話で押してきたら、
そのパンチをくぐり抜けて、
その反対の、その人が損になる話をぶつけてやるのだ。
そうすると、その人は、大変ショックを受ける事になる。
自分の得になると思って、
こちらに話をぶつけてきたのに、
カウンターとして自分の損になるような話をぶつけられて、
プラスとマイナスの2倍の損得勘定がそこに発生しする。
身勝手なその人は、これではたまったものではない、
自分の得などぶっ飛んでしまうと、
逃げ出すのである。
ノックアウトだ。

 

う~~ん、これは名案かもしれない。

 

 

こんなとりとめのない話を書いていたら、
沖縄発、中部空港行きのJALが着陸態勢に入った。
(やっぱり10分の1程度の乗機率、ホントに心配です。)

 

もうすぐ、
常夏の沖縄から、
すっかり秋空の涼しい(寒い)名古屋だ。
半そでシャツのまんま帰って来たけど、風邪引くかな?

 

そういえば、快洗隊の畠中君から、
快洗隊鳴海店の改造工事の写真が届いた。
これは一体何なのでしょうか?
あと、10日ぐらいで全貌が解ります。お楽しみに。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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