谷 好通コラム

2005年10月28日(金曜日)

1275.日本の洗車を倍に

3日前のコラムで、続きを「明日書く」と書いた。
この「明日書く」が曲者で、こう書いた時は必ず、次の日に書いていない。
なぜだろうか?
「書かねば」と思うとかえって書けなくなってしまうのだ。
意志の弱さだと言えば、それまでのことだが、
何度も続くと自分でも不思議に思えてくる。

 

などと言い訳にもならない言い訳を書いた上で、

 

さぁ続きを書こう。

 

 

 

前回、こう書いた。
アメリカにおいて洗車を事業としている店舗が75,000軒もあって、
洗車ビジネスとして
年間で約2兆7,000億円ものスケールを持っていると推定した。

 

これを、日本の人口に換算すると、
2兆7,000億円×1億2千万人/2億9千万人≒約1兆円/年
となるはずだが、
日本の現状から考えると
日本の洗車ビジネスは推定4,080億円/年のスケールにとどまっており、
アメリカの半分以下でしかなく、
日本人のキレイ好きの思考から考えてみても、これはどうもおかしい。

 

計算があまりにも大雑把であるので誤差はあるだろうが、
それにしても、倍以上とはその差が大きすぎる。
アメリカと日本とでは何が違うのか。

 

ふと考えて思いつくのが、
アメリカでは、「車は洗車屋に洗ってもらうもの」
日本では、「車は、人任せにせず自分で洗うもの。」
まず第一に、ここだと思うのだ。

 

アメリカは広大な土地があるので、どの住宅もたっぷりの庭がある。
自宅の前で車を洗うことは、日本であるよりずっと楽なはずだ。
しかし、自宅のガレージの前とかで車を洗っている風景はまず見なかった。
いや、そういえば、一回だけ見た。
比較的低所得層が住む街で、おじいさんが車に勢い良く水を掛けている。
多分、これは洗車なのであろう。

 

 

何回か行ったアメリカで、自分で洗っているのを見たのは、これ一回だけである。
そういえば思い出したのだが、
映画の「リターントゥーフォーエバー」で、
悪役のビフが、主人公のお父さんにワックス掛けを言いつけられて、
「ちゃんと二度掛けするんだぞ」と言われていた。
アメリカでは
「洗車とかワックス掛けは、やってもらうもの」なのかもしれない。
それに対して日本では、
自分で洗っている人が全体の50%以上であるとアンケートに出ている。
自宅で洗っている人が圧倒的に多いが、
休日になると自宅前でお父さんがせっせと愛車を洗う姿と、
コイン洗車場が繁盛しているのは日本の風物詩のようだ。

 

アメリカでは洗車はお金を払ってやってもらうものであり、
日本では、半分以上の人が自分で洗っている。
だから、日本の洗車ビジネスは、
アメリカの半分程度のビジネススケールしかないのか。

 

もし、そうだとすれば、
日本で洗車ビジネスを伸ばして行こうと思ったら、
まず「自分で洗っている人」を、何とか崩していかねばならないことになる。

 

逆の言い方をすれば、
「自分で洗っている人」を、「私たちに洗わせる」その気にさせれば、
日本の洗車ビジネスも倍になる可能性があるというものだ。

 

 

なぜ、50%もの人が、SSなどの洗車をやっている所で洗車をしてもらわず、
自分で洗うのか。

 

まずポジティブな動機で自分で洗っている人。
「洗車がスキだから」
「洗車にお金を使うのがもったいないから」
「家族のレジャーのように洗車場を使っている。」
これらの人達は好きで洗車を自分でやっているのだから、
これからも自分でやるのだろう。

 

しかし、好きで自分の車を洗っている人たちばかりではない。
ネガティブな動機で、
仕方なく自分で車を洗っている人もいる。
「自分の納得いくような洗車をやってくれる所がない。」
「洗車機は好きではない。なんか怖いような気がする。」
「金を払っていい加減な洗車をやってもらうぐらいなら、我慢して自分で洗う。」
そんな人が想像以上に多いとアンケートには出ている。

 

日本人はアメリカ人よりも、神経が細やかで、
車のキレイに対しても、より欲求の度合いが高いのだ。

 

しかし、
日本においての洗車ビジネスは、
ほとんどの場合、ガソリンスタンドの副業として行なわれてきた。
副業は副業である。
本業の妨げにならないように、
出来るだけスタッフの手を取られないように、
ガソリンスタンドでは洗車機で洗う洗車が主流であった。
仕上げはスタッフが行なうが、洗車は副業であるので、
洗車の技術訓練がなされている場合は少なく。洗車に対してほとんど普通の人である。
その洗車は、お客様が自分で洗う洗車よりもキレイにはならなかった場合が多い。

 

こんな方程式が成り立っていたのではないだろうか。
・お客様が自分で洗車をする時、自分の車を洗車する。
・私たちが洗車をする時は、他人の車を洗車する。
・お客様と私たちの洗車技術が同じレベルならば、
自分の車を洗うお客様の方が、その車がきれいになるのは間違いない。
・自分の洗車よりきれいにならない洗車に、お客様は価値を感じない。
・価値を感じない洗車にお金を払ってまで、やってもらうことはない。
・仕方ないので自分で洗う。
こんな方程式

 

日本人は、神経が細やかで、
車のキレイに対しても、より欲求の度合いが高い、
だから、自分で洗う人が50%以上もいるのだ。

 

私たちが、今まで自分で洗っていたお客様の車を洗わせていただくには、
お客様以上の洗車技術を持つしかない。

 

そんな考えで作られたのが快洗隊であり、KeePreであった。

 

お客様が自分の車を洗うよりも、
特別に洗車技術を訓練されたスタッフが、お客様を満足させる洗車をし、
その信頼によって、もっとキレイになるコーティングも高い率で受注して、
プロの技でより深い満足をお客様に提供する。

 

快洗隊とキーパーの基本的なコンセプトがここにある。
神経が細やかで、車のキレイに対しても、
より欲求の度合いが高い日本人は、こんな車のキレイを待っていたかのように、
日本国中でキーパーが施工され、
快洗隊にたくさんのお客様が殺到している。

 

訓練された洗車技術と、より満足の大きいコーティングは、
今まで自分で洗っていた人たちを、日本の洗車ビジネスに巻き込み、
より深い満足を提供する事によって、
日本の洗車を少なくとも“2倍”にする可能性を持っている。

 

 

・・・と、ここまでが今までの快洗隊のコンセプトなのだが、
10月中旬に愛知県岡崎市にオープンした快洗隊・岡崎店は、
もう一つ先を見た快洗隊だ。
350万台×50%~70%×四万円=700億円~980億円プラスα
これがターゲット。

 

その訳は、また明日。
今度こそ、絶対に、また明日書く。

 

 

 

昨日、10月27日、広島県福山市にある快洗隊FC・新涯店にお邪魔した。
この店は、全体の写真を見るよりはるかに立派であり、
工夫が尽くされ、
これがコンビニエンスストアを改造した快洗隊とは、
知っていないと絶対に分からない店だ。

 

 

スタートは素晴らしいものであったが、オープン8ヵ月後の今、
ちょっとしたことで伸び悩んでいる。
しかし、田和マネージャーは、その原因にとっくに気が着いていたようで、
早速解決策を実行していた。
この店、本当にイイ店です。

 

グットです。田和マネージャー

 

 

二人の若いスタッフの洗車ぶり。グットです。

 

 

清潔感あふれる室内と田和社長と、ちょっと太ったかな?の酒部部長

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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