谷 好通コラム

2005年10月22日(土曜日)

1272.変わっていく時代

昨日、旧名古屋国際空港、今は県営名古屋空港(小牧)へ行った。

 

一昨日、私が馬場さんを名古屋空港へ送っていく予定が、
ちょっとした行き違いで、畠中君に行ってもらう事になって、
楽しみにしていた久しぶりの名古屋空港(小牧)を見ることが出来なかった。
だから、昨日、ちょっとした時間があったので、
仕事の行き先のついでに名古屋空港(小牧)に寄ってみたのだ。

 

この県営名古屋空港(小牧)がまだ名古屋国際空港であった時、
私たちは何百回となく利用してきた。

 

その名古屋国際空港が、
中部国際空港開港にともなって、
小型機のコミューター便専用の空港に格下げになってから
どんな様子になっているのか、気になっていた。

 

まず、一般道から空港の入り口にかかると、
正面にあった建物が何もなく、拍子抜けになる。
右側の方には、たった6.7年しか使われなかった新品の豪華な国際便ビルが
全体からムダを発散しながら、ひっそりと巨体をさらしていた。

 

使用を継続されている古い国内線ビルは、
左側の方へ通路を入り込んだところにある。

 

ビルの前にあった駐車場は、
ビルから一番遠いところにある立体駐車場を残して
すべてが撤去の工事され更地になっているか、何か分からないが工事をやっていた。

 

 

この駐車場は、名古屋国際空港の閉港時に、
その日の12時以降にすぐさま工事に入るので絶対に駐車するなと、
必死で大騒ぎしていたので、
開催が近づいていた万国博に備えて、何かを作り始めるのかと思っていたが、
ただ単に駐車場が撤去され、更地になっていただけであった。
あの騒ぎはなんだったのか。バカみたいである。

 

車の乗降通路には昔の喧騒はなく、ガランとしている。

 

 

それでもタクシーの乗り場には、何台かのタクシーの列があり、
一日たった16便の、どれだけ来るか分らない客を待っている。

 

 

ビルの中に入って驚いた。
名古屋国際空港からコミューター便空港への切り替えの“一晩”で、
あちらこちらに板で蓋をして、
移動式のパーテーションで臨時に仕切って、
とりあえず形だけ付けたあの姿そのままで、まだ運営をやっていた。
つまり、恒常的なコミューター空港の機能を、あの一晩で作ってしまったわけだ。

 

 

それにしてもスタッフの姿ばかりで客があまりいない。

 

 

ためしに搭乗口のある二階に登ってみたら、
名古屋空港の将来図のようなパースが飾ってあった。
滑走路と同じ地面を歩いて渡るエプロンが面白い。
しかし、ビルは何も変わらず、描かれている飛行機は、
この飛行場唯一のジェイ・エアーの主力機ボンバルディアCRJ-200ではない。
何かの意図があるのか、それともただの無神経か。

 

 

この名古屋空港(小牧)、
以前の名古屋国際空港の国内便ビルを、部分的に“蓋をして”使っているだけで、
ビルをより有用に使う工夫とか、
コストを減らす工夫など、
コミューター空港への根本的な変身がされていない。
ましてやコストの大きな要素である人件費の節減が成されていない事は深刻である。

 

たとえば、
預ける荷物のX線検査に3人の係員が着いていた。
多分交代要員としてあと二人はいるはずだ。
この空港の便数が「16便」
飛行機は「50人乗り」のCRJ-200
全便満席でも、一日50人×16便=800人
いくら繁忙期でも上記率は70%程度、800人×70%=560人
荷物は、普通の空港でも50%程度の人しか預けない。
近距離が多いコミューター便ならば、多分30%程度の人しか預けないはずだ。
ならば、
560人×30%=180人

 

1日180人が預ける荷物のために、
5人の検査用の警備員を配置する。
あくまでも仮定の話ではあるが
これが如何にバカバカしいことか、それ以後のコストの計算をするまでもないだろう。
あとは一事が万事、
いかにも過剰なコストを感じさせられた。

 

一般の空港とは極端に乗降客数の少ないコミューター空港では、
根本的に発想を変えた運営手法が必要である。
この空港では、
今までの手法を単にスケールダウンさせただけの要素が数多く見られ、
無駄が多く、空港も、航空会社も大きな赤字を出し続けるのだろうと思えた。

 

一年前の一般空港からコミューター空港への変身で、
当初での想定外の事柄も多くあったはずだが、
それはそれで、
運営の手直しと改善が行なえばそれでいいのに、
一晩での変身の日のそのままで、その後、運営が始まってから、
何らの変更も修正もなく、
だらだらと運営されているように見えた。

 

時代は変わっていく。
その変わっていく時代の中で、根本的な変身と余儀なくされる場合でも、
その変身に伴って、一つ一つの手法にも“進化”がなければ、
それは形の上だけの変身であって、
時代に適合した進化とはならず、時代遅れとなってやがては死に絶える。

 

 

 

今日の夜、オープンしたばかりの快洗隊岡崎店に行った。

 

快洗隊岡崎店は、
新しい洗車事業のあり方を作り出すために、
新たなる進化を遂げた形でオープンした。
その進化にともなって、
店舗デザインから、主力商品、技術、メインビジュアルも変更し、
「洗車屋 快洗隊」から「CAR WASH快洗隊」へ進化した。

 

お客様の反応もかなり良い。
新しい主力商品の「ダイヤモンドキーパー」の受注も順調だ。
仕上がりに対するお客様の反応も抜群である。

 

だが、進化にともなう細かな手法の部分で、
その進化に着いていけていない所がまだまだある。

 

当然のことである。

 

しかし、この辺の修正を、間髪を入れず実行していく事によって、
新しく進化したすばらしい快洗隊が完成するはずだ。

 

店というものは、
完成してから運営を始めるのではなく、
運営を始めてから解ることがいっぱいあって、
その修正が素早く的確に行なわれる事によって、
店が完成するということになる。
そういう意味において、今の状態は正常である。
問題はこれからである。
本番は始まったばかりである。

 

この店、
実に楽しみである。
ものすごく楽しみである。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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