谷 好通コラム

2005年09月09日(金曜日)

1245.新ビジュアル撮影

今日は大阪。
新しい快洗隊シンボル・ビジュアルの撮影である。
場所は東大阪市にある?鉄谷写真事務所のフォトスタジオ。
この事務所は、
スーパー耐久で?17キーパーインテグラのレースシーンの
ド迫力写真を撮ってくれている中村カメラマンが所属している事務所で、
特に車の写真に特化している大きなスタジオだ。

 

※中村プロが撮った?17キーパーインテグラ。
ホィールが目一杯回っているのに、
車の動きにぴったり合い、見事に明快に写っている。

 

 

今まで使っていた快洗隊のビジュアルは、
もう7年前に撮ったもので、
この頃でデビューしたエコカーの「プリウス」を快洗隊のスタッフが囲み、
極上手洗い洗車・キーパー・室内清掃を、
タキシード姿で行っているというところを多重露光で撮ったものだ。
「お客様の車に対して、身をただし、真心を込めて大切に扱う」
そんな快洗隊のショップコンセプトを1枚の写真で表現したもの。

 

※北神戸店で使った折込チラシ。

 

 

評判が良くて、
7年にわたり何十万枚、何百万枚、ひょっとしたら一千万枚以上も、
日本国中の快洗隊がチラシなど色々なものに使用してきた。

 

しかし、ビジュアルの中心に写っている「プリウス」も、
一昨年モデルチェンジをして旧型車になった。
車というものは不思議なもので、
新型車が出ると、それまでの型が急に古く見えてきてしまう。
そうするとビジュアルも何か時代に取り残されたもののように見えてきてしまって、
そろそろ寿命かな、と思っていた。

 

そこで、平成17年の6月決算も終わったところで、
思い切って新しいビジュアルと撮る決心をしたのだ。

 

この仕事を担当してもらった?プロデューサーの今井さんとも、
話し合いを繰り返して、色々と考えに考え抜いて、
ビジュアルそのものは“キープコンセプト”で行く事にした。

 

しかし、ビジュアルの真ん中に来る車は、
初代の、エコと好感をテーマにプリウスを使ったが、
今回は、「高品質、高い技術、情熱」をテーマに、
「アストンマーチン」を起用した。

 

アストンマーチンとは、イギリスの名門スポーツカーメーカーで、
「007 ゴールドフィンガー」に“DB5”がジェームスボンドの愛車として登場している。
その時人気の絶頂を越してから、長い凋落の時代が始まり、
一時は年間生産台数40数台にまで低迷した。
しかし、フォードがアストンマーチンという名門ブランド名の魅力を評価し、
全面的に買収して、
超豪華・高性能スポーツカー「バンキッシュ」を発表した。
これは6000ccV12気筒の大型のスポーツカーで、
世界中から人気を集め、見事にアストンマーチンを復活させた。
しかし、フェラーリなどと比べるとまだまだ圧倒的に小数派であり、
そのスタイルは、シックなもので、
ボディカラーもシルバー、ガンメタなど重いカラーが多い。
派手な赤とか黄色が多いフェラーリとかランボルギーニ等とは一線を画す。

 

派手な存在ではないので、一般の人で知っている人は多くはない。

 

 

この車を知っている人が少なく、
しかも高級感がしっかりとあり、プレミアムのカタマリのようなアストンマーチンは、
バンキッシュ、V12DB7、DB9とデビューさせ、
今年、V8バンテージという
ポルシェ911に価格的にも対抗できる安価な車種を出した。
安価なと言っても1450万円もする、
とても、買おうかどうかなどと迷うスキすらない超高級車である。

 

それでも比較的優しい顔をしていたので、
イヤミなビジュアルにはならないと判断して、この車を選択したのだ。

 

鉄谷写真事務所は、車関係に大変強く、
この「アストンマーチン」をどこからか借り出せると言うのだ。
しかし、「それがV8バンテージとは限らない。どのタイプが来るか分らない。」と言う。
でも、事がどんどん進んでいたので、
「とりあえずアストンマーチンならいいかっ。なんとかなるさ。」となり、
今日の日を迎えたのだ。

 

鉄谷写真事務所のスタジオに着いたのは午前10時過ぎ。
スタジオに届いていたアストンマーチンは、
「バンキッシュ!」であった。

 

「エ~ッ、バンキッシュ!?」
一番高い車で、なんと2,730万円の車。
さすがにトッププライスの車だけあって、顔は迫力があり、キツイ。
しかも、そのカラーは物凄く濃いグリーンで、写真に撮ると黒にしか見えないだろう。
「う~~ん、こまったなぁ、どうしよう。」

 

私たちは、一番安い(と言っても1450万!)V8バンテージ、
それも最もアストンに多いシルバーを想定して準備をしてきている。

 

用意していたのは、
白と黒のタキシード、白と黒のエナメルの靴、
そして念のために快洗隊の正式ユニフォームであるサロペット。

 

初代のビジュアルは、
全員、白のタキシードで揃えた。
今回は、
それに軽快さを出そうと上着を脱ぎ、
モデルも若いスタッフを二人、
北神戸店の山迫Mg22歳。安城店のMg土井である。

 

とりあえず、予定通りのタキシード、白のエナメルの靴で出てみた。

 

 

やっぱり弱い。
それにタキシードと言っても、
用意されていたのは結婚式の花婿用のタキシード。
考えていたのはソムリエなど格式ある職場で働く人のユニフォームであるタキシード。
それが私たちの心構えなのだ。という意味だ。
「花婿が洗車している。」では、まったくヘンなものになってしまう。

 

急遽、撮影を中止して、
衣装を立て直す事にする。

 

ズボンは黒のタキシードのライン入りズボン。
シャツはフリルなどがまったく着いていない普通の白シャツ。
ネクタイは黒の蝶ネクタイ。
腹の当てバンドは、スリムな方のやつを。
そして、靴は“スニーカー”

 

これで、躍動感あふれる動きを表現して、
バンキッシュの顔の強さに勝とうというわけだ。

 

実際のビジュアルでは、車に絡むのは4人。
本番は、山里君と土井君の2人が絡むカットを2種類撮って、
それを一枚の写真に合成する。
その上で、井上さんが、CGを駆使して加工して不思議な世界を作り出す。
ずいぶん手の込んだものになるのだ。
早速リハーサル。
リハーサルには二人のモデルに、畠中君と大貫君が加わる。
(大貫君は何かを落としたのであろうか)

 

 

なかなかいい。
デジタルカメラで撮っているので、すぐに撮ったものを見ることが出来る。

 

 

何度も、ポーズを取って、
何度も何度もポジションを変えて、
検討を繰り返して、ポジションとポーズを決めていく。

 

それでも、撮ってはすぐに画面を見ながら検討できるので、
ペースは恐ろしく速い。
今までのフィルムカメラを使っての撮影とは比べ物にならない速さだ。
十回以上ポジションと、ポーズを変えて、
最終的に配置が決まったのは、それでも1時半を過ぎていた。

 

楽しい昼ごはんである。
スタジオが取ってくれたお弁当は、これまたびっくりするほど美味しいかった。
(写真を撮るのを忘れた。)

 

腹ごしらえをしてから、さぁ本番だ。

 

この本番は、土井君と山迫君にとって辛いものであったに違いない。
ポーズを取ってからも、
立つ位置とか、腕の位置とか、角度とか、
微妙な調整が続く間、ずっとポーズを取り続けなければならない。
しかも、躍動感ある写真を撮りたいので、動いている途中のポーズを取らせている。
つまり、両足とも床についているものの、
実は、片足のつま先に全体重を乗せているポーズとか、
腰を無理に捻っているポーズとかだ。
ポーズが決まって、
「そのまま、そのまま」と、何枚も本番写真を撮った後、
「ハイ、いいですよ~~」と言われた途端、しんどそうに顔をしかめる。

 

特に土井君は、結婚してからかなり太ってしまったので、
シャッターを押す瞬間、
「ハイ、腹を引っ込めて」と、言われ、ずいぶん辛かったようだ。

 

タキシード姿の写真をすべて撮り終えて、
「やっぱり、快洗隊のユニフォームでも一枚撮っておこうよ」という事になって、
大急ぎで、二人は着替える。

 

ポーズは先程と同じ。
それに、いつものユニフォーム姿になった二人は、
先程とは見違えるほど活き活きとした動きをしている。

 

それでも、やっぱり
「ハイ。本番撮りま~す。土井君お腹引っ込めて~。」

 

 

すべてを撮り終えたのは4時を回っていた。
フィルムカメラの時代ならば深夜の1時か2時であろう。

 

仮に合成をした写真を、簡単なプリントで見せてくれた。
ほぅ、なかなかであるぞこれは。

 

※タキシード版
 

 

※ユニフォーム版

 

 

「終わった。終わった。」
満足そうな。二人。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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