谷 好通コラム

2005年06月15日(水曜日)

1192.つい、酒部チックに

シンガポールについての一つ目の話を書いていて気が付いたことがある。

 

シンガポールでも中国と同じように、タクシーが大変安い事を書いた。
そして、それが自家用車の抑制策になっていると。
「タクシーを日常の足として使えるぐらいの値段にして、
“自家用車を持つ必要性”を無くしている。
あるいは減らしている。
これなら、自家用車を持たなくても、日常の生活にまったく不便を感じない。
タクシーは街中を十分に走り回っていて、
(街を走っている車の半分くらいがタクシーという感じがするぐらい)
いつ、どこででも捕まえることが出来る。
タクシーの方も、乗客が絶えず、乗車率は非常に高いはずだ。
とにかく、タクシーは多い。安くて、そして便利だ。
中国でも同じであった。」

 

特に中国では、100kmほどの離れた町にもタクシーに乗って出張に行く。
一日がかりのタクシー出張。
往復で200km以上も走って、900元(11,700円)。
3人乗ったら、一人4,000円弱だ。
日本では絶対に考えられないことである。それだけタクシーは安い。

 

よく考えてみると、
日本のタクシーは、世界の中でも飛びぬけて料金が高いのではないだろうか、
物価の高いアメリカでも、ヨーロッパでも、日本ほどは高くはなかったような気がする。

 

ここで、ふと、考える。

 

シンガポールでは、タクシーの料金をうんと安くして、
タクシーを“足がわり”に使えるので、自家用車を持っていなくても不便ではない。
それが自家用車が増える抑制する有効な策となっている。

 

それに比して、
日本では、
タクシーに5kmも乗るとすぐに数千円にもなり、
とても気軽に利用できるようなものではない。
30分も高速道路を走れば一万円を越すこともある。
さすがに、10,000円/30分の付加価値がタクシーにあるとは思えない。
私は、多少は経済的には余裕がある方だと思うが、
それでも、タクシーに乗ることは「もったいない」とすごく感じるし、
ちょっとした距離ならば、絶対に、電車かバスに乗る。

 

◎タクシー料金が高い
→なかなか乗れない。
→乗る人が少ない。
→タクシーの乗車率が低い。(収入が少ない)
→低い乗車率を補うためにタクシー料金を上げる。
→ますます、みんなタクシーに乗らない。
→値上げをしても、乗車率が下がれば、収入は上がらない。
→また、料金を上げる。
◎異常に高いタクシー料金と、異常に低い乗車率のいたちごっこだ。

 

そうか、だから、みんな当たり前のように自家用車を買うのだ。
自家用車を買った方が、タクシーにしょっちゅう乗るよりも、うんと安く済むのだ。
そうか!
日本のタクシー料金が高いのは、
自家用車を増やすためのものなのだ。
そうか!
自動車メーカーの策略なのだ。
自動車をたくさん売りたいがために、
タクシーの料金を異常に高くして、
自家用車を買った方が得にしているのだ。

 

日本のタクシー料金が異常に高いのは、
自動車メーカーが、その強い政治的影響力を持って、
影になり、ひなたになり、タクシー料金を高くするように誘導しているのである。

 

日本のタクシー料金がバカバカしいほど高いのは、
実は、世界に冠たる日本の自動車メーカーのたくらみの産物であった。
・・・・・
わたしは、酒部チックな妄想にとりつかれ、
絶対に書かねばならない原稿をほっぽらかして、また、こんなくだらない事を書いてしまった自己嫌悪と、
いかにもありそうなフィクションを思いついた快感に酔いながら、
白日夢を楽しんでしまった。

 

明日、きっと、キーパータイムスの関係者から非難ごうごうであろう。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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