谷 好通コラム

2005年01月03日(月曜日)

1092.「たら」・「れば」・・

[洗車屋は相変わらず年末大ラッシュ]

 

2004年の年末も終わった。

 

年末は快洗隊にとって一大イベントであって、
淡々と続く日々の大きなけじめとして、みんなの一つの目標になっている。
ワッショイ、ワッショイと、お祭り騒ぎのようなところがあって、
スタッフ達の士気が大いに上がる。

 

平月の2倍ぐらいのご来店のお客様があって、
特に大晦日から一週間ぐらい前からの連日のラッシュは、
スタッフにとっても、かなりきついものである。
しかし、人間、ゴール地点があると何とかがんばれるもので、
普段では考えられないような力を出すものだ。

 

今考えてみると、20年前、ガソリンスタンドを始めた頃から、
ずっと年末は大晦日がゴールのサバイバルゲームのように過酷なものであった。

 

お正月の休み中に車が止まってしまわないようにと、
オイル交換、クーラントの交換など、車の軽整備は普段の2倍、3倍、
その中でも洗車はいつも2倍以上はあった。
そして車にとって一番重要な燃料、
お休み中にガス欠しないように、
ほとんどの車が満タンにする。だから平月の130%~140%ぐらいは出た。
かと言って、12月だけスタッフ数を大幅に増やすわけにいかず、
せめて身内に手伝ってもらうぐらいで、
大晦日までの一週間は、
みんな手はボロボロ、体もグタグタ、
大晦日までの過酷な数日を、
あと四日、あと三日、あと二日とカウントダウンで耐えていた。

 

それもこれも、大晦日というゴールがあり、
その後わずか三日間であるが、元旦から連休を取れることが励みになっていた。

 

そんなガソリンスタンドの年末が、ここ何年かで様変わりしているようだ。
年末間際になっても、
行列が出来るような大ラッシュがあまり見られない。

 

なぜか?
セルフスタンドが増加したことによって、
365日24時間無休のスタンドが増え、
「年末までに満タンにしておかなくては」という危機感が消費者の中から薄くなった事。
それに、カーショップだってお正月からやっているし、
軽整備ならお正月でも心配ない。
洗車機洗車ならセルフスタンドでも、コイン洗車場でもやっている。
そんなような理由で、
とりわけ都市部でのガソリンスタンドから、
かつてのような年末大ラッシュが少なくなったのではないだろうか。

 

洗車屋はどうなのであろう。

 

やっぱり年末はいまだにワッショイで、お祭り騒ぎのように盛り上がる。
そして、大晦日のゴールを迎えて「やった、やった」となるわけだ。
20年前のガソリンスタンド時代から、何年か前、洗車屋への変身してからも
ずっと変わらない年末の光景であった。

 

では、その洗車屋がお正月も営業するようになったら、どうなのだろうか。
洗車屋も年末の大ラッシュがトーンダウンするのだろうか。
ちなみに今年は、お正月も営業している快洗隊がある。

 

オートバックスとのコラボレートで運営の「快洗隊・相模原店」が、
年末に続いて、元旦からずっと営業をしているのだ。

 

※お詫び。
今回は、一番最初に相模原店の年末の訪問をしたので、
今年は全快洗隊メンバーを撮ろうということを思いついていず、
相模原店のメンバーだけ、写真を撮っていない。申し訳ない。(^_^)v

 

相模原店においては、
オートバックスがほぼ年中無休での営業であって、
お正月は年末に引き続いて
「大売出しセール」を仕掛けるほどの大切な繁盛日なのだ。
快洗隊だけ休むわけには行かない。
柴田マネージャーをはじめ、
スタッフが交代で営業している。
畠中社長も4日から相模原に入ると言っていた。

 

今聞いた実績では、
元旦が洗車売上げ、約9万円
2日が11万円
3日が多分10万円ぐらいになるだろうとのこと。
平日と土日の中間ぐらいの実績。あるいは平日にちょっと近いぐらいであろうか。

 

意外である。
29日、大晦日が雪でほぼ全滅状態であったこと。
元旦以後がすばらしく晴れ上がっていること。
オートバックスが売り出しを掛け集客を図っていること。

 

この3点を考えると、
お正月から年末並みの大ラッシュが起きても不自然ではなかった。
しかし、結果的にはそれほどでもない。
たしかに平日よりは多いが土日よりも少なく、少なくとも年末並ではない

 

こう言ってしまうと、
過酷な年末に引き続いて営業を少人数で続けてくれている柴田Mgはじめ
スタッフのみんなの大変な苦労に対して、大変申し訳ない言い方だが、
ある意味では、この程度で良かったとも言える。
年末の大ラッシュがこれから先も無くならないという一つの証拠になるから。

 

なぜならば、

 

お客様のカーライフにとって、燃料・オイルなど「必要商品」を販売しているGSでは、
お正月の営業する店舗が急激に増えたことによって、
年末に駆け込みで買わなければならないという「必要」が少なくなったから。
年末の大ラッシュが沈静化している。

 

対して、
洗車屋は「車を綺麗にしていたい。」という「欲求商品」を主に販売している。
「お正月は綺麗な車で晴れ晴れしていたい」と欲求が、
年末近くになってからの大ラッシュを作り上げているのであって、
多分、それがお正月になってからでは遅いと思う人が多いのであろう。
たとえ、大晦日に雪が降るなんてハプニングがあったとしても、
お正月になってからでは、やはり、もう遅いという人が多いのではないか。
たとえば、
年末に忙しくて、部屋の大掃除が出来なかったとしても、
元旦から大掃除をやっている人はあまり見たことがない。

 

このように色々考えていっても、
たとえ、年中無休の洗車屋が多くなったとしても、
洗車屋にとっての年末は、
やはり宿命のように大ラッシュがやってくるものであろうという結論になる。

 

洗車屋にとって、年末の大ラッシュ対策は永遠のテーマになるだろう。
次の話から、ここで
今年の年末で得た私たちにとっては貴重なデータを元に、
洗車の年末対策について考えて行きたい。

 

 

・・・・
しかし
・・・・・
・・・
それにしても、今回の年末は
29日と31日の雨と雪が痛かった。
ほんとに痛かった。

 

商売に「たら」「れば」は禁物であるが、
あえて、愚痴っぽく「たら」「れば」をぼやいて見たい。

 

快洗隊のスタッフと応援の人たちが決して口に出せない「たら」と「れば」を、
みんなに代わって、
あえて!あえて!叫びたい。

 

あ~~~~29日と大晦日が晴れてい“れば”、
雨と雪が降らなかっ“たら”

 

相模原店は、
一年目の年末を、前年の知立・安城店と同じように、
絶対に450万円はいっていた。
あるいはそれを大幅に更新することだってあっただろう。
そう500万は行ったはずだ。
くやしい~~。

 

北神戸店は、昨年より少ないスタッフで、
何の混乱もなく過去最高の1日35万円を達成していた。
あ~~~~29日と大晦日が晴れてい“れば”、
雨と雪が降らなかっ“たら”
あと50万円以上は上積みできた!
たった100坪の店だが、
総粗利400万円に王手を掛けていたのに。

 

知立店と安城店、
29日と大晦日が晴れてい“れば”、
雨と雪が降らなかっ“たら”
両店とも軽く総粗利500万円upで
もっともっとデッドヒートした戦いが繰り広げられたものを、
あの二日間の雨と雪が台無しにしてしまった。くっそ~~~~

 

2005年はアイ・タックに出向。
そのとりあえず最後の年末に
たった一軒だけ前年割れをしでかしてしまった知立店の半田Mg、
「涙が出そうです。」と言っていたが、最後に本当に泣いていた。

 

鳴海店。
三河地区の快洗隊のドミナントから外れてのオープン。
それもオープンから10日目で12月を迎えてしまった。
それでも本気で総粗利400万upを狙っていた。
29日と大晦日が晴れてい“れば”、
雨と雪が降らなかっ“たら”
せめて、せめて、総粗利370万円はいけたのに、くやしい・・

 

刈谷店。
石川Mgに与えられた、たった、一度の年末のチャンス
総粗利1,000万円目標は、決してホラじゃなかったんです。
本当に行けそうだったんです。
あの29日と大晦日が晴れてい“れば”、
雨と雪が降らなかっ“たら”
絶対に100万円は上乗せ出来た!
だっ“たら”、総粗利979万円。
本当の一千万の大台は、次の中根君に譲ったとしても、
少なくとも絶対に900万upだけはやって置きたかったなぁ・・・
くっそ~~~~。

 

すべて、快洗隊スタッフ達の本音。

 

 

最後に、
雨が降る大晦日の朝、
フラッと鳴海店に現れた畠中社長は、
万策尽きたのか、
何か放心状態になったように、
寝グセのついた頭で、
力なくへらへらと笑っていた。

 

 

朝から降り続いた大晦日の雨は、
午後3時ごろ上がって、
それでも、零度近くまで冷え切った空気は、決して路面を乾かすことはなかった。
午後6時、
そろそろ大晦日のオーダーストップの時間が迫るころ、
西の空には、明日元旦の晴天を予言するような夕焼けが広がっていた。
その赤さが、よけいに悔しかったのです。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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