谷 好通コラム

2004年12月03日(金曜日)

1070.上海・カレ-客客壹

今回の上海行きの目的の一つが、
オートメカニカin上海というショーに、
(ドイツのオートメカニカとの提携)
KeePre上海総代理店の車聖さんが出展するので、
その手伝いをすることになっていた。
(私はもう日本に帰ってきたが、上海のみんなは明日までショーに出ている。)

 

その準備が終わった日(一昨日)
広瀬君の歓迎を込めて
みんなと晩御飯を一緒に食べようということになって、タクシーで街に出た。

 

広瀬君が
おいしい韓国料理屋を知っているということで、
ショーの会場からタクシーに乗ったのだが、
私と荻野部長、広瀬君、沙君の4名(李は別の所から駆けつける。)
本当は2台のタクシーに分乗したいところだが、
場所を知っているのが広瀬君だけなので、
仕方ないので、1台のタクシーに4人がギュウギュウ詰め状態で乗ることになった。

 

そんなに離れた場所ではない。
虹橋空港の近くらしく、多分、車で20分ぐらいか。

 

4人を押し込んだタクシーが目的地に近くまでやって来たが、
3車線の大きな道で、突然大渋滞に巻き込まれた。

 

曲がるべき交差点の信号は見えているのだが、
ひと信号でほんの少ししか前進できない。
しかしこちらのタクシーは、
その渋滞の中でもおとなしく順番を待つようなことはしない。
ジリジリとしか動かない車列の中でも、
ちょっとでも他の車の前に出ようと、
車線を頻繁に変える。
車線を変えるたびに強引に車を割り込ませるのだ。

 

渋滞の中で、
何十台もの車がクラクションを鳴らし、
パッシングを繰り返して、
割り込みしながら渋滞がじわじわ進んでいく姿は、狂気染みていて、
助手席に乗っているだけで疲れるような気がした。
助手席の私はまだしも、
上海のタクシー、サンタナの後席に押し込まれている3人、ただ無言で堪えている。

 

何信号目であっただろうか、
ようやく交差点にたどり着いた私たちは、
この渋滞がなぜ起きているのか、その理由が分った。
信号の向こう側はガラガラである。
しかし、この大きな道路と交差している細い一車線の道が混んでいて、
その一車線の道路に入る左折車が、(日本で言えば右折車)
大きな道をふさぐ形で、
何台も並んでいて、
大きな道路の信号が青になっても、
狭い道への左折車が、ほとんど全部をふさいでしまっているので、
意味もなく大きな道路の方も大渋滞になっていたのだ。

 

自分が、ちょっとでも前に行きたいがために、
無理やり左折して来て
大きな道路をふさいでしまい、
たくさんの車の大渋滞を作り上げていた。

 

交差点の中は、
自分だけがちょっとでも前に行こうとする車でぎっしりの、
いわゆるフン詰まり状態。

 

みんながホンのちょっだけ譲り合えば、
スムーズに車ははけて、
こんな渋滞はまったくないのに、
誰もが、自分の事だけを考えるので、
みんなが身動きできなくなるまで混みあってしまっているのだ。

 

この情景を見て、
「なんと愚かな人達なんだ。
この人たちの身勝手さは、
それが自分の首を絞めていることを、知っていているのだろうか。
馬鹿げている。
いつもそうだ。この国はどうなっているんだろう。」
そう思った。

 

もちろん日本にもこういうことはある。
自分の車の灰皿を汚したくないので、
火の着いたままのタバコを平気で道路に捨てる者が目立って来ている。
愚かなことである。

 

しかし、上海の道路での車の狂奔ぶりはやっぱり異常だし、
自分が疲れている時には、特にそんな風に思う。

 

 

ところが、
昨日は、「快洗Taoる」の陶さんの車に乗った。
道がそんなに混んでいなかったせいもあるが、
陶さんの運転はいつもすごくスムーズだ。

 

無茶な車線移動もしないので急激な横Gがかかることもない。
車間を無理に近づけたりしないので、急ブレーキを踏むこともない。
日本で普通の道を、
普通に運転しているのとまったく同じである。

 

同じ上海の道を走っていても、
横着タクシーなどの傍若無人な運転と、
陶さんの運転では、同じ道路を走っているとは思えないほどの差だった。
そう言えば、頼さんの運転する車に乗ったときも、
車聖の任さんの車に乗せてもらった時も同じであった。
多少強引ではあるが、横に乗っていてまったく怖いとは思わなかった。

 

逆に、
上海ほどの混雑はない南昌で車に乗った時は、
プロの運転する車であったのにやはり乱暴で、怖いと思った。

 

 

同じ環境の中で走っても、
運転するその人によって、まったく違ったものになる。
運転に限らず、色々なことがきっとそうなのだと思う。
きっと、そういうことだと思う。
上海もきっと変わっていく。

 

 

それでも、ようやく到着した韓国料理屋さん
わざわざ苦労してやってきた甲斐のあるおいしい韓国料理であった。

 

 

前の日には、上海の「カレーCoCo一番屋」にも行った。
私たちの事務所のすぐ近くにあり、中国ではまだここ一軒だけであるらしい。

 

上海では「客客壹」と書いてあった。
これで「ココイチ」に近い発音で読むらしい。
ちなみに、キーパーは「汽宝」と書いて、チーパオと読む。
中国では、
ブランドとか店名をすべて漢字にせねばならず、
みんな駄洒落みたいな名前の付け方になるのだ。
※日本の店のイメージとはかなり違う。

 

 

メニューは、日本の5分の1ぐらいの品揃えで、なかなか苦労しているようである。

 

 

日本では健康志向で着色していない“福神漬け”が当たり前であるが、
上海の福神漬けはまだ赤かった。
もちろん、味は同じである。

 

 

上海の「客客壹」のウェイトレスさんは、
日本のユニフォームとはまったく違う。
何ともかわいい子達で、男の店員さんも含めて二重丸と接客振りであった。
日本にそのまま持ってきても立派に通用するもので、ちょっと感動物である。

 

 

カレーの味は、
日本より甘く設定されていて、
上海の「四辛」が、日本の「一辛」に相当するのだそうだ。
辛いものが平気な人が多い中国人にとって、
カレーの辛さは唐辛子の中華の辛さとは違うものなのか?
意外なことであった。

 

味は?
もちろん、うまかった!ベリーグッドである。

 

肝心のカレーの写真を撮り忘れてしまった。
せめて食べ終わったカレーのお皿だけでも

 

 

上海の「客客壹」は、苦戦しているように見えた。
カレーという文化が中国において、
日本のようには定着していないかもしれない。
日本以上のレベルの徹底した「接客」は、中国においては早すぎるのかもしれない。
しかし、
「客客壹」のCS路線は、いつかきっと上海の根付くであろうし、
決して間違っているとは思わない。

 

身勝手な運転をするドライバーが多い中で、
私がお付き合いしている方たちの運転は、実にみな紳士的であり、
それで決して遅い運転ではなかった。

 

「客客壹」のハイレベルの接客が、
いつか上海の成功店の常識になると確信するし、
我が「快洗隊」が、
上海のみならず、中国のあらゆる地域において必ず成功し、
中国のスタンダードに成ることを、
「客客壹」のハイレベルCS戦略を見て、共感のエールを送りたくなったのでした。

 

上海の広瀬君は、この客客壹の大ファンで、
一週間に2、3回は食べに来るという。
スタンプカードを貯めてVIP会員になるのだと自慢していた。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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