谷 好通コラム

2004年10月07日(木曜日)

1034.本当をやれる人達

今日は朝5時に起き、
7時45分発の飛行機に乗って新潟にやってきた。
新潟はまぶしいほどに晴れ上がっている。

 

新潟ではガソリンスタンドを経営の萱場さんを訪問した。
萱場社長とお会いしたら、
「はじめて会った気がしません。いつもプレコラ読んでいますよ。」
とおっしゃる。
ということは、
私はこの方のことを何も知らないが、
カヤバ社長は、私のことをほとんどすべて知っていらっしゃるということで、
私はこの瞬間に素っ裸になったも同然、
ものすごく恥ずかしくなって赤面してしまうのだ。

 

それをお察しいただいたのか、
カヤバ社長は、ご自分のこと、考え方、会社のこと、お店のことと
一生懸命くわしく説明していただいた。
ありがたいことで、これで少しだけ追いつく事が出来る。

 

いろいろなお話を聞いて驚いたのは、
ご商売について、経営についてご立派な考えをお持ちなのだが、
おっしゃっていることを、すべて実際に、具体的に実践していて、
すごい成果を挙げていることだ。
「自分が言う事は、まず自分がやっている事であり、あるいはやった事である事」
という方のようだ。

 

キーパーを毎月100台施工している。
しかし、それ以上に伸びない。
どうすればいいのだろうか。
いろいろ考えて、
1カ月サイクルで施工してくれるお客様、2ヶ月のサイクルで施工してくれるお客様、
これを別々に管理する事にした。
そう言って、その実際の管理手法を見せてくれた。
ホワイトボードと、手作りのメモを組み合わせたアナログの方法であったが、
まことに理にかなっており、感心した。
(写真を撮り忘れてしまった。)

 

今度は
「私たちサービス業は、お客様のことを知らなくてはなりません。」と言って、
お客様のことを知るための道具となるソフトを見せてくれた。
オリジナルのソフトで千万円単位のお金が掛かったそうだ。
その使い方は、短時間ではよく解からなかったが、
なかなか面白そうである。

 

スタッフの方が、毎日の仕事が終わってから書く日記のようなノートが、
そのデータベースの源になっているようで、
デジタルとアナログが、それぞれの長所を生かしてあるシステムのようだ。

 

お会いしたのは非常に短時間ではあったが、
そのしっかりとした考え方と、実践力からの結果が伴っている所がすごい。

 

お聞きした経営指数は、本当にりっばな物であった。

 

 

最後に一つ失礼なことを聞いた。
「ボッタクリはやってませんか?」
ボッタクリとは、つまり、お客様の車に不必要なものを、必要と言いくるめて
不要なものを売りつけること。

 

私の知っているある消費者が
こんなことを言っていた。

 

「昔、近所のスタンドに、ガソリンを入れに行ったら、
バッテリーの無料点検をしています。と言われて、
なんかの機械でバッテリーを調べたら、
『お客さん、このバッテリー、要注意とテスターに出ています。
いつエンジンが掛からなくなってもおかしくない状態ですので、
今、交換しておきましょうか?』
と言ったそうだ。

 

だけど、その時の車は新車で買ってまだ1年経っていなかった。
そんなバカなと思って断ったんだけど
ダメだと言われてからもう2年経ったけど、
バッテリーなんか全然ダメになっていない。
本当にあの時、無駄なお金使わなくって良かったと思っている。
あのスタンド、もう信用できないので、
今は、絶対にあの店には行かない。
友達にもこの話ずいぶんした。」
と、憤慨していた。

 

この消費者の言っているスタンドは、
たった一個のバッテリーを売りたくて嘘を言ったばかりに、
たぶん何人かのガソリンのユーザーまでを失っている。

 

目先の利益を追って、
その場の実績を上げるために
タコが飢えると自分の足を食べるように、自分の身を削っていくようなことがある。

 

この素晴らしい実績は、
その場限りのそんな切ない手段を使ったものではないですよね。
と言うことを聞きたかったのだ。

 

もちろんそんなことは、この店に限ってあり得ないと思ったから、聞けたことだ。

 

「車のことをあまり知らないお客様に、『車が壊れる』と“脅して”物を売るのは、
本当に悪い習慣ですよね。この店では絶対にやってませんよ。
一生懸命お客様とのコミュニケーションを大切にして信頼を得ているのに、
そんなつまらないことで信頼を失うことなんてこと出来るわけがありません。」
とおっしゃってくれた。

 

立派なことを言いながら、
やっていることはその反対のようなことをしている人が多い。

 

あるいは、言うだけで、実践をしようとしない人も多い。
立派なことを言うだけ言って、
すぐそのあとに、「でも自分は出来ない」その理由(言い訳)をくっつける人もいる。
だったら言わなきゃいいのにと思うのに。

 

自分でやれる人の言うことは、
自分でやっている人の言う事は、リアリティーがある。

 

 

新潟の空は、この日、透き通っていて、雲がくっきりと見えた。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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